2018年9月9日日曜日
Bucatini con Sugo di Pesce Spada alla Messinese メカジキとバジリコのブカティーニ メッシーナ風
見た目はちょっと野暮ったいけどそこがまた南イタリアの港町あたりの食堂のような雰囲気、がつんとカジキの旨みがくる男前な一皿です。
メカジキといえば日本では有名な産地が宮城県は気仙沼。
世界三大漁場のひとつとして知られる三陸沖合い一帯の海域=いわゆる金華山沖が目と鼻の先にある土地柄です。
親潮と黒潮がぶつかり合い、餌となるプランクトンや小魚などが豊富な超一級の漁場は、春に回遊してきたイワシやサバ、カツオなどの群れがひと夏をここで過ごしてしばし居座り、餌をたっぷり食べ丸々と太って東北の夏の食卓を潤してくれます。
小魚の群れを追ってカジキやマグロなどの大型魚も集まってきますし、秋にはサンマもここに下ってきます。
気仙沼は近海に限らず遠洋漁業の重要な基地港で、マグロの延縄漁ではカジキなどもかかることから、いつしかメカジキの水揚げで国内シェア7割超という一大産地に発展。
年間を通じて水揚げがあるメカジキは重要な水産資源となっています。
ただ、日本でどれぐらいメカジキが食べられているかといえば、サケやアジやサバなんかに比べると全然マイナーな存在。
冷凍の切り身などは店頭でもよく見かけるので需要がないわけではないはずなんですが、日常的に食卓にのぼる魚かといえばそうでもなくて、知ってるけどあまり食べない魚のひとつですよね。
定番料理は照焼きやステーキ、ソテー、フライなど。
でも、そのへんもいまいち浸透していないようで食べ方がわからない。
冷凍はともかく生のメカジキは値段もそんなには安くないので、あえて手を出したりしないというのが実情のようです。
気仙沼ではメカジキのすき焼き(メカすき)やカレー(メカカレー)をご当地名物として売り込んでるようです。
まぁ、そういうのもいいんですが、産地と小売の双方で協力しあって、定番のメカジキ料理をもっと知ってもらい、認知度を上げる取り組みをしていくといいかもしれませんね。
一方、イタリアではメカジキはかなりポピュラーな魚。
あちらの食堂ではまず魚の種類を選び、次に焼くか揚げるか、それとも煮るのかの調理法を選んでセコンドを作ってもらうなんて店もあって、選択肢にはマグロやタイやイワシ、タコにイカなど誰もが知ってる魚と並んで大概メカジキもあります。
そしてメカジキといえば有名なのがなんといってもシチリア。
本土カラブリア州とシチリア島を隔てる狭いメッシーナ海峡が漁場で、産卵のために浅場に寄る5月から9月にかけてが漁期となります。
あちらではメカジキの旬は夏なんですね。
シチリアで定番のメカジキ料理はどれも肉料理のような雰囲気。
日本でよく見る小さな切り身の比ではなく、ビステッカみたいにでかい筒切りの切り身を豪快にグリルしたものや小麦粉をまぶしてソテーしてアンチョビやケイパーのソースをかけたもの、オレガノの香りのきいたトマトソースで煮込んだものなんかが人気です。
店先にメカジキの頭部を置いてメカジキありますアピールをする店や、それを見てメカジキお目当で入店していく客もいます。
さて、旨みが強いメカジキはセコンド料理だけでなくパスタ料理向きの食材でもあります。
軽く煮込むとソースに味がしっかり移るため、ソースの旨みをパスタに吸わせて完成するパスタ料理にはもってこいなんですね。
シチリアっぽいメカジキのパスタソースは主に二種類。
トマトソースにするならやはりシチリア風にオレガノをきかせると旨いですし、今日のようなシンプルなオイルソースならソースにケイパーを加えてブカティーニを合わせると、ぐっとシチリアっぽくなります。
今日のパスタはレストランのような見た目の華やかさはないんですが、そこがむしろシチリアの港町の食堂のような雰囲気。
がつんとくるカジキの旨みがたまらない、男前な漁師風の一皿です。
Ingredienti (per 2 persone)
ブカティーニ | 220g | ||
メカジキ | 120g | ||
にんにく | 1片 | ||
トマト | 1/2個 | ||
白ワイン | 1/2カップ | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
バジリコの葉 | 20枚 | ||
塩蔵ケイパー | 大さじ2 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
パスタの茹で汁 | レードル2杯 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
メカジキはひと口サイズにカット、にんにくは芽を取り除きスライス、トマトはさいの目にカットします。塩漬けケイパーはぬるま湯にひたして塩抜きしておきます。
ブカティーニは茹で時間が長いのでパスタを茹でながら作業します。
フライパンを弱火にかけ、たっぷりのオリーブオイルとにんにくを加えじっくりと香りを出します。
メカジキを加えて中火でソテーし、白ワインを注いで強火で飛ばしたら火を弱めてケイパーとトマトも加えます。
パスタの茹で上がりが近くなったら茹で汁をレードルですくって加え、フライパンを小刻みに揺すってソースを乳化させます。
塩胡椒で味を調整し、バジリコの葉を手でちぎって加えます。
パスタを表示より短かめに茹で上げてフライパンに移し入れ、ソースの旨みをパスタに吸わせながらマンテカーレします。
もう一度味を見て足りないようなら塩で調整します。
皿に盛ってヴァージンオイルをさっとまわしかければ出来上がり。
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