2019年5月4日土曜日

Pasta alla Crema di Fagiolini con Misto Mare 鞘いんげんのクレマソースとシーフードのリングイネ

軟らかく下茹でした鞘いんげんをハンドブレンダーでペースト状にし、ぷりぷりの海老やイカとともに春色のクレマに仕立てたパスタ。
魚介といってもこれは冷凍のシーフードミックスですが、近頃のは粒も大きくて品質もいいしなによりチーズと喧嘩しないのでおすすめです。

新緑が気持ちいい季節になりましたね。
自然があふれる野山はもちろんですが、都市部でも建物の周囲の植栽や街路樹などが一斉に萌黄色の若葉をたたえ、落葉して殺風景だった姿が嘘のように景観が一変しています。
気候も過ごしやすくなって街往く人の服装も薄着が目立つようになり、舗道には風に揺れる若葉とその隙間からきらきら差し込んでくる陽光が陰影を描き、街を歩いてるだけで心身がリフレッシュされます。
木々の緑に癒し効果があるのは科学的にも証明されているようですよ。

街の景色もさることながら、普段の買物に利用する店頭に並ぶ野菜類も濃い緑色のものが目立つようになってきました。
軟らかい葉がみずみずしい春キャベツなどの葉もの類やアスパラガスはその代表ですし、早春のイメージのあるタラの芽やこごみやコシアブラといった山菜類も本来ゴールデンウィークあたりからが本番。
そして愛らしい形が賑やかな豆類も出揃ってきましたね。
ふっくらと実が詰まったスナップエンドウやグリーンピース、実も鞘も大きな空豆、鞘いんげんなどが旬を迎えてますし、もうちょっとすると枝豆も出てきますね。

豆というと本来一般的なのが乾燥豆。
乾物売場には大豆に小豆(あずき)に金時、花豆などいろいろな種類の豆があり、一晩水に浸して乾燥状態の二倍ほどの大きさまで戻してからことこと煮るなどして料理に使います。
乾燥豆は秋に鞘が枯れたようになって成熟した実を収穫し、乾燥させて出荷されるもので、保存もきくことから食糧が少なくなる冬場の貴重なたんぱく源として昔から食べられてきました。
一方、豆がまだ成熟しきっていない青くて軟らかいときに収穫するのがさきほどのえんどう豆やそら豆など。
えんどう豆は団子などに塗るウグイス色の餡の原料(乾燥豆)としても使われていますが、それ以外のほとんどが生鮮で流通します。
空豆も基本的にフレッシュなまま収穫され出荷されます。
大豆を若採りしたのが枝豆ですが、大豆は豆としてだけでなく加工品の種類が多く、日本人の食生活になくてはならない豆。
もやしや納豆、醤油に味噌、豆腐に油揚げ、豆乳に湯葉と大豆なくして和食の献立は成立しないですよねぇ。

でも、大豆を食べる文化はアジア圏が中心で西洋では主に搾油用として利用されている程度で食用としてはあまり馴染みがありません。
世界的に見れば、いちばん食べられている豆は実はいんげん豆。
代表的な白いんげん豆をはじめ、赤いんげん豆ではチリビーンズに使うレッドキドニーや日本の金時、斑入り模様のうずら豆などがあります。
いんげん豆も乾燥豆としての利用の方が多いですが、鞘ごと食べられるさやいんげんは生鮮向け。
イタリアでもパスタジェノベーゼの具材にじゃがいもとさやいんげんはなくてはならない定番です。

今日はそんな鞘いんげんを軟らかく茹でてハンドブレンダーで攪拌し、ペースト状にしたものをパスタのソースにした一皿。
イタリアでは野菜をこのようにくたくたに煮崩してパスタソースにするのはお得意で、そもそもおなじみのトマトソースがその代表格ですし、他にもそら豆ブロッコリーカリフラワーじゃがいも茄子などがよく使われますよね。
鞘いんげんは鞘の繊維がしっかりしてそこまで煮崩れてくれないので、プロセッサにかけるなどします。

ほんのり青臭さのある緑色のクレマソースによく合うのが魚介、それも魚臭さがあまりない冷凍のシーフードミックスなんです。
最近の製品は冷凍焼けやドリップが出て霜になったりすることもなく、ぷりぷりした食感もしっかりあるし粒も大きくて高品質。
魚臭さがあまりないからチーズとも喧嘩しないので、仕上げにチーズをすりおろしたいパスタなどに使うのがおすすめです。

Ingredienti (per 2 persone)

リングイネ220g
さやいんげん120g
にんにく1片
オリーブオイル適量
グラナパダーノ適量
シーフードミックス100g
適量
黒胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

さやいんげんはヘタと筋をとり、パスタの具として残すものは三等分に切りわけ、残りは20分ほど下茹でします。
ザルに上げて余熱で水気を飛ばしてから適当に刻みハンドブレンダーに付属する深型の調理カップに入れます。
粗く刻んだにんにく、塩ひとつまみ、オリーブオイル、削ったチーズをカップに加えてハンドブレンダーでペースト状に攪拌します。

深鍋で湯を沸かしパスタを茹で始めます。
隣でフライパンを弱火にかけオリーブオイルをしいて刻んだにんにくを加えて香りを出します。
凍ったままのシーフードミックスと三等分に切ったさやいんげんを加え中火で炒め、火を止めてペーストを加えさっと混ぜ合わせ、塩と胡椒で味を調整します。

茹で上がったパスタをフライパンに加えてソースと和えます。
皿に盛ってグラナパダーノをすりおろし、黒胡椒を挽きかけ、オリーブオイルをまわしかければ出来上がり。

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