2019年1月20日日曜日

Pasta con Baccala e Cavolfiore 塩鱈とカリフラワーのパスタ

ぷりっと弾ける白身が美味しい旬の鱈をソテーし、フライパンに残った旨みオイルでカリフラワーを煮崩してソースにした冬の南イタリア風のパスタ料理。
白い西洋野菜として一世を風靡した古くて新しい花野菜カリフラワーと白身の鱈とで冬らしく白いシックな色調に仕立てた一皿です。

今日1月20日は二十四節気の大寒。
一年のうちで最も寒くなる頃なので大寒です。
二十四節気とは、一年を春夏秋冬の四つの季節に分け、さらにそれらを季節の節目ごとに六等分して名前をつけたもの。
一年を二十四の季節の節目に分けるから二十四節気。
ひとつの節気は約15日ほどになります。
カレンダーでは今日は大寒だとか何の日だとか書いてあるわけですが、二十四節気はピンポイントにその日を指す場合もありますしその日から次の節気の前日までの期間を指す場合もあります。
つまり、一年のうちで最も寒い期間が今日の大寒から次の節気にあたる立春の前日までの約15日間というわけです。

でも、立春の前日までときくと、いちばん寒い時期というよりもむしろ春めいてくる頃なんじゃないの、と思ってしまう人もいますかね。
春が立つと書いて立春ですから文字通り解釈するなら確かに春の始まりなんですが、実際にはそういうニュアンスはなくて寒さが大底を打って反転上昇に転じる日が立春。
実際に春めいてきたなと感じるのは立春の次のさらに次の節気にあたる啓蟄=つまり立春からひと月ほど経った頃なので、今日から半月ほどの大寒の間がまさに一年で最も寒い冬の真っ只中というわけです。

でも、寒くなればなるほど美味しくなるものもあります。
タラもそのひとつ、鍋なんかで美味しいですよねぇ。
魚編に雪と書いて鱈(タラ)。
その名の通り、雪が舞い散り流氷が浮かぶオホーツク海などの北の海の深海に生息する、真冬の厳冬期が旬の魚です。
味は淡白でさっぱりしているなどと言われますが、店頭で売られているものはほどよく熟成され、むしろまったりと濃厚な旨みがあります。
深海魚らしく白身なのによく脂が乗っているのも特徴。
身は火を通すとぷりっとなって身離れもよく子どもでも食べやすいし、鍋はもちろん焼いても揚げても美味しい魚です。
イタリアの魚介料理といえばムール貝や手長海老やタコやイワシというイメージですが、意外なことに世界でいちばんタラを消費している国はイタリアで、北から南までイタリア全土で食べられています。

さて、今日のパスタのソースで鱈と合わせたのがカリフラワー。
カリフラワーは菜の花と同じアブラナ科の花野菜で、地中海原産なのでイタリア料理でもおなじみの素材です。
同じ仲間のブロッコリーとは色が違うだけで形がそっくりなんですが、もともとはブロッコリーが突然変異で白くなってそれを品種化したものだそうなので似ているのは当然というわけです。
日本にはブロッコリーよりも早くから伝わり、洋食文化の普及とあわせホワイトアスパラガスなどとともに白い西洋野菜がもて囃されました。
しかし時代が下り平成に入る頃には緑黄色野菜の一大ブームが到来し、ブロッコリーやグリーンアスパラの需要が急速に拡大しカリフラワーやホワイトアスパラガスにとって代わりました。
そんなわけで昔をご存知ない世代にとっては白い西洋野菜は目新しく、逆に昭和世代には懐かしい、つまり古くて新しい野菜なんですね。

淡白で微かな甘みと苦みがあるカリフラワーはどんな素材とも調和し、主役を引き立ててくれます。
洋食メニューでよく使われるのがクリームシチューやグラタンなどで、ベシャメルソースが白いので、白いカリフラワーを合わせて白い料理に仕立ててるわけです。
イタリアではさっとグリルしたりヴィネガーに漬けたマリネにしたり、オイルと相性がいいのでフリットなどで食べられます。
そしてブロッコリーと同様に煮崩れしやすいので、とろとろに煮崩した今日のようなパスタも定番です。

Ingredienti (per 2 persone)

リングイーネ220g
塩鱈3切れ
カリフラワー1房
にんにく2片
小麦粉適量
小さじ1
黒胡椒適量
オリーブオイル大さじ4
レモン1/4個
パスタの茹で汁レードル2杯

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

にんにくはスライス、カリフラワーは小房に切り分け、硬い茎の部分もざく切りにします。
塩鱈は食べやすい大きさに切り分け、表面に小麦粉を薄くまぶします。

フライパンにオリーブオイルをたっぷりしいてにんにくとともに弱火にかけ、香りが出てきたら鱈の切り身を置き入れてソテーします。
タラの皮目や身の表面に香ばしい焼き目がついたら一旦取り出します。
パスタ鍋に湯を沸かしてカリフラワーの茎の部分を下茹でします。
軟らかくなってきたらタラの旨みが残ったフライパンに茹で汁とともに移し、花の部分も加えてとろとろに煮崩していきます。

さきほどの深鍋の湯でパスタを茹で始めます。
パスタのグルテンが十分に溶け出た頃合の茹で汁をフライパンに加え、フライパンを小刻みに揺すってソースをとろりと乳化させます。
タラから出た塩気も考慮し軽く塩胡椒をふります。

パスタは表示よりやや早めに上げフライパンに移したら手早くあおり、取り出しておいた鱈もフライパンに戻しパスタにソースを吸わせながら煮含めていきます。
もう一度味を見て必要なら塩で味を調整します。
皿に盛って黒胡椒を挽きオリーブオイルをさっとまわしかけ、レモンをちょっと搾りかければ出来上がり。

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