2016年11月19日土曜日

Pappardelle al Ragu di Funghi Misti 三種のきのこのラグー パッパルデッレ

ざくざく刻んで丼に山盛り二杯ほどにもなった三種のきのこを真っ黒になるまでソフリットして、ワインや香味野菜とともにじっくり煮込んだきのこづくしのラグーのパスタ。
肉なんて入っていないのにまるでミートソースのような味にびっくり、芳醇なきのこがこれでもかと薫る晩秋のスペシャリテです。

秋が深まってくると北イタリアが美味しいもので満ち溢れます。
ノヴェッロと呼ばれる新ワインや新オリーブオイルができてきますし、森からの贈り物である木の実、果物、ジビエ、トリュフやポルチーニといったきのこ達が賑やかさを増してきます。
なかでもきのこは洋の東西を問わず秋の味覚の代表、日本では鍋ものに欠かせないし、天ぷらにしても旨いし、網焼きにして醤油をたらしたりすると確実に日本酒が止まらなくなりますよねぇ。

イタリアでわりと一般的なきのこ、例えばポルチーニ(ヤマドリダケ)やフィンフェルリ(アンズタケ、ジロール茸)、キオディーニ(ナラタケ)、オヴォリ(タマゴタケ)などはほぼ全部天然ものなので文字通り秋の恵みなんですね。
日本だと天然きのこは身近に市販してないし、自分で採りに行こうにも食用きのこによく似た毒きのこもあり素人採取はリスクを伴います。
それに野生のものは汚れていたり虫がついていたりするので、下処理やアク抜きだって知識がないとできないし、いろいろ大変です。
安全で清潔で便利な栽培きのこは自然が育んだ秋の味覚ではないけど、それでも秋には普段あまり見ないような種類のきのこも店頭を賑わせるので、いろんなきのこを味わうならやっぱり秋なんですよね。

さて、きのこは出汁がよく出る食材ですが結構水分を含んでいるので、粗く刻んでじっくり水分を飛ばすようにソフリットすると、嵩もぐんと減って旨みが凝縮されます。
これをボロネーゼなどの煮込み料理に少し加えると味に深みと奥行きが出て美味しいんですが、今日はその旨みの素がほぼそのままソース。
単品で使うより何種類か一緒に使う方が相乗効果で美味しくなるので、きのこのラグーでは数種のきのこを(嵩が減るので)大量に使います。
そのため高価なポルチーニなどではなく、国産のフレッシュのきのこで味と香りのタイプが違うものを何種類か使って作るのがお勧めです。
今日はブラウンマッシュルーム、ヒラタケ、舞茸の三種類。
芳醇なきのこの香りと旨みが止まらない一皿ができますよ。

Ingredienti (per 2 persone)

パッパルデッレ(生)350g
ブラウンマッシュルーム3パック
ヒラタケ3パック
マイタケ3パック
にんにく1片
玉ねぎ中2個
にんじん中1/2本
セロリ1/2本
オリーブオイル大さじ5
バター10g
ローリエ1枚
白ワイン大さじ3
塩胡椒適量
パルミジャーノ適量
プレッツェーモロ5枝
パスタの茹で汁レードル2杯

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
※パスタの茹で汁もソースの材料に記載するようにしました

Preparazione

大量のきのこは具材として使う分を好みの大きさに刻みます。
あとはすべて粗みじん切りに、にんにく、玉ねぎ、にんじん、セロリも同じように粗みじん切りにします。

フライパンにオリーブオイルを多めにしいて中火にかけ、まず香味野菜を20分ほどソフリット(炒めるではなく揚げ焼き)していきます。
嵩が減り飴色になったらバットに取り出し、同じフライパンにオイルを足してきのこも同様に最低20分はソフリットします。
途中で白ワインをふり入れフランベし、嵩がぐんと減って炭の燃えかすのように真っ黒になったら一旦火を止めます。

フライパンに香味野菜のソフリットを戻し、ひたひたになる程度の量の水とローリエを加え、蓋をして少々煮込みます。
途中で風味づけにバターを加え、塩胡椒で味を調えます。
パスタを茹でグルテンが十分に溶け出た頃合いの茹で汁をフライパンに加えてソースをのばします。
生パスタなのであまり歯ごたえを残す必要はないですが、フライパンで火を入れていく分早めに上げて、ソースを吸わせながら煮含めます。
もう一度味見をして足りなければ塩を足します。

皿に盛って胡椒を挽きかけ、プレッツェーモロ(イタリアンパセリ)の粗みじん切りを散らしてパルミジャーノを削りかければ出来上がり。

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