2017年5月6日土曜日
Linguine con le Vongole Grandi e Cavolo Fiore 平浅蜊と花ケールのパスタ リングイネ
昨日が立夏で暦の上では夏の走りとなりましたが、春が旬の二枚貝たちがいちばん美味しくなる清々しい季節のパスタです。
春は貝が美味しい季節ですよね。
桃の節句にハマグリの吸物が欠かせないことから、春は春でも早春の頃というイメージもありますが、ときに汗ばむ陽気のこの時期もまだまだ食べ頃、というよりもむしろ今頃が美味しさのピークかも。
たいていの二枚貝は初夏に産卵期を迎えるため、春先からせっせと餌を食べて身に栄養を溜め込み、産卵に至る直前がいちばんぷっくり太って旨みが増すんですね。
産卵後は痩せ細って味も栄養価もぐっと落ちてしまいますので、二枚貝を美味しく食べるならまさに今のうちなんです。
二枚貝といえばアサリにシジミにハマグリ、赤貝に帆立貝にホッキ貝、小柱の原料になるアオヤギ、ムール貝、ホンビノス貝、レアなとこでは北海道にしか生息していない北海アサリなんてのもあります。
今日のは平アサリという種類のちょっと聞きなれない貝。
アサリと同じマルスダレガイ科アサリ亜科の大型の二枚貝で、大きさはハマグリぐらいありますがハマグリほど厚みがなく、平たい感じなので通称ヒラアサリ、学名はコタマガイといいます。
アサリやハマグリほど安定した入荷はないですが、それほど高くないし出汁が濃くて美味しい貝なので、見つけたら即買い推奨です。
食べ方はアサリやハマグリと同様に味噌汁や吸物、酒蒸しやワイン蒸しが定番ですが、イタリア料理ならやはりパスタがお勧め。
貝のパスタって貝の出汁をパスタが吸って小麦の風味と合わさったのを味わうところが旨いんですが、平アサリはこれに加え貝殻が大きいのでいつもの皿に盛ると迫力があって見栄えがします。
貝のパスタにもう一種類具材を加えるなら、ブロッコリーや菜の花などアブラナ科の春野菜がよく合いますよね。
今日のはケールという結球しないキャベツの仲間の花芽=花ケール。
日本では生鮮野菜としてはあまり知名度がないですが、青汁の原料とかプチヴェールの原種(プチヴェールとはケールと芽キャベツの交配品種です)としてならそこそこ知られているかも。
菜の花やチーメディラパ(蕪の花芽でオレキエッテのソースで知られるイタリア野菜)にも似ていますがそれもそのはず、キャベツも菜の花もカブもみんなアブラナ科なんです。
ケールはトスカーナ風煮込みなどに使うカーヴォロネロ=黒キャベツの近似種で、イタリアではこれらを区別せず同じ呼称で呼びます。
ほのかな苦みがあってオイルソースや貝の出汁とよく合います。
こちらも市場であまり見かけないので見つけたら即買いがお勧めです。
パスタの他にもフリットなんかで美味しい素材です。
さて、季節はまさに春から初夏へと変わって行こうとしていますよね。
もう少しすると湿度が高くなって蒸し暑くなってきますので春レシピもそろそろ食べ納めです。
往く春を惜しむなら気候が清々しい今のうちですよ。
Ingredienti (per 2 persone)
リングイネ | 250g | ||
平あさり | 6個 | ||
花ケール | 1束 | ||
にんにく | 1片 | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
白ワイン | 大さじ4 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
パスタの茹で汁 | 大さじ2杯 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
※パスタの茹で汁もソースの材料に記載するようにしました
Preparazione
平アサリは海水程度の塩水に浸して蓋で暗くして砂抜きをします。砂抜き後は流水で殻をこすり合わせて洗い、ザルに上げておきます。
旬の時期の二枚貝は栄養がすべて身を太らせるために使われ、殻が割れやすくなっているので、扱いに注意します。
にんにくはスライス、花ケールは食べやすい長さに切り分けます。
フライパンにオイルとにんにくを加え弱火で香りを出します。
隣で深鍋に湯を沸かしパスタを茹で始めます。
フライパンに平アサリをそっと置き入れ、ワインを注いでから蓋をして蒸し煮にして貝を開けさせます。
貝が開いたら身が硬くならないよう(パスタをソースと絡める際も邪魔になるので)一旦取り出しておきます。
パスタの茹で汁をレードルで二杯加え、フライパンを小刻みに揺すってソースをとろりと乳化させます。
表示より短めに茹でたパスタをフライパンに移し入れ、ソースの旨みをパスタに吸わせながらマンテカーレし、塩胡椒で味を調整します。
取り出しておいた貝をフライパンに戻してさっとあおります。
皿に盛って胡椒を挽きオリーブオイルをまわしかければ出来上がり。
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