2015年5月2日土曜日
Pasta con Fave e Pecorino 空豆とペコリーノのパスタ
この時期に赤ワインと共にそら豆とペコリーノを食べる習慣は、ローマに限らず今ではイタリア中で見られる春の風物詩です。
和名のそら豆の由来は鞘がぴんと上を向いてつくからで、そのため空豆または天豆などの漢字をあてます。
豆が膨らんで実が入ってくると自重でだんだん垂れ下がってきますが、こうなったらまもなく収穫できるというサイン。
日本ではそら豆の生産量は鹿児島が最多で、温暖な気候とハウス栽培を活用して冬でも収穫されますが、露地ものの出荷は3月下旬頃から。
関東など他の産地はこれよりもずっと遅くなりますので、本格的な旬はこれからです。
日中は汗ばむ陽気でちょうどビールが美味しくなる季節。
塩茹でしたソラマメはビールのつまみに最高ですよねぇ。
ほかにも鞘ごと焼いたり、天ぷらなどの揚げものにしても旨いですが、こうなるともうビールだけじゃなく冷酒も欲しくなっちゃいますね。
さて、そんな和のイメージの空豆ですが、実は地中海地方が原産。
食材としての歴史は古く 今から2000年以上も前の古代ローマ時代から食べられていたそうです。
ファーベのことをソラマメの西洋種と書きましたが、そもそもあちらの方が本家なんですね。
ファーベは日本のものと比べて鞘が細長く、豆もひとまわり小粒なのが特徴ですが、糖度が高くえぐみが少ないため生でも食べられるところが日本のソラマメとの大きな違いです。
そしてそら豆とくれば、抜群に相性が良いのがペコリーノロマーノ。
こちらも歴史は古く、古代ローマ時代からずっと同じ土地、同じ製法で作られてきたイタリア最古のチーズです。
羊乳から作られるためややクセがあって塩気が強く、それがソラマメの独特の後味とマッチして旨みが口の中いっぱいに拡がります。
さらに、タンニンがしっかりしたフルボディの赤ワインを合わせれば、まさに三位一体の美味しさなんです。
陽光を浴びるのが大好きなイタリア人にとって、ピクニックシーズンのこの時期は、赤ワインとソラマメとペコリーノを持って出かけて屋外で半日過ごすのに最適な気候。
ぷんと鼻を抜けるそら豆とペコリーノの独特な後味をワインのタンニンで洗い流しながらいただくのが美味しい食べ方です。
Ingredienti (per 4 persone)
スパゲッティ | 500g | ||
ファーベ | 300g | ||
新玉ねぎ | 1個 | ||
新にんにく | 2片 | ||
ペコリーノロマーノ | 40g | ||
オリーブオイル | 適量 | ||
塩胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
小さめの鍋でごく少量の塩を加えた湯を沸かし、凍ったままのファーベをさっと湯がいて具材用に1/3の量を取り出しておきます。残りのファーベを煮汁ごとハンドブレンダーでピュレ状にします。
ピュレといってもしゃばしゃばの状態で構いません。
ファーベは水煮の冷凍輸入品を使う前提で記述しています。
国産の生のソラマメを使う場合は20-22鞘ぐらいが目安、鞘から外して切り込みを入れて3分ぐらい茹でてください。
にんにくと玉ねぎはみじん切りにしておきます。
ペコリーノは盛付けに使う分を除いてパウダー状に削っておきます。
フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて弱火で加熱し、香りが出てきたら玉ねぎを加えてソフリットにします。
フライパンにファーベのピュレを加えてソースを作っていきます。
パスタがソースをかなり吸うので水分多めのしゃばしゃば状のままで、粘度があるようなら茹で汁をレードルですくって加えます。
パスタを表示より1分30秒短く茹で上げてフライパンに移します。
具材用のファーベも加え、ソースをパスタに吸わせながら中火で手早くマンテカーレします。
火を止めてパウダー状のペコリーノを加えてもう一度マンテカーレし、味を見て、もし足りなければ塩で調整します。
皿に盛り付けてペコリーノを板状に削り、黒胡椒を挽きかけます。
香りのよいリーブオイルをひと垂らしすれば出来上がり。
赤ワインとともにいただきます。
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