2016年6月18日土曜日

Spaghetti al Ragu di Polpo 蛸のラグーのスパゲッティ

タコをミンチにして白ワインやセロリのソフリット、ケイパーなんかと一緒に煮込んだ、南イタリアっぽい雰囲気がむんむん漂うタコのラグーのスパゲッティ。
パッケリなんかも合いそうですが、仕上げのモリーカ(香草パン粉)が旨すぎるので、いつももりもり食べられるスパゲッティそれも大盛りで作っちゃうやつです。笑

ラグーというとボロネーゼ=ミートソースのイメージが強いんですが、肉だけでなく野菜や魚介のラグーだってもちろんあります。
例えば野菜のラグーだとこんな感じ↓
Paccheri di Gragnano con Ragu di Verdure
ブロードをたさなくても野菜から出る旨みだけで十分、野菜がくたくたに煮込まれて素朴で田舎っぽい感じなのがいいですよね。
魚介なら白身魚のラグーが定番でしょうか。
なんかちょっと上品で高級そうなパスタというイメージもありますが、もともとは魚の身をほぐした方が少量でも出汁がよく出るから、という発想の典型的な南イタリアのクチーナポーヴェラ(貧乏料理)。
だから、作り手によってはリストランテ風のお洒落な一皿にもなるし、安くて量が多くて旨い食堂風の一皿にもなります。

同じ魚介でもなぜか庶民的なイメージなのがタコのラグー。笑
ラグーを煮込む際は香味野菜の御三家(玉ねぎ、にんじん、セロリ)のソフリットが欠かせないのですが、タコのラグーではタコと相性のいいセロリだけでソフリットを作るところがみそです。
食べて旨いのはもちろんですが、タコのラグーは作ってるときの匂いがたまらないので料理しながら何杯か飲めちゃうところがいい。笑
よく使い込まれたアルミの鍋にオリーブオイルをたっぷり注ぎ、潰したにんにくをごろっと置き入れて泡がふつふつしてくるときのにんにくとオイルの匂いでスイッチオン、ここにタコのミンチが入って潮の香りが合わさり、白ワインをジュっと注いで、トマト、オレガノ、ケイパーと続く典型的な地中海食材のオンパレードは南イタリアの香りそのもの。
料理中のいい匂いをひとり占めできるのは作り手だけの特権です。

さて、これだけでも十分旨いのに、丼飯をかきこむように食べたくなる魔法が、仕上げにたっぷりかけるモリーカ(=香草パン粉)。
これはにんにくとアンチョビの香りを移したオリーブオイルでパン粉をきつね色になるまでちりちりに炒ったもので、パスタにかけるチーズが買えなかった貧しい時代にシチリアあたりでパスタにかけていたため、貧乏人のチーズなどとも呼ばれてるもの。
ちょっと日本の天かすに似てますが、オイルベースのパスタにかけるとこれが抜群に旨いんです。
タコのラグーはパッケリに合わせてみたいと常々思っているんですが、ショートパスタは食べ方がちまちましちゃうので、もりもり食べられるスパゲッティ(太いやつ)が断然お勧めです。笑
(ちなみに写真はリングイネ)

Ingredienti (per 2 persone)

スパゲッティ250g
マダコ200g
にんにく2片
セロリ1本
ミニトマト10個
塩漬けケイパー大さじ1
乾燥オレガノ適量
白ワイン1/2カップ
オリーブオイル大さじ2
塩胡椒適量
per la Mollica
パン粉30g
にんにく1/2片
アンチョビ1/2尾
プレッツェーモロ5枝
オリーブオイル大さじ1

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

まずはモリーカを準備します。
フライパンにオイルをしいて弱火にかけ、潰したにんにくを置いて香りを出しつつ、アンチョビを加えて木べらで潰します。
ふるいにかけた粉状のパン粉とプレッツェーモロ(イタリアンパセリ)のみじん切りを加えて、焦げないように絶えず木べらで混ぜてきつね色になったら火を止めてすぐに(焦げるので)容器に移しておきます。

タコはざく切りにしてフードプロセッサで粗めのミンチにします。
フライパンにオイルをしいて弱火にかけ、潰したにんにくの香りを出しセロリのみじん切りを加えてソフリットにします。
ここにタコのミンチを加えて炒め、白ワインを注ぎ入れます。
強火でワインのアルコール分を飛ばし、トマト、ケイパー、オレガノ、水を加え、蓋をして中火で30分煮込んで塩胡椒で味を調整します。

少し硬めに茹でたパスタをフライパンに移し、ソースを吸わせるようにマンテカーレしてちょうどアルデンテになるようにします。
皿に盛ってオリーブオイルをまわしかけ、胡椒を挽きかけ、モリーカをたっぷり乗せれば出来上がり。

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