2015年5月9日土曜日

Seppie al Nero di Seppia ヴェネチア風 甲いかの墨煮

旬のコウイカをトマトとワインと素材のイカ自身からとった墨で煮た、ヴェネチアの郷土料理 甲いかのスミ煮。
コウイカの別名はスミイカ、イタリアではイカスミ料理は基本的にこの甲イカと甲イカのスミを使って作られます。

日本ではイカ類は一括りに"イカ"と呼びますが、欧米では筒型の細長い姿のツツイカ類と、胴体の中に大きな甲羅を持っているコウイカ類では呼び名が異なります。
スルメイカやヤリイカなどのツツイカ類は英語で "Squid"、イタリア語では "Calamaro"(複数形は Calamari)。
この "Calamaro" は本来はヤリイカを指す単語ですが、ヤリイカを含めツツイカ類の総称としても使われます。
一方、短足で頭でっかちな姿が滑稽で可愛らしいのがコウイカ類。
コウイカのほかモンゴウイカ、ミミイカなどがいます。
英語で"Cattlefish"、イタリア語では "Seppia"(複数形は Seppie)。
イタリアではかなり一般的な食材ですが、日本だと普通のスーパーなどではあまり見かけることがなく、市場や魚専門のマーケットでこの時期ならではの旬の食材として手頃な値段で見つかります。

ところでイカスミのことを英語で "Squid Ink"、つまりツツイカのスミと呼びますが、ツツイカ類からスミはそれほど多くとれないため自身のスミだけでイカスミ料理を作るにはちょっと足りません。
イカスミがたくさんとれるのはスミイカの別名があるコウイカの方で、イタリア語ではイカスミは "Nero di Seppia"。
一杯のコウイカから何人分ものイカスミがとれます。

そしてこの "Seppia"、なんとセピア色の語源でもあるんですよぉ。
イカ墨の色は真っ黒だと思ってたけど実はセピア色だったんですねぇ。
なんだか急にロマンティックな料理に思えてきました。笑
デートでは避けられがちな料理ですが、濃セピア色に仕上げたこの皿の実食においては、とくに歯が黒くなったりしなかったのでご安心を。

さて、黒くてわかりにくいため案外知られていないのが、イカ墨料理は実はトマトソースがベースの料理だということ。
トマトの酸味と濃厚なイカ墨のコクがうまくバランスして美味しいですが、トマトだけでなくイカスミとにんにくとオリーブオイルはめちゃくちゃ相性がいいですよねぇ。
漂ってくる匂いだけでワインが飲めそう。

ヴェネツィアでは脇に黄色いポレンタを添えてセコンド(メイン料理)として提供されますが、旨みがたっぷりのソースも残らず食べたいなら代わりにバゲットを添えるといいかも。
合わせるワインはやはりヴェネト州のソアーヴェが順当です。

※ prezzemoloさんの魅力的なブログ「イタリア料理ほんやく三昧」からイカスミに関する知見を多数引用させていただいております

Ingredienti (per 4 persone)

コウイカ500g
玉ねぎ1/2個
にんにく1片
唐辛子1本
白ワイン1/2カップ
トマト缶1缶
オリーブオイル適量
塩胡椒適量
イタリアンパセリ5枝
レモン1/4個


Preparazione

コウイカは大人の手のひらぐらいのサイズを2杯準備します。
泳ぐときに上になる方=模様のある方を上に向けてまな板に置き、縦に包丁で切れ目を入れるとすぐに甲羅があるので、それを取り除きます。
甲羅の下に内臓があり上の奥の方にスミ袋があるので、スミを破かないように取り外します。
スミ袋はコップなどに入れてから破いてスミを出しておきます。

胴体は綺麗に洗って薄皮を剥き、ひとくち大に切ります。
脚は目から上を切り落として吸盤などをよく洗って切り分けます。
にんにく、玉ねぎ、イタリアンパセリは粗みじん切りにします。
レモンは櫛形に切っておきます。

フライパンにオイルをしいて弱火でにんにくの香りを出します。
香りが立ったら唐辛子、玉ねぎを加えて中火でソフリットにします。
イカを加えてさっと炒めてから白ワインを注ぎ、強火にしてアルコールを飛ばします。
トマトを加えてさっと混ぜ合わせたらイカスミを少しづつ加え、濃いめのセピア色になるよう量を加減します。(小さじ2杯ぐらい)
イカが軟らかくなるまで蓋をして中火で30分ほど煮込み、塩胡椒で味を調整して火を止め、粗熱をとりながら味を馴染ませれば出来上がり。

皿に盛りイタリアンパセリを散らしてバゲットを添えます。
ワインのつまみにするならレモンを添えて食べるときに搾りかけます。
レモンの皮を削りかけても香りがよくて美味しいですよ。

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