2018年4月7日土曜日
Asparagi Bianchi Gratinati ホワイトアスパラガスのグラティナーティ
定番は茹でて卵のソースを添えたバッサーノ風ですが、焦げたバターやチーズが食欲をそそるこちらも相当にイタリアっぽい一皿です。
地面からにょきにょき出てくる姿が生命力に満ち溢れ、芽吹きの季節を象徴する春野菜の代表アスパラガス。
土に蒔いた種から発芽するのかと思いきや、実は土中深く埋まっている地下茎から芽が出て、それが伸びてきて地上に顔を出すんです。
そういえば筍やワラビ、山うど、フキノトウ、つくしなどもそう。
春に地面から出てくる山菜はこのタイプが多いんですね。
筍の場合はそれこそ竹林を探せば見つかりますが、他の山菜はというと昨日まで何もなかったようなところにひょっこり現れ、見つけたときはもう大きくなり過ぎてるなど、なかなか食べ頃のものをタイミングよく採取するのが難しいんですよね。
でも地下茎から芽が出る=毎年同じ場所に群生するということなので、あらかじめ場所や条件を知っていれば効率的に山菜採りができます。
例えば一晩中雨が降って明け方には止み朝から晴れて暖かいなんて日は陽当たりの良い川原の土手などにワラビがぽんぽん生えてきます。
それこそムーミンに登場するニョロニョロみたいに、そこらじゅうから生えてきて分刻みでどんどん伸びていく様はなかなか圧巻ですよ。
アスパラガスも野生種のセルバティコはワラビに似てひょろっと細長くイタリアでも山菜採りの対象として定番ですが、それを野菜向けに改良したのが私たちもよく知るグリーンアスパラ。
自然の状態では太陽光を浴びて葉緑素の働きで緑色に色づきます。
一方で、芽が出る頃に土を盛って人工的に遮光し軟白に栽培したものがビアンキ=ホワイトアスパラガス。
つまりグリーンアスパラとホワイトアスパラでは栽培方法が違うだけでもとは同じ品種なんです。
ただ、ホワイトアスパラは手間がかかるうえに傷つきやすく、少しでも陽に当たると発色し商品価値がなくなるなど取扱いにも気を使うため、一般的にはグリーンアスパラに比べるとかなりの高級品。
本場イタリアで最高級品とされているのがバッサーノデルグラッパ産でイタリア国内で唯一DOPに指定されています。
日本だと地元産の高級食材が全部築地に行ってしまって地元でほとんど消費されないなんてことも珍しくないですが、イタリアの場合はむしろ逆で、その季節にその地に行かないと味わえないものが結構あります。
バッサーノ産のホワイトアスパラもそうで、晩春になるとこれ目当てで多くの旅行者がこの地を訪れます。
前菜やパスタはもちろん、メイン料理だってホワイトアスパラ。
太くて立派なのを二本ぐらい茹でて平皿に乗せ、半熟の茹で卵を崩してヴィネガーとオリーブオイルで和えたタルタル風のソースを添えたのが有名なホワイトアスパラガスのバッサーノ風です。
さて、酸味がきいてさっぱりしたバッサーノ風ももちろん美味ですが、茹でたてのアスパラに溶かしバターが染み込み溶けたチーズが絡みつくグラティナーティも相当イタリアっぽい一品。
ホワイトアスパラには白ワインが定石ですが赤ワインがお好きな方はむしろこちらの方がお気に召すのではないでしょうか。
今日はこれだけですがここにポーチドエッグでも添えてあれば完璧。
半熟の黄身を割って、アスパラに絡めながら食べるのが至福の食べ方です。
Ingredienti (per 2 persone)
ホワイトアスパラガス | 4本 | ||
バター | 20g | ||
パルミジャーノ | 適量 | ||
レモン | 1/4個 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
ホワイトアスパラは先端から長さを揃えて下の硬い部分を切り落とし、穂先の少し下から皮を剥いて真ん中で二等分に切り分けます。グリーンアスパラよりも皮が硬いので剥く範囲が大きくなります。
深鍋に湯を沸かして塩を少々加え、まずホワイトアスパラの茎の方から8分ほど茹で、続いて穂先側も湯に落としてさらに6分茹でます。
剥いた皮や切り落とした下の硬い部分も風味づけのために一緒に茹で、茹で上がりのタイミングはその硬い部分をかじって判断します。
余熱で火が入ることも考慮し筋っぽさがなくなってアルデンテの硬さになったら火を止めます。
すぐに取り出すと苦みが出るのでそのまま鍋ごと粗熱を取ります。
ソースパンで溶かしバターを作ります。
耐熱皿に茹でたホワイトアスパラを並べて温かいうちに塩胡椒をふり、溶かしバターをまんべんなく絡めてパルミジャーノを削りかけ、天火で香ばしく炙ります。
オーブンなら180℃で15分、オーブントースターで5~6分が目安。
バターがふつふつとしてきてパルミジャーノが溶け、香ばしい焦げ目がつけば焼き上がり。
オーブンから取り出してもう一度パルミジャーノを削りかけます。
仕上げに軽くレモンを搾りかければ出来上がり。
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