2015年4月18日土曜日

Sarde a Beccafico alla Palermitana 鰯のベッカフィーコ パレルモ風

開いたマイワシにリピエーノ=詰物を乗せてくるっと巻いてオーブンで香ばしく焼いた、シチリア伝統のイワシ料理ベッカフィーコ。
パン粉のかりっとした食感とたっぷり搾りかけたレモンの爽やかな酸味が食欲をそそる、前菜にぴったりの一品です。

ベッカフィーコとはヨーロッパに分布する野生の小鳥の名前。
イワシの尾がぴんと立った姿を、その小鳥の姿に見立てた料理です。
キャセロールにずらりと並べると、電線にスズメが並んでとまっているみたいで、なんだか微笑ましくなりますね。笑

日本もイタリアもそうですが、イワシのような青魚は白身の魚と比べて一枚も二枚も格下扱いされる庶民の食材。
大量に漁獲されるのと、青魚特有の安っぽい食味が品に欠けるイメージがあるからでしょうかねぇ。(そこが美味しいのにねぇ...)
このイワシのベッカフィーコも典型的な庶民の料理、安い青魚の臭みを上手に消して美味しく食べられるよう、リピエーノを詰めて香りの強いローリエを挟んでオーブンで焼いています。
フィノキエット(フェンネル)で徹底的に青魚の臭みを消したシチリアの名物パスタよりもイワシ本来の味がして日本人好みかも。

リピエーノの中身は主にパン粉とにんにく、そしていかにもシチリア的なのが "ピノーリ エ パッソリーナ"、つまり松の実とレーズン。
パセリやケイパー、砕いたアーモンドなどを混ぜてもいいですね。
プロのシェフならあえてペコリーノなどのチーズを隠し味で混ぜることもしますが、イタリアでは一般的に魚介とチーズを一緒に調理するのは非常識とされているので、家庭料理ではまず入れないでしょうねぇ。

ベッカフィーコは実はシチリア島内でも東西でレシピが違います。
東のカターニャ風は2尾のイワシでリピエーノをサンドして焼くので、ワンピースがちょっと大きく、ナイフとフォークが必要になります。
一方、くるっと巻くのがパレルモ風で、小鳥がちょこんととまっているように見えるのはこちらの方。
指でつまんでひと口かふた口で食べるフィンガーフードとして、ホームパーティーのアンティパストのひとつに加えると食卓が小鳥でいっぱいになって賑やかになりますよ。笑

さて、今日はリピエーノが余ったのでイワシをキャセロールに並べたあとに上からかけて焼いています。
この料理では、わざわざパン粉をかけて焼く必要はとくにないですが、巻く作業のときにどうしてもパン粉がまな板に溢れてイワシの皮目にたくさんつくので、結局はこんな感じになります。笑

焼けたパン粉の香ばしさとかりっとした食感、イワシの旨みとレーズンの甘みがなんともエキゾティックでシチリアらしい一品。
冷えた白ワインが確実に止まらなくなりますよ。


Ingredienti (per 4 persone)

マイワシ10尾
パン粉100g
にんにく1片
松の実大さじ2
レーズン大さじ2
レモン1個
オリーブオイル適量
ローリエ8枚
塩胡椒適量


Preparazione

イワシはウロコがついていればとって、頭を落として腹を包丁で開き、ワタと中骨を取り除いて洗い、塩で軽く下味をつけます。
にんにくはみじん切り、レーズンはぬるま湯につけて戻します。
レモンはスライス2枚を4等分にし、残りは搾ってレモン汁にします。

パン粉をフライパンで焼き色がつくまで炒ってからボウルに移し、粗熱がとれたら、にんにく、レーズン、松の実、塩胡椒を加えてさっくりと混ぜ合わせ、オリーブオイルを少しづつ足してしっとりしたリピエーノを作ります。

まな板にイワシを皮目を下にして置き、腹のあたりにリピエーノを少量乗せて腹側から尾の方に向かってくるっと巻き楊枝で止めます。
キャセロールに薄くオイルを塗り、巻いたイワシをなるべく隙間がないように並べて、間にレモンとローリエを挟み込みます。

リピエーノが余っていたら上からかけて、レモン汁、オリーブオイル、塩胡椒を混ぜ合わせたものをまわしかけ、200℃のオーブンで15分ほど焼けば出来上がり。
熱々はもちろん、冷めても美味しいですよ。

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