2016年6月25日土曜日

Arancine Palermitane alla Carne ラグーとチーズのアランチーニ パレルモ風

サフランのリゾットに肉のラグーとチーズを詰めて、パレルモ風に丸く成形してオイルでかりっと揚げたシチリア名物アランチーニ。
具材のミートソースはシチリアではグリーンピースが入るのがお約束、冷めても美味しいので昼飲みのつまみや小腹がすいたときのおやつにもぴったりです。

地中海のほぼ真ん中に浮かぶシチリア島。
海運交通の要所で戦略的にも重要な位置にあったことから、ギリシャやローマ、フランス、スペイン、アラブなど様々な国や民族に支配されてきた歴史があり、文明の十字路などとも呼ばれています。
実際、世界遺産クラスの歴史的な建造物などはイタリア本土のものとはだいぶ印象が異なり、シチリア料理には異国の影響とりわけアラブ風のエキゾチックな雰囲気を色濃く残すものが多く見られます。
当時アラブがこの地にもたらしたものは、シチリアにとどまらず現在のイタリアという国にとって極めて重要でした。
今やシチリアが一大産地になっているレモンやオレンジなどの柑橘類、アーモンドやピスタチオといったナッツ類、スパイシーな香りの香辛料や砂糖、胡麻、茄子、マグロの漁法やボッタルガ(からすみ)の製法、アランチーニに使われる米もサフランもアラブから伝わりました。
極めつけは現在のイタリアの食文化を語るうえで欠かすことのできない乾燥パスタやピッツァやジェラートも、その原型はアラブから伝わったものだと言われています。

アランチーニの語源は Arancia=オレンジ。
丸っこい形と色がオレンジに似ているからですが、アラニチーニの形は必ずしも丸とは限らず、地域や中身の具によって違います。
パレルモ風の場合は丸がラグー(alla Carne)、俵型だとハムとチーズのベシャメッラ(al Burro)と決まっています。

Ingredienti (per 4 persone)

2号
にんにくごく少量
玉ねぎ1/2個
サフラン2g
オリーブオイル大さじ2
パルミジャーノパウダー20g
バター10g
塩胡椒少々
薄力粉適量
1個
細挽パン粉適量
揚げ油適量
バジリコ適量
per il Ripieno al Ragu
ミートソース150g
グリーンピース20g
モッツァレッラ50g

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

深鍋にオリーブオイルをしき、玉ねぎとにんにくのみじん切りを加えてしんなりするまで炒め、米を洗わずに入れてちりちり炒めます。
ぬるま湯で戻しておいたサフランを汁ごと加え、米が浸る程度の水分量を維持するよう絶えず熱湯を加え、ときどきかき混ぜながらリゾットを15分を目安に炊いていきます。
米がアルデンテに炊けたら火を止め、塩胡椒、バター、パルミジャーノパウダーを加えて味を調え、バットなどに広げて冷まします。

ミートソースはボロネーゼを仕込んだときの残りを冷凍などで取り置きしておいたものを流用し、冷凍グリーンピースとともに鍋に入れて弱火にかけ水分を飛ばします。
モッツァレッラは小角切りにしておきます。
なお、ボロネーゼのレシピはこちらまたはこちらを参照してください。

リゾットが十分に冷めたら、手にオイルを塗ってライスボールを作っていくのですが、具材を詰めるので小さく作るのがなかなか難しいので、テニスボールほどの大きさで作るのが易しいです。
ライスをしっかりと握って半球状の形を作って左手に持ち、右手の親指を差し込んで窪みを作り内側から外側に向かって空洞を広げ、ラグーを入れてチーズを押し込み、ライスを乗せて丸く形作っていきます。

バットなどに薄力粉を広げ、ボウルに卵を割り入れてよく攪拌します。
パン粉は細挽(ザルなどでふるって粉状にする)を用意します。
揚げ物用のオイル(オリーブオイルは食べて重たくなるので使わない) を180℃に熱して、ライスボールを小麦粉、卵、パン粉の順にくぐらせ揚げていきます。
衣はきつね色よりも薄めの明るいオレンジ色ぐらいが目安。
油を切ったら熱々のうちにいただきます。(冷めても美味しいです)
オレンジの葉に見立ててバジリコを飾っても可愛らしいですよ。

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