2018年5月5日土曜日

Fettucine con Crema di Fave e Gamberi 海老と空豆のフェットゥチーネ

新にんにくとオリーブオイルが香り立つフライパンでぷりぷりの海老と塩茹でにした空豆をソテーして、煮崩れた空豆がそのままソースになる初夏の南イタリアの香りのパスタ。
ひらひらとした硬質小麦のフェットゥチーネは喉ごしが良くこれからの季節にお勧め、ぱつんとした海老の食感との対比も際立ちます。

今年のゴールデンウィークは概ね好天に恵まれましたね。
今日5月5日はこどもの日、そして二十四節気の立夏でもあります。
つまり暦の上では今日から夏ということになります。
思えば昨年の夏は、事前の長期予報では猛暑になると言われていたのに蓋を開けてみれば長雨と冷夏でまったく夏らしくありませんでした。
頑張って夏休みの計画を立てたお父さんや、海や山に行くのを楽しみにしてた子供たちはさぞ残念だったでしょうし、夏休みの宿題の絵日記が書けなくて困ったんじゃないですかね。
今年こそ暑くて熱い夏になって欲しいもんですね。

立夏と聞けばいよいよ空豆の季節到来です。
春先からちらほら見かけたり夏までずっとあるイメージの空豆ですが、これは温暖な南方から順に産地をずらして出荷しているため。
本来は旬の時期がとても短い野菜なんです。
生産量が多いのが南の鹿児島県と関東の千葉県、茨城県で、この三県で国内シェア過半数を占めています。
早くから出まわる鹿児島県産が中心の時期はまだ少し値がはりますが、関東のものが出まわりだすと価格もだいぶこなれてきます。
豆類=春というイメージがありますが、春とはいっても晩春から初夏にかけての頃で、夏豆の別名がある空豆はまぎれもなく初夏が旬。
実際、俳句の世界では空豆は夏の季語になっています。
そら豆の句を読むときは昔ながらの蚕豆という字を用いるのが通例。
蚕(かいこ)という字をあてるのはそら豆の鞘が蚕に似ていることと、ちょうど蚕が繭を作る時期に旬を迎えるから。
日が長くなって明るく生暖かい夕暮れ時に冷えたビールのお供に空豆をつまんでいると、いよいよ夏も近いなぁと実感します。

さて、そら豆は非常に火が通りやすく煮崩れしやすい素材。
パスタに使うにしても、具材としてではなく煮崩してソースにする方が理にかなっているし、見た目もよりイタリア料理っぽくなります。
また魚介類と相性がよく、昨年もタコと空豆のパスタを作りましたが、今年はちょっと大きめの海老をごろごろ合わせてみました。
このサイズの海老だと、アルゼンチン産の赤海老なんかも手頃ですが、意外と冷凍のムキエビが秀逸。
身が詰まっていて噛むと弾けるようなエビらしい食感が味わえます。

背わたを取るついでに、切り込みを入れた側を下にして包丁の腹で少し押し潰し、包丁の背で軽く叩くとぷりぷり感が増します。
叩くことで組織が断裂し潰れた軟らかい部分と身が詰まって硬い部分が混在するため、かえってぷりぷり感が強調されるんですね。
太さが均一でない手揉み麺や刀削麺などの方が普通に太いだけの麺よりもっちりしてるように感じるのと同じ理屈です。
もちろんソースの味もしみやすくなるので一石二鳥。
あとは火を通し過ぎるともっさりして硬くなるので、軽くソテーしたら一旦取り出しソースとパスタを合わせるときに戻し入れるだけ。
仕上げにレモンを搾っていただく爽やかな初夏のパスタです。

Ingredienti (per 2 persone)

乾燥フェットゥチーネ250g
冷凍むきエビ(大)150g
そら豆(鞘付き)1kg
新にんにく2片
新玉ねぎ1/2個
オリーブオイル大さじ4
白ワイン適量
レモン1/4個
適量
黒胡椒適量
そら豆の茹で汁レードル4杯

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

にんにく、玉ねぎは粗みじん切りに、そら豆は鞘から取り出し黒い点がない側に包丁で切れ目を入れます。
2%の塩水を沸かし、そら豆を3分から4分ほど茹でます。
そら豆は穴あきレードルですくいとってザルにあげて粗熱をとり、指で押し出して切り込み部分から中の豆を取り出します。
茹で汁は捨てずに取って置きます。

むきエビは解凍して包丁で切り込みを入れて背ワタを取り、包丁の腹でまな板に押し付けて軽く潰します。
さらに包丁の背で叩いてぷりぷり感を出し、大きいものはひと口サイズに切り分け、白ワインで洗ってザルに上げておきます。

フライパンにオリーブオイルを多めにしいて、弱火でにんにくの香りを出した後に玉ねぎを加えて中火でソフリットします。
玉ねぎがくったりしたら下処理した海老を加え、火を通し過ぎないようさっとソテーして一旦取り出しておきます。
フライパンにそら豆を加え、軽くソテーしてから空豆の茹で汁を加えてことこと煮含めていきます。
水分が減ってきたら茹で汁を継ぎ足し、豆がほろほろに煮崩れてきたら一旦火を止め、塩胡椒で味を調整します。
パスタがソースの汁気をかなり吸うのでソースは緩めの状態です。

硬めに茹で上げたパスタをフライパンに移して、中火でソースの旨みをパスタに吸わせるようにマンテカーレします。
取り出しておいた海老も戻し入れてフライパンを数回あおり、もう一度味見をして塩で調整します。
皿に盛ってレモンを添え、黒胡椒を挽きかけ仕上げにオリーブオイルをまわしかければ出来上がり。

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