2018年3月3日土曜日
Pasta alla Mimosa 菜の花と釜揚げしらすのリングイーネ ミモザ風
華やかな見た目の春らしさだけでなく、季節の素材を香り高いオイルでふっくらと煮含めた紛うことなき春のパスタです。
今日3月3日は桃の節句=雛祭りですね。
華やかなちらし寿司に蛤の吸物、菱もちに雛あられに白酒でひな祭りのお祝いをするご家庭も多いかと思います。
雛祭りのお祝いのちらし寿司ですが、伝統的に欠かせない具材は海老、れんこん、豆の三つだそうで、正月のお節料理などがそうであるようにそれぞれに女の子の健やかな成長を願う意味があるようです。
でも、春の行事だけに彩りが春らしいということも大事な要素。
淡い黄色の錦糸玉子に桜色の田麩(でんぶ)、若草色の木の芽や絹サヤあたりも春のちらし寿司には欠かせない気がします。
最近ではインスタ映えを競ってマグロや鯛などの刺身やイクラ、カニ、ローストビーフ、アボガドなどが乗った豪華絢爛なちらし寿司をネットで見かけることも多いですよね。
個人的には原色カラーの素材が入るといまいち春っぽさに欠けるのと、具沢山でカラフルにし過ぎてもごちゃごちゃして混沌としちゃうので、具材の色味は淡い色調で三色程度に絞った構成にするのが好みです。
春はやっぱりパステルカラーが似合いますもんね。
なかでも日本人が抱く春のテーマカラーはピンク色。
なにせ春の代表的な行事が桃の節句に桜のお花見ですからねぇ。
あたり一面黄色に染まる菜の花畑も春らしい光景ですが、黄色とピンクどっちかひとつを選べと言われれば、やっぱりピンク色に軍配が上がるのではないでしょうか。
ファッション雑誌の春号の表紙も春の旅行プランのポスターもピンク、コンビニの棚に並ぶチョコやスィーツもピンク、春の装いに衣替えした女子たちのネイルやリップの色もピンク色です。
目にするものが一斉に春色に染まるのはそれだけ春の到来を待ちわびていたからなんですね。
四季のある国々において春が待ち遠しいという思いはどこも同じです。
寒くてどんよりと暗い冬はいつしかこじ開けられて、ぱっと明るい色の花が満開になる光景が人々に春の訪れを印象づけてくれます。
日本では桜、そしてヨーロッパでは春の到来を告げる花はミモザです。
あちらでは黄色が春の色なんですね。
来たる3月8日は国連が定める国際女性デー。
イタリアでは女性の日=フェスタデッラドンナと呼ばれ男性から女性にミモザの花を贈る日でもあります。
イタリアではこの時期はミモザにちなんだ料理でお祝いをします。
よく知られているのはトルタミモザですが、ケーキ以外でも裏ごしした茹で卵の黄身をミモザの花に見立てた料理が作られます。
今日のパスタもそんなミモザ風の料理のひとつ。
彩りが目に鮮やかでミモザ風というともうそれだけで春らしいよねって思ってしまいがちですが、もちろん見た目だけでなくちゃんと春パスタとして作り込んだレシピです。
春の料理では山菜や筍のように苦味のある素材をどこかに使うとよく、今日の場合は菜の花がそれ。
茎の部分がくたくたになるまで炒めるのがイタリア風です。
そして釜揚げしらすの潮の香りは早春の海辺をわたる春風のよう。
使うしらすの半量を粗くペースト状に潰しながら炒め、パスタの茹で汁を加えてふっくらと煮含めると春らしく仕上がります。
Ingredienti (per 2 persone)
リングイネ | 250g | ||
釜揚げしらす | 200g | ||
菜の花 | 1束 | ||
にんにく | 2片 | ||
唐辛子 | 1本 | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
茹で卵の卵黄 | 1個分 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
パスタの茹で汁 | レードル2杯 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
卵は固ゆでにし、菜の花はヘタを落として適当な長さに切り揃えます。にんにくは縦半分に切って芽を取り除いてから包丁の腹で潰します。
フライパンにオリーブオイルをたっぷりしいて弱火にかけ、にんにくと唐辛子を加えてふつふつさせ、にんにくの香りを引き出します。
にんにくは取り出し、菜の花としらすを加えて中火でさっと炒め、水を適量注ぎ入れて煮含めていきます。
軽く塩をして木べらでしらすを潰すようにしながら煮詰めていきます。
隣でリングイネを茹で始めます。
パスタのグルテンが十分に溶け出た頃合いの茹で汁をフライパンに加えフライパンを小刻みに揺すってソースを乳化させます。
パスタは表示よりやや早めに上げ、フライパンに移したら手早くあおりソースを吸わせながら煮含めていきます。
もう一度味を見て必要なら塩で味を調整します。
皿に盛って黒胡椒を挽きかけ、オリーブオイルをまわしかけます。
茹で卵の黄身だけを取り出し、目の粗いザルに擦りつけ裏濾ししながら散らしかければ出来上がり。
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