2019年6月1日土曜日

Polpette al Sugo in Cocotte ナポリ風煮込みハンバーグポルペッテ ココット仕立て

粘りが出るまで捏ねたハンバーグをトマトソースを満たした南部鉄器のココットにどっぷり沈め、蓋をしたままオーブンでポットローストしたナポリ風煮込みハンバーグ=ポルペッテ。
冬にシチュー代わりに食べるのもいいですが、夏の匂いがぷんぷん漂う地中海料理はやはり夏が待ち遠しいこの季節が似合います。

ハンバーグといえば洋食では不動のいちばん人気メニューですよね。
カレーライスにオムライス、ナポリタンにミートソースに海老フライと目移りもしますがやっぱりハンバーグなくしては洋食は語れません。
軟らかくて食べやすいので大人も子どもも大好き。
晩ご飯はもちろんお弁当のおかずや作り置きにも便利ですよね。
作り方もいろいろあって、挽肉に混ぜる玉ねぎのみじん切りを炒めるか生のままかなどもそれぞれこだわりがあります。
つなぎに卵を入れたり、パン粉を混ぜたり、パン粉はあらかじめ牛乳にひたしておくのがいいとかなんとか。
王道のデミグラスソースのほかお手軽にケチャップやウスターソース、大根おろしと醤油ベースの和風ソース、フライパンに残った肉の旨みで作るグレイビーソースなどなど、ソースの選択肢もいろいろ。
日本人がいかにハンバーグが大好きかは、バリエーションの多さからもよくわかりますよね。

洋食の歴史は明治時代に西洋料理店で下働きをした日本の料理人たちが自分の店を開き国内に拡めたことに端を発します。
フレンチなど本場の西洋料理を踏襲しつつ、日本人向けにパンではなくご飯と合うようアレンジがされたり、ナイフとフォークに限らず箸でも食べやすいよう工夫するなど、独自の発展を遂げたのが日本の洋食。
ポークカツレツが現代のとんかつのようにあらかじめひと口大に切って出されたり、ライス皿ではなく茶碗にご飯が盛られ味噌汁がついてたりするのも、箸で食べるための日本人向けのアレンジです。
ハンバーグも実は由緒正しき西洋料理ではなく日本で発展したもの。
実際、海外のお店ではハンバーグはメニューには載っていません。
日本で独自に発展したのはコロッケなどと同様箸で容易に切れるのと、肉食で顎の力が強い西洋人と比べて噛む力が弱い日本人にも軟らかくて食べやすかったからですね。

イタリアにもハンバーグステーキはありませんが、肉のミンチを捏ねて成形した食べものはあります。
イタリア語でポルペッテと呼ばれ、大概はミートボール大に丸く整形しトマトソースでごろごろ煮込むのがナポリなど南イタリアの定番。
オレガノとオリーブオイル香る真赤なトマトソースに挽肉のかたまりがひたってる様はいかにもナポリ料理といった雰囲気がぷんぷんします。
煮込みハンバーグなので冬にシチュー代わりに食べるのもいいですが、南イタリアっぽい雰囲気は季節が春から夏へ向かっていく今頃の時期に食べるとテンションが上がりますよね。
なんていうか夏の匂いを先取りするというか、もうすぐ夏が来るというわくわく感が止まりません。

さて、いつもは大きな鍋でごろごろと煮込むポルペッテですが、今日は小さなココットで仕立てたお一人様用のポーション。
ココットの材質はダッチオーブンなどと同じ鋳鉄=キャストアイアン。
小さくてもずっしりと重く重厚な造りの国産品で南部鉄器の本場岩手の及源鋳造というメーカーが手がける逸品。
料理道具好き男子なら読んでるだけで萌えてくるというお品物です。
オーブンから取り出したばかりのぐつぐつ音を立ててるココットは蓋をしたまま食卓まで運ぶのがおすすめ。
グローブで蓋を掴んで開ければ、閉じ込められていたオリーブオイルやトマトやオレガノの香りが漂いなんとも幸せな気分にひたれますよ。





Ingredienti (per 2 persone)

per le Polpette
牛豚合挽180g
パン粉大さじ1
牛乳少々
パルミジャーノ適量
適量
黒胡椒適量
per il Sugo
ホールトマト1缶
ローリエ1枚
オリーブオイル適量
にんにく1片
乾燥オレガノひとつまみ
プレッツェーモロ3枝
適量
黒胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

オーブンを220度で余熱しておきます。
大きめのボウルに挽肉、牛乳に浸して軽く絞ったパン粉、塩、黒胡椒、削ったパルミジャーノを加え、粘りが出るまでよく混ぜ合わせます。
左右の手でキャッチボールさせて空気を抜きながらテニスボールほどの大きさに丸く成型し、オーブンで表面に軽く焦げ目がつく程度まで焼き肉の旨みを中に閉じ込めます。(約15分)

オリーブオイルと潰したにんにくを弱火にかけ、香りが立ったらホールトマト、ローリエ、オレガノを加えて中火で煮込みます。
10分ほど煮込んだら塩胡椒で味を調えます。

ココットにトマトソースを満たしてポルペッテを沈め、蓋をして180℃でポットローストにすれば出来上がり。

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