2019年4月27日土曜日

Paglia e Fieno con Erbe Selvatiche e Salsiccia Fatta in Casa 麦わらと干草のパスタ 蕗のとうと自家製ソーセージのクリームソース

粘りが出るまでこねた豚挽肉を香辛料や赤ワインでマリネし、蕗の薹とともにクリームソースに仕立てた田舎っぽい雰囲気の農家風パスタ。
合わせたのは麦わらと干草のパスタと呼ばれる古典的な二色あい盛りの平打ちパスタ、ノスタルジックな響きが初夏の田園風景を思わせます。

今日からゴールデンウィークですね。
今年は平成天皇の退位と令和天皇の即位に伴い、今年限りの退位の日と即位の日が設けられ、さらに祝日と祝日にはさまれた日が国民の休日となることからカレンダー上は10連休。
なんとも祝賀ムードに包まれた黄金週間となります。
例年にも増して行楽地に出かけようという人たちも多くなりそうですがお天気の方はどうなんでしょうか。
変わりやすかった春の天気も通常この頃には安定した晴天が続くようになり、気温もぐっと上がって汗ばむ陽気になります。
二十四節気では5月6日が立夏なので暦の上ではまもなく夏。
まさに初夏と呼ぶに相応しい気持ちのいい休日が過ごせそうですね。

連休にお勧めの行楽地もいろいろありますが、山あいの牧場施設なども初夏の青空が似合うスポットのひとつ。
広大な牧草地で牛や羊と触れ合ったりバーベキューに舌鼓を打ったり、売店で搾りたての牛乳を飲むのもいいし、チーズやハムやソーセージをお土産に買って帰ってイタリアンでも作ろうかなんてのもいいですね。
あ、でもちょっと待って。
日本のハムやソーセージってイタリアのものとはだいぶ違うんです。
それでイタリア料理を作ってもなんかちょっと違うってなりますよ。
日本ではぱりっとした食感でちょっぴり薫香のある粗挽きソーセージが人気があり、軽くボイルして粒マスタードをつけて食べたりしますが、その製法も食べ方もドイツ風がお手本になったもの。
日本人はワインよりもビール好きが多かったことからビールに合う方が好まれ定着したというのもあるかもしれません。
一方、サルシッチャと呼ばれるイタリアのソーセージはドイツ風のとはだいぶ違って、脂身が多くて肉々しくジューシーな生ソーセージ。
日本では普段なかなか見かけないタイプかもしれません。

でも、このイタリア風の生ソーセージは家庭でもわりと簡単に手づくりすることができます。
使う材料は豚挽肉と少量の赤ワインとにんにくと香辛料などです。
香辛料はソーセージの語源でもあるセージとフェンネルシード。
挽肉を粘りが出るまでよくこねて、塩胡椒と香辛料、おろしにんにくと赤ワインで一晩マリネするだけです。
ワインに漬け込むことでピンク色で新鮮そうだった肉の色が傷んだ肉のように変色しますが、熟成されてぐっと香りが良くなります。
イタリアでは腸詰めの生ソーセージをわざわざほぐして料理に使ったりするぐらいなので、面倒な腸詰めなど必要ありません。
このままころころ丸めてパスタなどの料理に使えばいいんです。

生ソーセージはやや脂が多くこってりするので、油脂成分と相性のいい山菜類から独特の苦みが美味しいふきのとうを合わせます。
ソースはクリームソース仕立てで、これが春の最終便。
料理に山菜やソーセージが入るとちょっとほっこりして、農家の食卓のようなイメージになりますね。
ここに合わせるパスタは平打ちのタリアテッレですが、二色あい盛りで麦わらと干草のパスタと呼ばれているもの。
小麦色のパスタを麦わらに、緑色のパスタを干し草に見立てた抒情的でなんともノスタルジーを感じる素敵なネーミングです。
言わずもがな麦わらも干草も初夏の風物詩。
ゆっくりと時が流れる古き良き時代の田舎の風景が眼に浮かびます。

Ingredienti (per 2 persone)

タリアテッレ(生)150g
タリアテッレヴェルディ(生)150g
ふきのとう60g
生クリーム200ml
牛乳200ml
バター20g
パルミジャーノ適量
適量
黒胡椒適量
per le Salsiccia
豚挽肉(粗挽)200g
にんにく1片
フェンネルシード適量
ドライセージ適量
赤ワイン大さじ1
塩胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

生ソーセージは前日の晩から仕込んでおきます。
豚の粗挽肉、塩胡椒、細かく刻んだフェンネルシード、ドライセージ、すりおろしたにんにく、赤ワインをすべてボウルに入れて、粘りが出るまでよく混ぜ合わせて冷蔵庫で一晩寝かせます。

鉄のフライパンを熱して油を敷かずにソーセージをスプーンで団子状にすくって置き入れ、木べらで押しつけながら焼きつけていきます。
肉から余分な脂が出たら捨ててソーセージだけを取り出します。

パスタ用のアルミフライパンを中火にかけバターを置き入れて溶かし、取り出しておいたソーセージを加えます。
ふきのとうを縦に食べやすい大きさに切り分けて、切り口が変色しないうちにすぐにフライパンに加えソーセージとともに軽く炒めます。
隣で深鍋に湯を沸かしてパスタを茹で始めます。
フライパンに生クリームと牛乳を加え、ふつふつしてきたら弱火にして塩胡椒で味を調整します。

茹で上がったパスタをフライパンに加えてクリームソースを絡め、火を止めて削ったパルミジャーノを加えて混ぜ合わせます。
皿に盛って黒胡椒を挽きかければ出来上がり。

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