2013年7月6日土曜日

Guancia di Tonno al Pomodoro 鮪の頬肉の煮込み シチリア風

まぐろのほほ肉に小麦粉をまぶしてカリっとソテーし、生のオレガノ風味のポモドーリで煮込んだセコンド。
シチリア製のテッラコッタに盛れば、ちょっとトラーパニの香り漂う一皿になります。

高速で泳ぐブルーランナーの激しいエラの動きを掌る筋肉の部分が頬肉、弾力があり肉みたいな食感だとよく言われます。
しかし、そもそもマグロ自体が、魚というより肉に近い性質があるのをご存知でしょうか。

牛や豚などの肉は、処理直後の新鮮なものは香りも味もしないため、通常は何日間も低温で貯蔵され、熟成させてから流通します。
熟成によって味のしないタンパク質がアミノ酸やイノシン酸に分解され、旨味が醸成されるというわけです。
牛肉なら通常2週間以上、ステーキ用のサーロインなどは 10週間以上も熟成させることがあります。

新鮮であればあるほどよいと思われている魚類も、実は獲れたてのものや活造りなどより、獲れて数時間から半日程度経ったものの方が旨味が増します。
ただ旨味のピークは一般的に短く、その後はどんどん味が落ち、腐敗へと移行するので、漁獲されてから消費者のもとへ届くまでの時間を考慮すれば、やはり鮮度が命となるわけです。

これに対し大型のマグロは非常に特異な性質をもっていて、採れたての新鮮なものは赤身だろうとトロだろうとまったく美味しくなく、牛肉ほどではないにしても数日間から2週間ほど熟成させたものが最も旨味が増します。
遠洋で漁獲される冷凍マグロは獲れてからすぐに〆て超低温で急速冷凍されるため、近海ものの生マグロよりむしろ鮮度抜群です。
冷凍マグロはゆっくりと時間をかけて解凍することで熟成され、旨味が乗ってくるめ、居酒屋や回転寿司などでたまに解凍が不十分のマグロが出てきて、全然味がしないのはそのためです。
(生だから旨い、冷凍だから美味しくない、ということはありません)

さて、100kg超の大物から2つしかとれない希少部位にもかかわらず、わりと安価に売られている頬肉。
市場近くの定食屋などでは、マグロのほほ肉のステーキやカツレツなんかがメニューにあって、安くて旨いですよね。
マグロ漁で有名なシチリア島はトラーパニの市場なら、シンプルに地元特産の生のオレガノ風味のトマト煮込みなんかが食堂の人気メニュー。
シチリアの味覚が詰まった庶民的な一皿です。

Ingredients (4 servings)

マグロ頬肉600g1.3 lb cheek meat of tuna
トマト缶2缶2 14oz can whole tomatoes,
including the juice
にんにく3片3 cloves garlic, grated
玉ねぎ中1個1 medium onion, chopped
ペペローニ2個2 peppers, shredded
小麦粉(強力粉)適量flour
オリーブオイル適量olive oil
塩・胡椒適量salt, pepper
ローリエ2枚2 bay leaves
フレッシュオレガノ4枝4 sprigs fresh oregano, chopped
イタリアンパセリ適量flat leaf parsley, chopped

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

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2 件のコメント:

  1. あべべさん
    鮪の頬肉の煮込み シチリア風
    美味しそう
    素適な料理
    丁寧なレシピ
    有り難うございます

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    1. りゅうじさん、こんにちは。
      早くも梅雨明け、作る料理もすっかり南のものが多くなりました。
      りゅうじさんの甘海老のフリットも美味しそうでしたねぇ。
      仕事が超忙しく、月の半分は会社に泊まり込んでいる状態で休めていないのですが、なんとか週に1本の投稿だけは続けられています。
      暑さ負けなどせぬよう、頑張りましょう。

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