2018年9月15日土曜日

Spaghetti alla Boscaiola con Funghi Porcini ツナと茸のスパゲッティ ボスカイオーラ

歯応えのある北海道産たもぎ茸と戻した乾燥ポルチーニをツナとともにトマトソースに仕立てた、ツナときのこのボスカイオーラ。
ツナはフレークではなく木の切り株のように見えるソリッドを使うのが木こり風と呼ばれる所以、芳醇な茸の香りに秋の訪れを想う一皿です。

記録的な猛暑だった今年の夏もいつしか過ぎ去り、気がつけばすっかり秋らしい気候になりました。
秋は美味しい食べものが多過ぎて何からいこうか悩んでしまいますが、外せないのがきのこですよねぇ。
とはいえ私たちが普段食べているブナシメジやエノキ、マイタケなどのきのこはご存知のとおりほぼ100%が人工栽培ものです。
一年中いつでも手軽に買えて便利ですが、一方で季節感には欠けるのでそれのどこが秋らしいのかって考え方もあるにはあります。
でも、そんなふうにしか考えられないのってちょっと残念ですよね。
もちろん秋の天然採取ものが手に入ればそれに越したことないですが、素人のきのこ狩りはリスクが伴いますし採取したきのこは土や落ち葉や虫などがたくさんついていて、料理に使える状態までもっていくのすら知識や経験がないとできないこと。
天然きのこはやっぱり山とともに暮らす人たちの特権です。
一方、需要が高まる秋には普段あまり見かけない茸も店頭に並ぶので、栽培ものとはいえ秋はいろんなきのこが味わえる季節でもあります。
そして何より清潔で安心安全だし、栽培ものであってもきのこの香りはやっぱり秋を感じる香りなんですよねぇ。
きのこ=秋という情報が私たちのDNAに刷り込まれてるからですね。

さて、普段あまり目にしないめずらしいきのこも店頭に並ぶこの季節、タモギタケという黄色いきのこを目にした方もいるでしょうか。
本州以南ではほとんど見かけないですが、北海道では昔からおなじみのヒラタケ科ヒラタケ属のきのこで、形はいわゆるラッパ型で傘の上部が鮮やかな黄色に発色するため別名コガネシメジ、主にニレの倒木などに発生するためニレタケとも呼ばれ漢字では楡木茸と書きます。
きのこそのものの味や香りが強く出汁もよく出ることと、噛んだときの食感が良く、しゃくしゃくした歯ごたえがあります。
自然下では北海道だと秋というより涼しい夏に発生するきのこですが、ヒラタケの仲間らしく人工栽培も容易で、道内を中心に栽培たもぎ茸が年間を通じて流通しています。
最近は老化防止や免疫力アップなどの謳い文句のもと知名度が向上し、本土でもちらほら見かけるようになりました。

きのこをメインとした料理では、使うきのこの種類は単一でなく複数の種類を取り合わせて使うと、きのこの旨みと香りに深みがでて増幅され美味しくなるというのが定説。
今日のボスカイオーラもたもぎ茸のほか戻した乾燥ポルチーニを使い、日本人好みのきのこと西洋人好みのきのこを共演させてみました。
そうなんですよ、トリュフやポルチーニはもちろん美味しいのですが、日本人が遺伝的に好むきのこは、やはり松茸にしめじ、舞茸など。
逆に西洋人は松茸の香りとかが苦手だと言われています。

きのこは出汁がよく出る食材ですが、その旨みのもとがグアニル酸。
三大旨味成分のひとつで、和風出汁では干し椎茸でとる出汁がそれで、鰹出汁がイノシン酸、昆布出汁がグルタミン酸です。
鰹出汁と昆布出汁などを組み合せたのがいわゆる合わせ出汁で、出汁を単体で使うよりも旨みがはるかに増幅して美味しくなります。
今日のパスタもきのこのグアニル酸に加え、ツナのイノシン酸、トマトのグルタミン酸の三大旨味成分が揃い踏みしています。
これで美味しくないわけがないんですね。





Ingredienti (per 2 persone)

スパゲッティ220g
タモギタケ150g
乾燥ポルチーニ15g
ポルチーニの戻し汁1/2カップ
ツナ(ソリッド)1缶
にんにく1片
ホールトマト1缶
唐辛子1本
オリーブオイル大さじ2
ラード大さじ2
白ワイン大さじ2
適量
黒胡椒適量
パルミジャーノ適量
プレッツェーモロ10枝

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

乾燥ポルチーニはぬるま湯で戻し、タモギタケは小房に分けます。
にんにくは芽を取り除いてスライスします。

フライパンを弱火にかけ、オリーブオイルとラード、にんにくを加えてじっくりと香りを出します。
火を中火にして戻したポルチーニとタモギタケ、唐辛子を加えて炒め、きゅるきゅるしてきたら白ワインを注いで強火でアルコールを飛ばし、中火に戻してツナを漬け汁を切って加えます。
ホールトマトとポルチーニの出汁も加え、木べらでトマトを潰しながら10分ほど煮込み、塩胡椒で味を調整します。

表示より短めに茹でたパスタを加えてパスタにソースを吸わせるようにマンテカーレします。
もう一度味を見て足りないようなら塩で調整します。

皿に盛ってチーズと黒胡椒を挽きかけます。
プレッツェーモロ(イタリアンパセリ)の粗みじん切りを散らしかけ、ヴァージンオイルをさっとまわしかければ出来上がり。

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