2018年6月16日土曜日
Caserecce al Pesto di Melanzane 焼き茄子のペーストとバジリコのカサレッチェ
ちょっとアラブの雰囲気漂う茄子のペーストですが、焦げた皮もあえてところどころ残すようにすると和食の焼き茄子のような香ばしさが移り日本人好みの味に仕上がります。
初夏の太陽をいっぱい浴びた夏茄子の出荷がピークを迎えています。
今の時期の茄子はぴかぴかに輝いてはちきれんばかりのみずみずしさ、見るからに美味しそうですよねぇ。
秋に出回る秋茄子も嫁に食わすなというぐらい美味とされていますが、秋の茄子は水分が少なくて果肉がぎゅっと詰まっているのが特徴。
でも、本来茄子は夏野菜。
夏の茄子は表皮は艶々で水分を多く含んでいるのでぱんと張りがあり、栄養も豊富で茄子本来の美味しさが味わえます。
それに茄子の定番料理はからっと素揚げして甘酢に漬けた煮びたしとか香ばしく炒めてからたっぷりの生姜とタレで煮含めた茄子の生姜焼き、黒焦げに焼いて皮を剥き生姜とポン酢で食べる焼き茄子、涼しげな紫色の浅漬けやぬか漬けなど、いずれも夏の食卓を彩るものばかり。
これらと一緒に食卓にどんな皿が並んでたか思い出してみてください。
冷やしトマトに冷やしきゅうり、枝豆、素麺、茗荷や大葉や生姜などの薬味に鰹のたたき、焼魚ならイサキや鮎といった夏の風物詩がずらり。
こんな郷愁誘う夕食ならクーラーなんて止めて網戸から夜風を入れて、風呂上がりにうちわで扇ぎながらビールと一緒にいただく、なんてのが風情があっていいですよねぇ。
あーやっぱり日本の夏っていいなぁ。
さて、花が咲く様や実が成る姿に風情がありいかにも日本的な佇まいの茄子ですが、実は日本固有の野菜ではなくインドが原産。
日本の茄子は奈良時代に中国経由で伝わったものだそうです。
そういえば中華料理でも茄子は定番食材。
油をたっぷり使う炒めものなどが中心の中華料理では、油と相性のいい茄子はうってつけの素材なんですね。
麻婆茄子や茄子味噌炒め、唐辛子と花山椒でピリ辛に炒めた四川風などわりと味付けが濃かったり辛いものが多いですが、茄子はソースの味をよく吸うので味の濃い料理にも向いてるんですね。
さっぱり系が多い和食の茄子料理とは対照的です。
一方、イタリアの茄子はアラブ経由でシチリアに伝わったもの。
現在もシチリアはナスの一大生産地で、茄子といえばすぐにシチリアを連想するほどで、パスタやピッツァでシチリアーナ=シチリア風なんて名前がついてると大概ナスが入っています。
そういえば、ノルマ風パスタやパルミジャーナ、カポナータなど有名な茄子料理はいずれもシチリアの郷土料理。
今日の茄子のペーストだってやっぱりシチリア料理なんですね。
中東のトルコやエジプト、ギリシャや南フランスにも似たような茄子のペーストがあるので、茄子とともに茄子料理のひとつとしてアラブからシチリアに伝わり、それが地中海一帯に広まったのでしょう。
今日はパスタのソースにしましたが炙ったパンに乗せてブルスケッタにしたり、グリルした野菜や白身魚のカルパッチョにつけて食べたりと、ソースとしての使い勝手もいいんです。
そんなアラブ風の茄子のペーストは茄子を皮ごと直火で真黒になるまで焦がして蒸し焼きにし、焦げた皮を剥いて作ります。
これって和食の焼き茄子と似てますよね。
とろとろになった果肉をアンチョビやにんにく、オリーブオイルなどと一緒にペーストにしますが、焦げた皮をところどころ残すようにすると和食の焼き茄子に似た香ばしさがソースに移って日本人好みの味に。
焼き茄子に刻んだ大葉を添える代わりにバジリコの葉の香りを添えて、初夏に相応しくさっぱりしたパスタに仕上げます。
Ingredienti (per 2 persone)
カサレッチェ | 250g | ||
ナス | 6本 | ||
にんにく | 1片 | ||
アンチョビ | 2枚 | ||
白ワインヴィネガー | 大さじ1 | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
バジリコの葉 | 20枚 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
パルミジャーノ | 適量 | ||
パスタの茹で汁 | レードル2杯 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
ナスを中火のグリルでじっくり15分ほど焼きます。皮が黒く焦げて果肉が軟らかくなったら取り出し、ヘタを切り落として熱いうちに皮を剥きます。
焦げた皮を多少残すようにすると香ばしさがソースに移ります。
皮を剥いたナスは三等分ぐらいに切り分けます。
にんにくは包丁の腹で潰します。
フライパンにオリーブオイルをしき弱火にかけ、にんにくを置き入れて香りがオイルに移ったら取り出します。
フライパンにアンチョビを置き入れて木べらで潰し、ナスの果肉も加え同様に木べらで潰しながら炒めて、果肉が硬いようなら水を少々加えて煮含めるようにします。
ナスがとろとろのペースト状になったらヴィネガーを加えて酸味を足し塩胡椒で味をつけます。
深鍋に湯を沸かしてパスタを茹で始めます。
途中、パスタの茹で汁をフライパンに加えてゆるゆるにのばします。
パスタは表示より短めに上げてフライパンに移し、ちぎったバジリコの葉も加えてソースをパスタに吸わせながら絡めていきます。
もう一度味を見て塩胡椒で調整します。
皿に盛ってさっとオリーブオイルをまわしかけます。
黒胡椒を挽きパルミジャーノを削りかければ出来上がり。
関連記事 - 茄子が主役のイタリア料理
Pasta alla Norma 秋茄子とトマトのスパゲッティ ノルマ風 |
Melanzane a Barchetta 茄子のバルケッタ |
Caponata alla Siciliana 夏のシチリアの定番 茄子の冷製カポナータ |
Melanzane Sott'Olio 茄子のソットオーリオ |
茄子のディップで 作るパスタは未体験だな。茄子好物だし 今度作ってみますね♪
返信削除