2018年4月1日日曜日
Frittata Primaverile con Erbe Selvatiche 山独活のフリッタータ
イタリア野菜は総じて苦味のあるものが多く山うどのような春の山菜はイタリア料理との相性も抜群です。
春の味覚を代表する山菜が本格的に出回り始めていますね。
ふきのとうにタラの芽、こごみに蕨にぜんまい、そして山うどあたりはスーパーの店頭でもよく目にするわりとおなじみの山菜。
山菜とは本来は山野に自生しているから山菜なんですが、流通しているものは当然ながら天然ものは皆無で大半が栽培ものです。
でも、栽培もののいいところはハウスなどで温暖に育てればかなり早い時期に収穫して市場に出すことができるという点です。
野生の山菜が芽吹くのはだいたいゴールデンウィークの頃で、それだと春というよりもはや初夏ですもんねぇ。
それでなくても飲食店やスーパーはひと足早く季節を先取りするもの。
消費者側も季節が巡れば旬のものは早く食べたいねって話になるので、こうしたニーズに生産者が応えているわけです。
山菜の苦味は油と相性がいいので天ぷらなどで美味しいんですが、春は卵料理が美味しい季節でもあるので、オムレツや卵焼き、卵とじなども捨てがたいところ。
この、春が卵料理の季節というのは、ふわふわした見た目のイメージもありますが一年中流通している卵にも一応の旬があって、野生の状態で鶏が卵を産むのが春だから卵の旬=春なんだそうです。
春の卵は他の季節のものより味も良く栄養価も高いそうですよ。
そして卵にちなんだ春のイベントといえば復活祭=イースター。
カラフルな絵柄が描かれたイースターエッグや卵料理でお祝いします。
イースターとはどんな祝日かというと、キリストが十字架にかけられて一度は死に、三日後に甦った=復活したことを祝う日。
卵の殻を割ってヒナが孵る様子がキリストの復活を連想させることから卵が復活の象徴とされているのです。
かつては復活祭を迎える前の数十日間は肉や乳製品の摂取が禁じられ、解禁となる復活祭当日は豪華な食事でお祝いしたそうですが、もちろん復活の象徴である卵料理も必ず出されます。
さて、イタリアで卵料理の定番といえばフリッタータ。
よくイタリア風のオムレツなどと言われますが、いわゆるオムレツとはだいぶ趣が違って、半熟のふわとろとは真逆でずっしりと焼き固まった重厚な卵焼きのような料理。
フランス風のオムレツはソースが添えられますが、フリッタータは味がしっかりついてるのでソースは添えません。
また、オムレツは一人ひとつですがフリッタータはもっと大きく焼いてキッシュのように三角形に切り分けて食べるのが一般的です。
イタリア野菜は苦味のあるものが多いため、同じく苦味のある日本の春の山菜はそもそもイタリア料理と相性がいいんですね。
春のフリッタータで定番の具材はアスパラ、フィノキエット(フェンネルの白い株元)、カルチョーフィ(アーティチョーク)などでいずれも苦味があるのが特徴。
日本の山うどで作っても全く違和感がなく、とてもイタリアっぽい味に仕上がります。
Ingredienti (per una Frittata di 20cm di Diametro)
卵(大玉) | 6個 | ||
にんにく | 1/2個 | ||
山ウド | 1/2本 | ||
新玉ねぎ | 中1/2個 | ||
牛乳 | 1/2カップ | ||
パルミジャーノ | 大さじ2 | ||
オリーブオイル | 大さじ2 | ||
塩 | 小さじ1/2 | ||
黒胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
※8インチのスキレットでちょうどいい分量です
Preparazione
にんにくは包丁の腹で潰し、新玉ねぎは縦にスライスします。山うどは穂先をひと口サイズに切り分け産毛を包丁の背でしごき取り、白い茎は皮を剥き薄い短冊状に切り揃えます。
卵をボウルに割り入れ空気を含ませるようにかき混ぜてパルミジャーノと牛乳を加え、塩胡椒でしっかり下味をつけておきます。
8インチのスキレットを中火にかけプレヒートします。
煙が立ち上るようになったら水を数滴垂らしてみて、ころころと水玉ができてはじくようになれば十分にプレヒートできています。
次に油返しです、たっぷりのサラダ油を注いで内面全体に行きわたらせてからオイルポットに戻します。
弱火にしてオリーブオイルをしき、にんにく、玉ねぎ、山うどを加えてさっとソテーします。
にんにくは取り出し、卵液を注ぎ入れてかき混ぜ、スキレットカバーで蓋をしてじっくり焼いていきます。
10分ほど焼いて表面の液状が固まってきたら裏返します。
平皿を上に被せてひっくり返し皿から滑らせるようにしてスキレットに戻し入れて反対側を3分ほど焼けば出来上がり。
少し冷ましてからタルトのように三角形に切り分けていただきます。
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