2017年10月15日日曜日
Spaghetti al Ragu Bianco di Maiale 白いラグーのスパゲッティ
もっちりと太いスパゲッティがソースの旨みも汁気も吸って噛むほどにジューシー、鶏の滋味深い出汁が沁みる秋のスペシャリテです。
10月も半ばに差し掛かり季節はいよいよ秋本番。
天高く秋風が心地よい絶好の行楽シーズンを迎え、清々しい気候のもと野原や花壇にはコスモスが咲き乱れ、各地で秋祭りやグルメイベント、スポーツイベントなどが催され、標高が高い山々では早くも紅葉の見頃を迎えています。
収穫の秋、食欲の秋というだけあって秋は美味しい食べものが目白押しなんですが、秋刀魚に松茸に炊き込みご飯、葡萄に梨に栗にさつま芋と初物をひととおりは食べて一巡するのもちょうど今頃。
毎日の食卓の光景も少しづつ秋仕様に変わってきて、そろそろ鍋料理や熱燗が恋しくなってきますよね。
イタリアでも木の実や果物、ポルチーニ茸あたりが一巡して、これから秋トリュフ、ジビエ、それにノヴェッロと呼ばれる今年収穫された葡萄で作る新ワイン(フランスのボジョレーヌーヴォーが有名ですよね)や新オリーブオイルなんかが待ち遠しい頃ですし、晩秋の風物詩でもあるカルダッロステ(焼き栗)の屋台が街に並ぶのもこれからです。
食卓を彩る料理も熟成チーズやバルサミコの芳醇な風味で仕立てたものとか、骨付きのかたまり肉や秋冬野菜の煮込み料理、パスタでは濃厚なクリームソースや肉のラグーが美味しく感じる季節。
明確な四季があって国土が南北に細長い国どうし、日本とイタリアってほんとなんか似てるなぁ。
さて、広義にはラグーは煮込み料理全般を意味していて、かたまり肉をトマトで煮込んだ肉料理のナポリ風ラグーなんていうのもありますが、一般的には細かく刻んだ具材を煮込んだパスタソースのこと。
白身魚やタコ、野菜だけのラグーもありますが、やはりラグーというとボロネーゼ(ボローニャ風)に代表される肉のラグー=ミートソースをイメージしますよねぇ。
大人も子どもも大好きな味なので、ボローニャに限らずイタリア全土で作られ、それぞれの地域や家庭の味があります。
酪農が盛んなイタリア北部では肉のミンチは牛肉が主体で、香味野菜やきのこのソフリット、トマト、赤ワインが渾然一体となるまで煮込んだデミグラスソースのような茶褐色のソースが定番。
ボロネーゼもこのタイプですね。
これが南に下ってくると豚肉や羊肉の割合が多くなったりソーセージが入ったりするのと、ミートソースというよりはほぼトマト煮込みなので真っ赤なソースに仕上がります。
今日の白いラグーというのはそういう地域性とはあまり関係がなくて、通常の茶色のラグー=ロッソ(赤)に対して、赤みの要素となる素材を使わずにビアンコ(白)に仕立てるというもの。
肉質が赤みを帯びている牛肉ではなく豚や鶏など火を入れると白くなる肉を使い、またトマトや赤ワインは使わずに白ワインと鶏のブロードで煮込んでいきます。
また、香味野菜の御三家の玉ねぎ、人参、セロリを炒めたソフリットもオレンジ色の人参を使わないという徹底したレシピすらあります。
(今日はにんじんも入れています)
ラグーに合わせるパスタは北イタリア風には平打ちのタリアテッレが定番ですが、最近はノスタルジーを感じる太めのスパゲッティを合わせるのがお気に入り。
もっちりと噛みごたえのある極太パスタならヴォルカノ社のスパゲッチ(という製品名)の2.2mmが断然おすすめです。
パスタを茹でている間に、ソースは茹で汁でのばすなどしてゆるゆるにしておきます。
フライパンの中でスパゲッティが汁気を残らず吸うのでソースはドライなのにパスタは超絶ジューシーに仕上がります。
Ingredienti (per 10 persone)
per il Ragu | |||
豚挽肉 | 600g | ||
豚挽肉(粗挽き) | 400g | ||
玉ねぎ | 中玉2個 | ||
にんじん | 中1本 | ||
セロリ | 1本 | ||
マッシュルーム | 1パック | ||
にんにく | 2片 | ||
白ワイン | 1カップ | ||
鶏のブロード | 2l | ||
ローリエ | 2枚 | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
ナツメグ | 適量 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
per la Pasta | |||
ボルカノ社スパゲッチ(2.2mm) | 250g | (2人分) | |
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
パルミジャーノ | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
フライパンにオリーブオイルをしいて、香味野菜のみじん切りを加えて中火で20分ほどソフリットします。しんなり飴色になっら一旦取り出し、きのこのみじん切りも同じようにソフリットして取り出し、フライパンを洗わずに豚挽肉を加えて強火で焼き目をつけるように炒め、脂が過剰に出るようなら捨てて白ワインを注いでフランベします。
深鍋に挽肉、ソフリット、ローリエ、ナツメグ、鶏のブロードを加えて1時間ほど煮込み、塩胡椒で味を整えます。
煮詰めすぎず鶏スープに肉がややひたっているぐらいが目安です。
フライパンにミートソースを適量加えて弱火にかけます。
スパゲッティを硬めに茹でてフライパンに加え、ソースを吸わせながらマンテカーレし、もう一度味見をして塩胡椒で調えます。
皿に盛って黒胡椒を挽きパルミジャーノを削りかければ出来上がり。
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