2016年4月16日土曜日
Orecchiette con Vongole e Broccoli 春浅蜊とブロッコリーのオレキエッテ
今日はここに大粒の春アサリがごろごろ入ったスペシャリタ、パスタの窪みにたまったオイルも食欲をそそる海と大地の恵みの一皿です。
"il Granaio d'Italia" ・・・ イタリアの穀物倉庫。
プーリア地方は昔からこんなふうに呼ばれてきました。
国土の多くが山岳地帯や丘陵地帯からなり、乾燥して痩せた土地というイメージの南イタリアにあって、いわゆるブーツのかかと部分に広がるプーリア州は肥沃で広大な平野が広がる農業大国。
とりわけパスタの原料となる硬質小麦(デュラム小麦)は質、量ともに群を抜く一大生産地で、これが穀物倉庫と呼ばれる所以。
オリーブや葡萄の栽培にも適していて、イタリアで生産されるオリーブオイルのおよそ半分はプーリア産だしワインの生産量もトップクラスで欧州のワインセラーという称号まで持っています。
州北部では水牛や羊などの酪農も盛んで、モッツァレッラやブッラータといったフレッシュチーズが美味しいことでも有名。
トマトや茄子、柑橘類、ナッツ類などシチリア産が抜群の知名度を誇る農産物ですら、収穫量ではプーリア州の方が上だったりします。
プーリアのポテンシャルの凄さは農畜産物だけにとどまりません。
東をアドリア海、ブーツの土踏まずのアーチの部分(ターラント湾)をイオニア海と三方を海に囲まれていて、新鮮な魚介類も豊富。
湾の奥まった部分では古くからムール貝や牡蠣の養殖が行われ、とくにターラント産のムール貝はイタリア全土に知れわたっています。
そしてヨーロッパではめずらしく貝やイカ、タコ、ウニなどの魚介類を生で食べる習慣もあり、プーリア料理は日本人の嗜好にも合っていると言われています。
さて、そのプーリア料理の特徴は前菜を見るとよくわかります。
いろいろな前菜が小皿でこれでもかと並ぶのがプーリア流なんですが、その多くは豆や野菜がふんだんに使われ、オリーブオイルでシンプルに調味された田舎の家庭料理そのままという感じ。
和食に例えるなら、塩茹でにした枝豆やそら豆、ひじきと大豆の煮物、ほうれん草のおひたし、タコと胡瓜の酢物、かぼちゃの煮っころがし、きんぴらごぼう、煮豆など、どこの家庭にもごく普通にありそうなのに田舎っぽいというかどこか垢抜けない感じ。
この、ブロッコリーや菜の花をくたくたに煮崩してソースにするという野暮ったいパスタ料理も典型的なプーリア料理です。
イタリア料理ではあまりお洒落に洗練された料理というのは好まれず、適度に田舎っぽさを残すのが良しとされています。
ある意味それを地で行ってるのがプーリア料理なんですね。笑
Ingredienti (per 2 persone)
オレキエッテ | 200g | ||
ブロッコリー | 大1房 | ||
にんにく | 1片 | ||
唐辛子 | 1本 | ||
アンチョビ | 1尾 | ||
アサリ | 200g | ||
ミニトマト | 10粒 | ||
白ワイン | 大さじ4 | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
塩胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
アサリは海水程度の塩水に浸して蓋で暗くして砂抜きをします。砂抜き後は流水で殻をこすり合わせて洗い、ザルに上げておきます。
旬の時期のアサリは栄養がすべて身を太らせるために使われ、殻が割れやすくなっているので、扱いに注意します。
ブロッコリーは小房に切り分け、にんにくは粗みじん切りに、トマトはへたを取って半分にカットしておきます。
鍋に湯を沸かして塩を少々加え、ブロッコリーを15分ほど茹でます。 フライパンにオイルとアンチョビ、にんにくを加え弱火で香りを出し、ブロッコリーをすくって加え木べらで崩しながらソース状にします。
ブロッコリーを茹でた鍋でオレキエッテを茹で始めます。
フライパンにミニトマト、唐辛子、アサリを加えてワインを注ぎ、蓋をして蒸し煮にして貝を開けさせます。
パスタの茹で汁をレードルで二杯加え、フライパンを小刻みに揺すってソースを乳化させます。
表示より短めに茹でたパスタをフライパンに移し入れ、ソースの旨みをパスタに吸わせながらマンテカーレし、塩胡椒で味を調整します。
皿に盛ってさっとオリーブオイルをまわしかければ出来上がり。
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