2018年4月22日日曜日

Pasta e Patate alla Napoletana ナポリ風 新じゃがいものパスタエパターテ

香味野菜をソフリットして水を足しじゃがいもを煮崩しながらパスタも一緒に茹でてしまうという、フライパンひとつで作るナポリの家庭料理パスタエパターテ。
使うパスタはちょっとづつ余ったいろんな形のパスタを寄せ集めてきたパスタミスタ、家庭的で地味だけど滋味深い味わいの一皿です。

みずみずしい新じゃがの季節ですね。
じゃがいもは保存性に優れた野菜で、収穫後は低温かつ低湿度の環境で一定期間貯蔵され、需要に応じて計画的に出荷されるのが一般的。
なんとなく冬の野菜というイメージがあるのは、野菜が少なくなる冬に安定供給されるのと、シチューなど冬のメニューやほくほくした食感がそう感じさせるからでしょうか。
さつまいもやにんにく、たまねぎなども貯蔵してから出荷するタイプの野菜で、収穫後すぐは水分が多く日保ちしませんが、適度に乾燥させることで保存性がぐっと高まります。
野菜を貯蔵することにより出荷のサイクルをコントロールできるほか、糖度が増して味が良くなるというメリットもあります。
とくに薩摩芋や南瓜はでんぷんが糖に変わるまで貯蔵してからでないと美味しくないため、採ってすぐ食用にすることはありません。
一方、じゃが芋やにんにく、玉ねぎの場合は、旬の時期には採りたての新鮮でジューシーな状態で出荷されるものもあります。
それが春から初夏にかけて出回る新じゃがいも、新にんにく、新玉ねぎなんですよねぇ。

やや冷涼な気候を好むじゃがいもですが、南は九州から北は北海道まで全国で生産されていて、春の新じゃがは九州や本土で収穫されたもの、国内シェア断トツ一位の北海道産は夏が旬となります。
新じゃがは貯蔵ものと比べてほくほく感やねっとり感には欠けますが、皮が薄くてみずみずしいのが特徴です。
皮付きのまま揚げたり蒸して塩バターで食べると美味しいですよねぇ。

さて、海外でじゃがいもといえばアメリカやドイツというイメージで、あまりイタリア料理でじゃがいもというのもピンときませんよね。
でも、じゃが芋と小麦粉で作るパスタといえばニョッキがありますし、バジリコのペストジェノベーゼは鞘いんげんとじゃがいもが具材に入るのがお約束だし、ロシア風サラダという名前のピエモンテ州のサラダはマッシュしたじゃがいもに彩り野菜を加えたポテサラ。
野菜をよく食べる南イタリアでは、テッラコッタの器にムール貝と米とじゃが芋を重ねて蒸し焼きにしたティエッラが有名だし、タコやイワシなどの魚介と合わせることも多いんです。
日本だと魚介と一緒に炊き合わせて旨みを吸わせる定番は大根ですが、イタリアの場合はじゃがいもがその役どころを担ってるんですね。
意外とイタリア料理にもじゃがいもが使われているのがわかりました。

今日のパスタエパターテもよく知られたナポリの郷土料理。
パスタ、エ(と)、パターテ(じゃがいも)という意味のそのまんまのネーミングやちょっとづつ余ったいろんな形のパスタを寄せ集めてきて一品作ってしまうところ、煮崩れたじゃがいもがそのままソースになるところ、ひとつのフライパンで全部を済ませてしまうところがいかにも家庭的なクチーナポーベラ(質素な貧乏料理)です。
見た目は地味ですが、ブロードなんて使わなくても野菜から出る旨みと煮崩れたじゃが芋のソースが滋味深く、何杯もおかわりしたくなるほど美味な一皿。
新じゃがなのでねっとり感がない分さらさらとしたソースに仕上がり、いろんな形のパスタの溝や空洞にしっかり入り込みます。




Ingredienti (per 2 persone)

パスタミスタ200g
新じゃが(男爵系)大2個
にんにく1/2片
玉ねぎ1/2個
にんじん1/4本
セロリ1/5本
適量
オリーブオイル大さじ4
ペコリーノ適量
適量
黒胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

にんにく、玉ねぎ、にんじん、セロリはみじん切りにします。
新じゃがは皮がするっと剥けるようになるまで軽く茹でて、皮を剥いて適当にざく切りにします。

フライパンを中火にかけてオリーブオイルをたっぷりしき、香味野菜のみじん切りをソフリットします。
水を注ぎ煮立ったら弱火にしてざく切りのじゃがいもを加え、木べらで混ぜながら煮含めていきます。
水分が少なくなり過ぎないよう水を足しながら作業します。
じゃがいもがある程度煮崩れてきたら塩胡椒で一旦味を調えます。

フライパンの隣で湯を沸かし、フライパンにパスタを投入してパスタが水分を吸う分の湯を補充しながら茹でます。
スパゲッティなどのロングパスタもぽきぽき追って加えてもいいです。
パスタが茹で上がる頃にソースがマッシュポテトのようになるように、途中から補充する水分量を調整します。
最後にもう一度味を見て必要なら塩で味を調整します。

パスタを皿に盛ってペコリーノと黒胡椒を挽きかけ、オリーブオイルをたっぷりまわしかければ出来上がり。

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3 件のコメント:

  1. 以前Instagramでも拝見させてもらってました。
    いまはInstagramやってないので
    今度はこちらから拝見させてもらいますね。
    美味しそう!今度作ってみますね⌄̈⃝

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    1. Junaplanet様 コメントありがとうございます。
      いつもは脇役のじゃがいもですが、ここでは立派に主役です。
      とても美味しいので是非作ってみてくださいませ。

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  2. abepapaありがとう⌄̈⃝作ってみます♪

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