2015年12月12日土曜日
Spaghetti Cacio e Pepe チーズと胡椒のスパゲッティ カチョエペペ
こてこてのオイルソースにペコリーノチーズ特有の塩気と羊乳の風味、そして黒胡椒がぴりっときいた、古風でシンプルな下町の味です。
小麦から作られるパスタの主成分は白飯と同じ炭水化物。
ソースとパスタが渾然一体となり一皿で食事が完結するパスタ料理は、日本の食べものに例えればおかずとご飯が一緒の丼ものみたいなもの。
ランチにちょうどいいし、ご飯を炊かない日の夕食をパスタにすることも結構あるかと思います。
イタリア料理の正式なコースではパスタやリゾットはスープ料理と同じ位置づけなので、第一の皿として前菜の次に出されます。
パスタを食べ終わらないと、次の第二の皿=メインの肉料理や魚料理が出てこないわけですが、メイン料理の前に炭水化物を食べきってしまうというのは日本人にはちょっと違和感がありますよね。
日本式のコース料理に相当する会席料理では前菜、吸物、刺身、焼物、煮物などと続き、締めでご飯が出されます。
炭水化物を摂るとお腹が満たされたような感じになることから、これで飲むのも食べるのも終わりですよという蓋閉めのような意味合いもありこのような構成になっているわけです。
食事スタイルとしてはとても理にかなっていますし日本人にはその方が馴染みがあるため、日本のイタリアンレストランでも無理にイタリア式を押し付けず、客の嗜好によっては食事の締めにパスタを提案する店も結構多いんじゃないでしょうか。
そもそもイタリア料理のコース体系が確立されたのなんてわりと近年になってからの話。
その際、諸外国にはないがイタリア料理としては外せないパスタという料理をコースに組み込むのか、入れるとしたらどの位置に入れるのかでさぞ揉めたんじゃないかと思いますが、どういうわけかパスタはコース料理の中の一品として採用され、しかも第一の皿というメインの前座のような中途半端なところに収まっちゃったわけです。
でも、後付けでそんなことが決められたところで、それより遥か昔から愛され食されてきたパスタ料理の存在価値はなんら変わりません。
パスタ料理はその土地その季節の食材によって華やかに彩られ、歴史と伝統に培われてきたイタリアの食文化の象徴です。
どんなシーンでパスタと向き合うことになっても、襟を正し、高揚感をもって食べていただきたいものです。
さて、パスタは高級レストランで供されるような色とりどり絢爛豪華なものもあれば、日本でいう納豆ご飯や卵かけご飯のように質素なものもあったりとバリエーションはいろいろですよね。
具なんて何もないシンプルなカチョエペペはもちろん後者。
しっかりと主張があるのに控えめで飾らない味は、第一の皿よりも食事の締め、もしくはパスタだけで食事する方が向いています。
カチョエペペを食べるときに気をつけたいのが、女子数人のランチなどでよくある、フォークでパスタをひと巻き食べたらしばらくお喋りしてまたパスタをひと巻き、なんて感じの食べ方。
楽しく食べるのはいいですが、温かいうちにさっさと食べないとチーズがどんどん固まってきて大変なことになるのでご注意を。笑
Ingredienti (per 2 persone)
スパゲッティ(2mm前後) | 250g | ||
黒胡椒 | 大さじ1強 | ||
にんにく | 1片 | ||
ペコリーノ | 30g | ||
オリーブオイル | 大さじ2 | ||
バター | 15g | ||
塩 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
黒胡椒はラップでぐるぐる巻いて肉叩きで叩いて粗く砕きます。にんにくは包丁の腹で潰し、チーズはすりおろしておきます。
パスタを茹で始めてからフライパンにオリーブオイルを注ぎ、にんにくと砕いた胡椒の半量を加えて弱火にかけます。
にんにくの香りが移ったら取り除き、バターとパスタの茹で汁レードル2杯を加え、フライパンを小刻みにゆすってソースを乳化させます。
表示時間より1分30秒短く茹でたパスタをフライパンに投入し、ソースを吸わせながらマンテカーレして火を止めます。
パスタを混ぜ返しながらチーズを少しづつ加えて溶かしこみ、味をみて塩気が足りなければ塩で調整します。
皿に盛って砕いておいた胡椒と削ったチーズをかければ出来上がり。
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