2019年6月15日土曜日
Sarde alla Marinara 入梅鰯のマリナーラ
ピッツァを焼いてるときのような食欲をそそる匂いが家中に漂うので、待ちきれずに匂いだけでワインが何杯か飲めちゃうという一品です。
関東が梅雨入りして一週間が経ちました。
今年は6月7日に東海から東北南部にかけて梅雨入りしました。
近畿や中国四国、九州がまだ梅雨入りしてないため先に関東や南東北が梅雨入りし、さらに今日は東北北部までも梅雨入りしたと発表があり、これは45年ぶりのことだとかニュースでやっていました。
梅雨とは、夏の太平洋高気圧と冬のオホーツク海高気圧との間にできた気圧の谷が梅雨前線となり、日本列島付近に停滞する気象現象。
初夏の頃にこのような気圧配置が現れ何日か雨が続くと見込まれると、それをきっかけに気象庁が梅雨入り宣言を出します。
梅雨の期間は例年6月上旬から7月下旬までの約40日間。
意外と長いんですよねぇ。
じめじめして鬱陶しいし洗濯ものも乾かない、通勤や通学も大変なので梅雨が好きという人はなかなかいないと思います。
でも雨季は農作物などの成育にはなくてはならないですし、空梅雨だと夏の間に水不足になったり、逆に異常気象を誘発して季節外れの時期に大雨が降って災害をもたらすなど生活への影響もあります。
もう6月も半ばだし西日本もそろそろ梅雨に入らないといけませんね。
入梅直後の時期は通常はまだ北の高気圧が勢力を保っていて前線を南に押し下げたり消滅させたりということを繰り返します。
つまり、最初のうちは案外からっと晴れる日が多いわけです。
よく、梅雨の中休みなどと言いますが、中休みどころか梅雨入り宣言がフライングだったんじゃないかと思うぐらい良い天気が続き、本格的な梅雨はむしろ7月に入ってから。
お出かけするなら6月中に予定を組む方がいいわけです。
ところが今年はめずらしく入梅直後から結構な量の雨が続いています。
今日も東京はがっつり降っていて土曜日なのに外出には不向きな一日。
こんな日は家で美味しいワインのつまみでも作ってるのがいいですね。
さて、今日の食材は入梅イワシ。
梅雨の時期に獲れる主にマイワシのことをこう呼びます。
イワシの旬には諸説あって、サンマやカツオなど他の青背の魚と同様に秋にはしっとりと脂が乗って間違いなく美味しくなります。
そして水温が緩んで食欲が増し活発に餌をとる春から夏も美味。
さらにマイワシは群れによって繁殖期が異なると言われていて、産卵を控えた時期の群れに当たると真冬など本来は旬とされていない時期でも丸々と太った美味しいイワシに出会うこともあります。
そんななか季節を表す言葉を冠した呼称はこの入梅イワシだけなので、この時期のイワシがいかに別格かというのがわかりますよね。
昔から季節感を大切にしてきた日本では、入梅イワシのほかにも桜鯛や初鰹、土用しじみ、戻り鰹に寒ブリといった、旬の時期を表す呼び方を好んで使ってきました。
そして、入梅イワシの場合は厳密には季節だけでなく産地も限定され、梅雨の時期に千葉の銚子港で水揚げされたマイワシを指します。
銚子沖ではちょうど梅雨のこの時期に北からの親潮と南からの黒潮とがぶつかり合い、さらに利根川から栄養豊富な清流が流れ込んで餌となるプランクトンがよく育つため、この時期にここで獲れるイワシは丸々と太って脂がのり、特別な呼称で呼ばれるようになったわけです。
もちろんイワシはイタリア料理でもおなじみの食材だけあってにんにくやオリーブオイルとの相性も抜群です。
このブログでもマイワシの記事はこれで14回目。
同じくイタリアンではおなじみのタコやアサリ、ヤリイカよりも多く、なんと魚介類では最多となりました。
季節では初夏の入梅イワシが4回、秋のイワシが5回。
料理別ではマリネが7回と圧倒的です。
どんだけイワシ好きマリネ好きなのかって話ですよね。笑
今日はそんなイワシを地中海の香りのトマトソースで覆ってオーブンで香ばしく焼いたマリナーラ。
まるでピッツァが焼けるときのような匂いがたまらなくて、待ちきれず匂いだけでワインが何杯か飲めちゃうという嬉しい一品です。
Ingredienti (per 2 persone)
マイワシ(大) | 4尾 | ||
粗塩 | 大さじ4 | ||
にんにく | 2片 | ||
白ワイン | 大さじ1 | ||
ローリエ | 1枚 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
ホールトマト | 1缶 | ||
塩漬けケイパー | 大さじ2 | ||
乾燥オレガノ | 2枝 | ||
オリーブオイル | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
イワシは頭を落とし、手開きではなく包丁を使って三枚におろし、両面にたっぷりの粗塩をふってしばらく置きます。塩の浸透圧でイワシから水分が出ますが魚臭さも一緒に抜けます。
イワシを流水で洗い流してから水気をふきとります。
マリナーラソースを用意します。
深鍋にオリ-ブオイルをしいて包丁の腹で潰したにんにくを置き入れ、弱火にかけてにんにくの香りが立ってきたら白ワイン、ホールトマト、ローリエを加えて少々煮込みます。
途中で、ぬるま湯に漬けて塩抜きしたケイパーと乾燥オレガノも加え、塩胡椒で味を調えます。
オーブンを200℃で余熱しておきます。
耐熱皿にオリーブオイルを薄く塗ってイワシを並べます。
マリナーラソースで覆ってオーブンで15分ほど焼けば出来上がり。
イワシが大きいのでナイフとフォークで切り分けながら召し上がれ。
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