2019年6月8日土曜日

Frittata con i Fiori di Zucca 花ズッキーニのフリッタータ

お待ちかねの雌花がまだ咲いてくれないベランダのズッキーニですが、毎日のように咲く雄花でもう一品はこちらも定番フリッタータ。
野趣ある花の仄かな苦みと風味は卵やチーズと相性ぴったり、花の色を綺麗に見せたいのでスキレットに蓋をして片面焼きで仕上げます。

花ズッキーニのフリットの記事がつい先日のことで、そのときも書いたのですが、ベランダガーデニングにズッキーニが仲間入りしました。
そもそも毎年この季節になると家でズッキーニの花のフリットを作ってみたいと常々思っていたわけです。
西欧では初夏の風物詩としてマーケットに彩りを添えますし、日本でもイタリア料理店ではこの季節の文字通り花形メニュー。
なにより見た目が華やかで初夏の一皿にぴったりなんですよね。
でも、野菜のズッキーニは今ではどこでも買えますが、花ズッキーニは普通のスーパーではまず見かけません。
産直や市場まで出向けば見つかるかもしれないし、送料を払って通販で買う手もなくはないですが、早朝に開花し日が昇る頃には萎んでしまう花ズッキーニは朝のうちに収穫したらなるべくその日のうちに調理することが推奨されている鮮度が命の食材、通販だと鮮度が心配です。
それならいつか店頭でたまたま見かけたら買ってみようぐらいな感覚でいたので、なかなか出会うこともなかったわけです。

食材として調達する発想しかなかったところに、ズッキーニを育てればいいと思いついたのは今年になってからのことです。
ベランダで育てているハーブ類のうち多年草のセージやオレガノなどは前年からそのまま放置して芽吹かせますが、秋に枯れてしまう一年草は毎年更新が必要です。
バジリコとプレッツェーモロ(イタリアンパセリ)の苗は毎年、遅霜の心配がなくなる晩春の4月下旬頃に購入しています。
そんなわけで、ホームセンターで野菜の苗売場を何気なく見ていたら、なんとどこかで見たことのあるオレンジ色の花の蕾がたくさん。
そうです、ズッキーニの苗もたくさん売られていたのです。
食材としては入手困難でも、なんのことはない野菜としてズッキーニの苗を買ってきて育てればいいとひらめいたんですね。
まさに目から鱗でした。
こうして今年はベランダ栽培にズッキーニが加わったわけです。

ズッキーニの花には雄花と雌花があり、花の形そのものはほとんど同じなんですが雌花は花の根元に幼果=ベビーズッキーニがくっついていて見た目が可愛いので、どちらかというと雌花の方が人気があります。
苗を購入して一週間もしないうちに一番花(雄花)が咲きました。
一番花と二番花で作ったのが先日の花ズッキーニのフリットです。
ズッキーニは最初のうちは雄花ばかり咲きます。
理由は前回も書いたとおり雌花のムダ打ちを避けるため、受粉に必要な蜂などの虫たちをまず寄せておいて、満を持して雌花を咲かせるから。
そして、しっかり根を張って株も大きくなってから雌花が咲きます。
小さな雌花の赤ちゃんは何度か見ましたが、小さいうちに腐って落ちてしまうので、まだ時期尚早とズッキーニ自身が考えているのでしょう。
そろそろ一ヶ月が経ちますが雌花はまだ咲いてくれません。

そんななか、雄花はほぼ毎日のように咲きます。
苗は二株植えていますが、一輪だけの日もあれば一気に三輪咲くなんて日もあります、見つけたら朝のまだ花が開いているうちに摘み取って、ハサミで雄しべを切り落としてポリ袋に入れ冷蔵庫の野菜室で保存しておくと何日か保ちます。
定番のフリットは詰める具を変えてその後も何度か作りましたが、雄花で別の料理を作るならこちらも定番のフリッタータ。
花びらの風味とほのかな苦みは卵やチーズと相性ぴったり。
通常フリッタータは裏返して両面をしっかり焼きますが、花の色を綺麗に見せたいので、スキレットは蓋をして片面焼きで。
冷めても美味しいので、切り分けてお弁当に詰めて初夏のピクニックに出かけるなんてのもいいですね。

Ingredienti (per una Frittata di 20cm di Diametro)

花ズッキーニ6本
卵(大玉)6個
にんにく1/2片
新たまねぎ中1/2個
牛乳1/4カップ
パルミジャーノ大さじ2
オリーブオイル大さじ2
適量
黒胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

朝に収穫したズッキーニの花の雄しべを取り除き、ボウルに水を張って軽くゆすぐようにして洗い、水気を拭きとります。
すぐに調理しない場合はビニール袋に入れて野菜室で保存します。

にんにくは包丁の腹で潰し、新玉ねぎは粗みじん切りにします。
卵をボウルに割り入れ空気を含ませるようにかき混ぜてパルミジャーノと牛乳を加え、塩胡椒でしっかり下味をつけておきます。

8インチのスキレットを中火にかけプレヒートします。
煙が立ち上るようになったら水を数滴垂らしてみて、ころころと水玉ができてはじくようになれば十分にプレヒートできています。
次に油返しです、たっぷりのサラダ油を注いで内面全体に行きわたらせてからオイルポットに戻します。
弱火にしてオリーブオイルをしき、にんにく、玉ねぎをソテーしてからにんにくは取り出します。
卵液を注ぎ入れてざっくりかき混ぜ、花ズッキーニも加えて混ぜ返し、スキレットカバーで蓋をしてじっくり焼いていきます。

10分ほど焼いて表面の液状が固まってきたら火を止めます。
蓋をしたまま余熱で5分ぐらい火を通せば焼けば出来上がり。
少し冷ましてからタルトのように三角形に切り分けていただきます。

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