2017年9月23日土曜日
Crema di Funghi Champignon きのこのクレーマ
秋らしい芳醇な香りのスープはまるで旨みの足し算、浮き実にはあえてその乾燥マッシュルームを使い食感の面白さも楽しみます。
今日、9月23日は秋分の日ですね。
今さら説明するまでもないですが、秋分の日というのは昼と夜の長さがちょうど同じになる日のことですよね。
一日の日照時間がいちばん長い日が夏至(太陽が高く上るので日の出も早いし日の入りも遅くなる)で、いちばん短いのが冬至(日の出が遅く日の入りも早いため太陽が低い位置までしか上らない)、そのちょうど中間にあたるのが秋分(春分)というわけです。
このように、太陽の黄道(高さ)を基準に一年を二十四等分して季節を表す名前をつけた、いわゆる暦の上ではというやつが二十四節季。
その二十四節気では立秋から立冬の前日(節分)までが秋とされていて秋分はちょうどその真ん中。
つまり今日は暦の上ではまさに秋本番とされている日なんです。
もちろん大気や大地や海水が暖まったり冷えたりするまでには時間差が生じますので、体感的な気候は太陽の動き=暦よりもちょっと遅れて、だいたい一ヶ月ほど後から季節がついてくるような感じです。
だって立秋(今年は8月7日)の頃ってまだまだ夏本番ですもんねぇ。
なので気象庁では9月から11月の3ヶ月間を秋と定義しています。
夏休みが終わってからが秋ってことですね。
秋分の日は国民の休日にも指定されています。
祝日というのは制定の趣旨があり何かを祝ったり奨励したりする日。
例えば成人の日、建国記念日、子どもの日、敬老の日、文化の日などは読んで字のごとくで、改めて説明されなくともどんな趣旨の祝日なのかわかるんですが、秋分の日の場合はちょっとわかりにくいですよね。
実は秋分の日というのはお彼岸の中日でもあったんでした、秋分の日をはさんで前後3日づつの7日間が秋のお彼岸です。
そういうわけで秋分の日は祖先を敬い亡くなった人を偲ぶ日。
ちなみに春分の日も祝日だし春のお彼岸の最中ですが、こちらの趣旨は自然をたたえ生物を慈しむ日とのこと。
やはり生命というものを見つめなおすのがテーマになっています。
さて、秋は美味しいものがたくさんあり過ぎてわくわくする季節ですが今年は残念ながら秋の味覚を代表する秋刀魚が不漁。
値段が幾分高いのはまだいいとして、痩せてサイズも小さく脂の乗りもいまいちなので、店頭で見ても食べたいなぁという気になりません。
でも秋の味覚は秋刀魚だけじゃないですよ、秋の訪れが早かった今年は既に木の実を練り込んだニョッキや梨とゴルゴンゾーラのピッツァなど秋らしいレシピを作ってきました。
そして今日も秋らしくきのこを使ったポタージュスープです。
きのこは何種類かを一緒に使う方が旨味が増すというのが定説。
このブログでもこれまで、三種のきのこのラグーのパスタ、二種の茸の香草バターソースのパスタ、三種のきのこのトリフォラーティといった記事でその科学的な根拠も含めて説明してきていますよね。
でも、今日は浮き実に乾燥マッシュルームを使ったところがみそなので他のきのこは混ぜずにマッシュルームだけを味わうレシピです。
干し椎茸やドライポルチーニもそうですが乾燥きのこはとにかく出汁がよく出るのと、水で戻して煮込んでも適度な歯ごたえが残るので食感がなかなか面白く旨みも凝縮されているので、イタリア料理にも積極的に使っていきたい魅力的な素材です。
今日使ったのは山形県の舟形マッシュルームという企業が生産する製品。
鮎が育つ清流最上川の支流にあります。
その乾燥マッシュルームの戻し汁をベースにフレッシュマッシュルームをソフリットしてペースト状にして合わせた旨みの足し算。
それをさらにバターと生クリームで仕上げた薫り高い秋の一皿です。
Ingredienti (per 2 Pizze del Diametro di 25cm)
マッシュルーム | 250g | ||
乾燥マッシュルーム | 4g | ||
にんにく | 1/2片 | ||
玉ねぎ | 1/2個 | ||
バター | 15g | ||
ぬるま湯 | 2カップ | ||
生クリーム | 50ml | ||
牛乳 | 200ml | ||
プレッツェーモロ | 10枝 | ||
塩 | 適量 | ||
胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
にんにくと玉ねぎは粗みじん切りに、マッシュルームは汚れを拭き取りざくざくに刻んでおきます。乾燥マッシュルームはぬるま湯で戻しておきます。
深鍋を中火にかけてバターを溶かし、にんにくと玉ねぎを木べらで混ぜながらソフリットします。
しんなりして飴色になったらボウルに取り出し、同じ鍋にバターを少々足して刻んだマッシュルームもソフリットします。
真っ黒になり嵩が半分ほどになったら火を止め、乾燥マッシュルームの戻し汁を適量加えてハンドブレンダーで攪拌してピュレ状にします。
香味野菜のソフリットも戻し入れ、乾燥きのこの戻し汁をすべて入れてブレンダーでなめらかなスープ状にします。
戻した乾燥マッシュルームも加え弱火で少々煮込みます。
牛乳と生クリームを加えて温め、塩胡椒で味を調えます。
スープ皿に盛りプレッツェーモロ(イタリアンパセリ)の粗みじん切りを散らし、黒胡椒を挽きかければ出来上がり。
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