2015年12月19日土曜日
Zuppa di Cipolle Gratinata ヴァルドスタ風オニオングラタンスープ
フランス風が有名ですがエメンタールやグリュイエールチーズではなくフォンティーナチーズを使うのがイタリアのヴァルドスタ風です。
オニオングラタンスープが美味しい季節になりましたね。
すぐに冷めてしまうスープと違って、オーブンで焼いた器ごと出てくるのでいつまでも熱々のままだし、とろとろに煮込まれた玉ねぎの甘みにチーズとバターという組合せが昭和の頃の洋食の味のようで、懐かしくもありちょっとノスタルジーも感じさせてくれます。
仕込みにはかなり手間暇かかるのでちゃんとしたレストランでは意外とお高いんですが、一方でたいした材料を使ってないため貧乏人のスープとも呼ばれています。
濃厚で高カロリーなのに加えスープが染みたパンが入っているせいか、器が小さいのに意外とお腹を満たしてくれるんですが、そんなところも貧乏人のスープと言われる所以かも。笑
オニオングラタンスープはヨーロッパ各地にありますが、いちばん有名なのはフランスのスーパ ロワニョン グラティネ。
でもそのルーツは、実はイタリアはトスカーナ州のカラバッチャという郷土料理なんです。
もちろんかのフィレンツェの名門メディチ家からフランス王家に嫁いだカトリーヌお嬢様が持ち込んだものというのは有名な話ですよね。
トスカーナ風はオニオンスープというよりも香味野菜をソフリットしてブロードで炊いた野菜スープで、硬くなったパンを敷いた皿にスープを注いでパルミジャーノをたっぷりかけて提供します。
一方で、今日のヴァルドスタ風オニオングラタンスープはフランス風のものと作り方はよく似ています。
ヴァルドスタとは冬季トリノオリンピックが開かれたピエモンテ州よりさらに北西、アルプスの山中に孤立するように位置するピエモンテ州の付属というか出張所みたいな小さな自治州ヴァッレダオスタのこと。
西はフランス、北はスイスと国境を接するという山岳地帯で、かつてはフランス領だったこともあって現在もイタリア語のほかにフランス語が公用語として話されているという土地柄。
隣国の食文化の影響を受けていないはずがありません。
ヴァッレダオスタ州にはさほど有名な特産品や郷土料理はないですが、よく知られているのがフォンティーナチーズ。
スイスのエメンタールやグリュイエールと同じ山のチーズです。
縮緬キャベツのヴァルペッリーナ風スープや、チーズフォンデュに似たフォンデュータという名物料理もこのチーズを使って作られます。
さて、今日のオニオングラタンスープはオーブンから取り出したあとに溶かしバターをじゅっとまわしかけたスペシャリテ。
バターとチーズの芳醇な香りが止まらない熱々のスープを、しんしんと雪が降り積もる夜にホットワインと一緒にいかがですか。
クリスマスのホームパーティーの一品としてもお勧めです。
Ingredienti (per 4 persone)
玉ねぎ | 大2個 | ||
にんにく | 1片 | ||
バター | 50g | ||
フォンティーナチーズ | 40g | ||
ローリエ | 1枚 | ||
赤ワイン | 1/2カップ | ||
バゲット | 6スライス | ||
塩・胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
玉ねぎは縦に薄くスライスし、にんにくはみじん切り、フォンティーナチーズは削っておきます。深鍋にバター半量を溶かし、弱火でにんにくの香りを出してから玉ねぎを加えて、最初は強火で、しんなりしてきたら弱火にして、飴色になるまで40分ほどじっくり炒めます。
頻繁にかき混ぜると旨みと水分が早くに出てしまうので、ソフリットを作る要領でなるべく放置しつつ焦げないようにときどき混ぜ返します。
ワインを注いで強火でアルコールを飛ばしてから水とローリエを加えて20分ほどアク取りしながら煮込み、塩胡椒で味を調えます。
ココットなどの耐熱容器にスープを注ぎ、スライスしたバゲットを一口サイズにちぎってスープを染み込ませるように配置していきます。
フォンティーナチーズをたっぷり乗せて胡椒を挽き、余熱したオーブンに入れて200℃でチーズに焦げ目がつくまで焼きます。
オーブンから取り出し、ソースパンで溶かしておいた残り半量のバターをじゅっとまわしかければ出来上がり。
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