2019年11月10日日曜日

Insalata di Noce e Funghi Prataioli 胡桃とマッシュルームのサラダ仕立て

ベランダで摘んだルッコラを皿に敷いてフレッシュのマッシュルームを並べ、砕いた木の実を散りばめた秋のイタリアンサラダ。
味付けはひとつまみの塩とオリーブオイル、黒胡椒はしっかりきかせて粉雪のようにパルミジャーノを削ったシンプルな一皿です。

秋なのできのこ料理を満喫されたという方も多いと思います。
きのこ料理というからには具材としてちょっと入ってるだけではなく、きのこ多めかきのこをメインに据えた料理といきたいところ。
例えば、いろんな種類のきのこを七輪で焼いて、ふつふつしたところに醤油をちょっとたらしていただくなんてのは贅の極み。
これはもう完全に日本酒が欲しくなるやつです。
他にもきのこづくしの鍋や炊き込みご飯、きのこ多めの天ぷらなんかもいいですよねぇ。
本来は山里の囲炉裏なんぞを囲む薄暗い部屋で採れたての天然きのこを堪能したいところですが、都市部で日々忙しく暮らしているとなかなかそうもいかず、ぶなしめじとか舞茸、えのきにナメコにヒラタケなど、廉価な栽培ものを使うことが多いと思います。

栽培ものといっても見下すことなかれ、日本にはわかっているだけでも2500種類ものきのこが確認され、そのうち食用になるのが300種。
そのなかでも食べて美味しい日本人好みのきのこ達は、もっと手軽に、いつでも食べたいときに食べたいという執念から人工栽培が試みられ、長年の研究で人知を結集し市場で流通するまでに至ったもの。
直近では10年ほど前に人工栽培に成功したのが本しめじというきのこ。
人工栽培は不可能とされていた時代は幻のきのこと呼ばれ、天然ものが市場に出回ることもきわめて稀で高級料亭でしか味わうことができない希少なきのこだったんです。

未だに人工栽培できていない高級きのこがご存じのとおり松茸。
流通しているのは天然もののみ、当然ながらお値段は非常に高価です。
国産より朝鮮あたりからの輸入ものの方が比較的安価ですが、あくまで国産ものと比べたら幾分安いというレベルなので、高級品であることに違いはありません。
かつては香り松茸味しめじと言われたのがこの松茸と先の本しめじ。
日本人が大好きなきのこのツートップです。

一方、西洋きのこではトリュフとポルチーニがツートップ。
ほかにも、モリーユ茸やジロール茸なんてのも知られてますよね。
ただし、日本人がこれらのきのこを好きかといえば、必ずしもそうではないんですね。
もちろんフレンチやイタリアンを日頃からよく食べて舌が慣れてる人はその限りではないのですが、実は西洋人と日本人では好むきのこの味や香りが遺伝的に違うんです。
実際、西洋人は松茸の香りが苦手だと言われています。
DNAが拒否反応を示すんですね。
なんでも、松茸の香りは履き古した革靴の匂いなんだそうですよ。
あんなにいい香りなのにねぇ。
私たちにしてみればトリュフやポルチーニこそって思ってしまいます。

そんななか、西欧でも日本でも好まれる味の西洋きのこがあります。
それがマッシュルームなんですね。
フランス語でシャンピニオン、イタリアでもシャンピニオンと呼ばれる場合がありますが、フンギ(きのこ)プラタイオーリとも呼びます。
世界でいちばん食べられている栽培きのこが実はこのマッシュルーム。
需要の裾野が広いのは万人に好まれる味だからということと、古くから人工栽培に成功し工場で大量に生産してきたことや、生鮮品だけでなく水煮などの加工製品も多く流通してきたから。
マッシュルームの栽培は17世紀にフランスで始まりました。
その後は栽培技術が諸外国へと拡がり、今やアメリカが生産量世界一のマッシュルーム大国。
アメリカ風にアレンジされたパスタやピザには水煮のマッシュルームがたくさん入ってますよね。

さて、水煮マッシュルームはゴムみたいであまり美味しくないですが、フレッシュのマッシュルームはそれとはまったく別物。
生食もできるので、西洋ではよくサラダなどにトッピングされます。
昨年も、今日とよく似たマッシュルームと春菊のパルミジャーノ和えを作りましたが、今日はルッコラセルバティカとの組合せに砕いた胡桃を散らした秋のイタリアンサラダ。
きのこは加熱した方が旨みが強くなって味がよくなりますが、生食する目的はマッシュルーム特有の香り。
ホワイト種より香りが強いブラウンマッシュルームがおすすめです。

Ingredienti (per 2 persone)

ブラウンマッシュルーム80g
胡桃ひとつかみ
ルッコラセルバティカ適量
パルミジャーノ適量
オリーブオイル適量
適量
黒胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

マッシュルームは黒い土を濡れ布巾で拭います。
軸をとり、傘を厚さ4mm程度と少し厚めにスライスします。

ルッコラはさっと洗って水気を切っておきます。
パルミジャーノはパウダー状にすりおろしておきます。

オーバル皿にルッコラを敷いて軽く塩と黒胡椒を削りかけます。
オリーブオイルをひとまわししパルミジャーノをぱらりと散らします。

スライスしたマッシュルームを互い違いに並べます。
胡桃を手で割り砕きながら散らします。
塩をぱらぱらとふり、黒胡椒を削りかけ、ヴァージンオイルを満遍なくまわしかけます。

仕上げにパルミジャーノを散らしかければ出来上がり。

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