2016年7月3日日曜日

Spaghetti alla Sorrentina トマトとバジリコとモッツァレッラのスパゲッティ ソレント風

真っ赤に熟したトマト、深緑のバジリコ、清楚な白のモッツァレッラ...
夏の地中海料理を象徴するかのようなイタリアントリコローレが眩しいソレント風という名のパスタ料理。
ニョッキが有名なんですが、こんなこてこての南イタリアっぽいソースならもちもちのニョッキよりもぱつんと歯切れのいい乾燥スパゲッティの方が断然好みです。

ナポリ湾を南側から包むように突き出た半島の先端にほど近い北海岸に位置し、対岸に雄大なヴェスビオ火山とその裾野に拡がるナポリ市街を臨む風光明媚なリゾート地ソレント。
切り立った断崖絶壁の上にこぼれ落ちそうにひしめく美しい街並みや、ナポリの喧騒とは打って変わって静かでゴージャスな雰囲気が特徴の、レモンやオレンジの香りに包まれた高級リゾートです。
町中に人魚の像があったり、店の看板や土産物に可愛らしい人魚の絵柄を見かけるのは、この地方に伝わる人魚伝説によるもの。
なんだかロマンチックな感じがしますが、伝説のモデルはギリシャ神話のセイレーンなので、残念ながらリトルマーメイドみたいなキュートな人魚姫キャラではありません。
同じくセイレーンを題材にしたパイレーツオブカリビアンの生命の泉を観て、人魚ってこんな怖い生き物だったのかと衝撃を受けた方も多いと思いますが、発情期になると子を産むために若くて屈強な人間の男性を食べると言われ、美しい歌声と美貌で船乗りの男達を誘惑し、鼻の下を伸ばして油断したところを一気に海の底に引きずり込んで食べてしまう魔物なんですよねぇ。
セイレーンはイタリア語ではシレーナ、この地方の有名なカンツォーネ "帰れソレントへ" の歌詞にも出てきます。
そういえばパイレーツオブカリビアンに出てくるちょっと水原希子似の人魚の名もシレーナでした。

さて、ソレント風と名のつく料理は大概このトマト、モッツァレッラ、バジリコが使われていますが、ソレント半島の目と鼻の先には青の洞窟で有名なカプリ島が浮かんでいることもあり、カプレーゼ(カプリ風)と呼ばれることも多いですよね。
有名なインサラータカプレーゼなんてまさにそう。
サンマルツァーノやモッツァレッラの産地で有名なのはむしろサレルノですが、まぁ南カンパーニャを代表してソレント風なんですかねぇ。
そしてこのソレント風パスタではニョッキを使ったものが有名ですが、南イタリアの人は基本的にもちもちした食感の手打ちの生パスタよりもぷりっとした歯ごたえの乾燥パスタ、それもごく普通のスパゲッティが大好き、日本で一般的な1.7mmとかよりも太めのものが好まれます。

Ingredienti (per 2 persone)

スパゲッティ250g
ホールトマト1缶
にんにく1片
バジリコ20枚
モッツァレッラ50g
ローリエ1枚
オリーブオイル大さじ4
塩胡椒適量
パスタの茹で汁レードル2杯

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
※パスタの茹で汁もソースの材料に記載するようにしました

Preparazione

にんにくを粗みじん切りに、モッツァレッラは小角切りにします。
モッツァレッラは小皿にとり、パスタの湯を沸かすときに鍋の蓋の上に乗せるなどして軟らかくしておきます。
ホールトマトはボールにあけて手でヘタや皮を取り除きます。
いつもだとトマトも手で潰しておくのですが、具がないソースなので、潰してしまわずにごろごろ感を残すようにします。

フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ弱火にかけます。
オイルに香りが移ったらホールトマトを加え、木べらでざくざくカットしてローリエを加えて中火で10分ほど煮込みます。
途中で2/3量のバジリコを手でちぎって加えソースに香りを移します。
隣でパスタも茹で始め、数分が経過したら茹で汁をレードルですくってフライパンに加え、しゃばしゃばの状態にして塩胡椒で味をつけます。

アルデンテより一歩手前まで茹で上がったパスタをフライパンに移し、ソースをパスタに吸わせながらマンテカーレしモッツアレッラを乗せて火を止め余熱でとろけさせます。
皿に盛ってバジリコを散らし、黒胡椒を挽いてエキストラヴァージンをたっぷりまわしかければ出来上がり。

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