2019年1月26日土曜日
Lasagne ai Frutti di Mare 海の幸のラザーニェ
夏のバカンスのイメージが強い魚介のパスタですが、まったりと濃厚なソースで熱々に仕立てて趣が一変した冬仕様の一皿です。
ラザーニャ（ラザニア）といえば四角い平打ちパスタとミートソースとベシャメルソースを交互に重ねてグラタンのようにオーブンで焼いた、美食の街としても名高いエミリアロマーニャ州の郷土料理。
一応パスタ料理なのでコースでは第一の皿としてメイン料理よりも先に出されるかと思いますが、パスタというより感覚的には肉料理に近く、これをプリモで食べたらセコンドには何を食べればいいんだろうとすら思ってしまうほど食べごたえがあります。
パスタ料理のなかでもちょっと格上といったところですかね。
通常はミートソースを使って作られるラザーニャですが、意外なことに今日は魚介のソースをメインに使った海の幸のラザーニェ。
なんと、魚介の出汁にベシャメルソースを合わせちゃいます。
ご存知のとおりイタリアでは、魚介類にチーズをはじめとした乳製品を合わせるのは基本的に好まれません。
相性がいいか悪いかでいえば決して悪くはないし、お店などでもむしろ隠し味として積極的に使われたりもしています。
嫌われる理由は、昔からそうと決まってるから、とか一緒に食べるのが気持ち悪い（と思い込んでる）からといったもの。
いわゆる食べず嫌いというやつですね。
都市部よりも地方の田舎に行くほど、若い世代よりも古い年配の人ほどその傾向が顕著です。
ベシャメルソースはたっぷりのバターを溶かして小麦粉と練ったルゥを牛乳でのばして作るフレンチ風のソース。
チーズこそ使わないものの乳製品の風味がしっかりあります。
魚介にベシャメルソースを組み合わせるというのはフランスでは普通にやりますが、イタリアでは相手によってはやらない方が無難な組合せ。
それに、魚介のパスタは南イタリアの夏のバカンスのイメージが強く、そもそもベシャメルソースとの組合せがアンバランスなんですよね。
でも、やってみるとこれがかなり美味。
味の想像がつかない人はシーフードグラタンやカニクリームコロッケをイメージしてみてください。
もともと食材どうしの相性は悪いわけでもないし、塩気のきいた魚介がまったりクリーミーなベシャメルソースに包まれて意外と上品な味に。
家庭料理というよりレストランの味、つまり野暮ったいイタリア料理というより洗練されたフレンチに近いといった雰囲気です。
今回、魚介ソースに使うのが海老やイカ、小柱などが入ったごく普通の冷凍のシーフードミックス。
くせがなく何とでも合わせやすいのと、魚嫌いな子どもでも食べられる万人向きの味がベシャメルソースと合わせるのにはもってこいです。
魚介ソースは大蒜香るオリーブオイルでシーフードミックスをソテーしミニトマトを加えてソース状にした南イタリア風。
乾燥ラザニアを使う場合は下茹でせずにこのソースに浸してふやかし、魚介の旨みを吸わせてから調理するといいですよ。
あとはパスタと二種のソースを何層かに重ねてオーブンで焼くだけ。
出来立ての熱々が美味しい冬の一皿です。
Ingredienti (per 4 persone)
| シーフードミックス | 200g | ||
| ミニトマト | 150g | ||
| にんにく | 1片 | ||
| 塩 | 適量 | ||
| 黒胡椒 | 適量 | ||
| プレッツェーモロ | 10枝 | ||
| per la besciamella | |||
| 薄力粉 | 30g | ||
| バター | 30g | ||
| 牛乳 | 300ml | ||
| 塩胡椒 | 少々 | ||
| ナツメグ | 少々 | ||
| ローリエ | 1枚 | ||
| per la Pasta | |||
| 強力粉 | 200g | ||
| 卵 | 2個 | ||
| 塩 | ひとつまみ | ||
| ぬるま湯 | 適量 | （必要に応じて） | |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
まず手打ちパスタ生地を作ります。小麦粉100gあたり卵1個だけを捏ねてパスタ生地を作ります。
水分に過不足があれば小麦粉とぬるま湯で調整し、しばらく寝かせたら麺棒で薄くのばして10cm四方の正方形に切り分けます。
次にホワイトソース（ベシャメラ）を作ります。
深鍋を弱火にかけてバターを溶かしてふつふつさせ、小麦粉をふるいにかけて加え焦がさないよう木べらでかき混ぜます。
牛乳を少しづつ加えながらダマにならないようかき混ぜていき、好みの緩さになったらローリエ、ナツメグ、塩を加えて味を調えます。
ソースを準備します。
にんにくは包丁の腹で潰し、プレッツェーモロ（イタリアンパセリ）は粗みじん切りに、ミニトマトは縦半分にカットします。
フライパンにオリーブオイルをしいて中火にかけ、にんにく、トマト、塩胡椒、パセリ、凍ったままのシーフードを加えて炒めます。
魚介は縮んで硬くなる前に一旦取り出し、弱火にして残りをソース状になるまで蓋をして10分ほどぐつぐつ煮ます。
火を止めたら取り出しておいたシーフードを戻します。
キャセロールにオリーブオイルを塗りベシャメルソースを薄くしいて、さっと茹でたラザニアを乗せ、魚介ソース、ベシャメラの順に何層かに重ねていきます。
200℃に余熱したオーブンで20分焼けば出来上がり。
皿に取り分けてからパセリを少し散らしてもいいです。
関連記事 - イタリアの冬のオーブン料理
|
|
|
|
| Polpette di Carne in Fricassea 白いミートボールのフリカッセーア |
Trippa Gratinata al Forno トリッパのグラタン仕立て |
Zuppa di Cipolle Gratinata ヴァルドスタ風オニオングラタンスープ |
Lasagne al Forno Classiche ラザーニャ ボロネーゼ |
0 件のコメント:
コメントを投稿