2018年9月1日土曜日

Linguine al Pesto di Salvia e Noce セージと胡桃のペストのリングイーネ

バジリコと同じシソ科のセージで作った香り高いペーストをもちもちの釜揚げパスタに絡めた、セージのペストのリングイーネ。
肉料理やバターと相性のいいセージは夏場は出番が少なく蔓延る一方、たっぷり収穫して胡桃と合わせた初秋の香り漂う一皿です。

西洋料理にはハーブをよく使いますが、いつもどうしていますか。
一度にたくさん使うわけでもなく少しあれば事足りるので、そのために毎回買ってくるんでは非効率だし非経済的。
ベランダなどすぐ手の届くところで自家栽培しておくと便利だし、実際そうしているという料理好きの方は多いんじゃないでしょうか。
便利なだけでなく日々の作業を通じ季節を感じられるので一石二鳥。
さらに作業のときに手が葉に触れるので自然と良い香りがあたりに漂い癒し効果で一石三鳥と良いことづくめですよね。

ベランダで毎年ハーブを育てていると、自然といろんなことを学習してそれなりに育て方に詳しくなってくるわけです。
ベランダ活動の開始時期はもちろん春で、冬を越した植物たちの更新と新苗の購入が最初の作業となりますが、まだ肌寒い春先では早過ぎで、ゴールデンウイークもほど近い4月中旬以降が適期。
冬越し組は、鉢から抜いて根詰まりした古根を切って植えなおしたり、育ち過ぎたものは挿し木で株分けしたりしてリフレッシュさせます。
冬を越せないバジリコや、冬を越しても春には董立ちして枯れてしまうプレッツェーモロ=イタリアンパセリなどは新苗を買ってきます。

季節が進むにつれ太陽の高さや強さが変わるので、ポットの置き場所もずっと同じとはいかず適時動かしてあげます。
陽光が好きなバジリコは常に陽当たりがいい場所、暑さや乾燥が苦手なイタリアンパセリは夏は他のハーブの陰になるところや、明るく涼しい室内に移動します。
ローズマリーは成長がゆっくりで水をたくさん吸う樹木の盆栽のよう。
水やりは毎日トレーに溜まるぐらいたっぷりと、さらに夏は朝だけでは足りないので夜も水やりしてあげます。
バジリコも水をたくさん欲しがるタイプで加えて肥料分も大好きなのでチッソ成分(N)が多めの肥料を切らさず与えます。
葉を利用し花芽をつけさせたくないハーブはとにかく窒素多めです。
さらに、害虫や病気が発生したりその兆候はないか、いろんな角度からじっくり観察するベランダパトロールを週に一度は実施します。

ある程度大きくなったり徒長したりするものは摘心といって頂芽を摘み脇芽を増やしてこんもり繁らせます。
オレガノが白い花房をびっしりつけたら、摘心を兼ねて花房をカットし軒先に吊るすなどしておくと極上の自家製ドライオレガノができます。
オレガノだけはフレッシュよりも乾燥ハーブとしての利用が一般的で、ギャバンなどの市販品では葉を乾燥させていますが、本来は葉ではなくより香りの強い花を乾燥させて使うもの。
イタリアではシチリア産の花オレガノが有名ですよね。

さて、セージは地中海原産でシソ科の多年草。
同じシソ科でもバジリコは冬を越せず秋には枯れてしまうため一年草の扱いとなりますが、セージは冬は枯れたように見えても翌春には新芽がぽんぽん出てきてあっというまにこんもり繁ります。
そしてバジリコに負けず劣らず暑さも強烈な太陽光線もへっちゃら。
記録的な猛暑となった今年の夏も、水さえたっぷりやっておけばとくに弱ったりすることもなく元気に成長してくれてました。

日本ではセージは料理本でもあまり使い方が紹介されていなかったりといまいちなじみがないですが、イタリアではローズマリーやタイムなどと並んでよく利用される三大イタリアンハーブのひとつ。
シソ科だけあって香りは強くてスパイシー。
バジリコに香りが似ていなくもないですが、ややかすれた独特の香気がいかにも動物性の脂肪と相性が良さそうなムードを持っています。
豚のミンチと混ぜてソーセージの原料の風味づけに使ったり、ローマ風サルティンボッカトスカーナ風いんげん豆の煮ものに使われるほか、日常的に肉をちょっと焼くときなどに葉を数枚入れたりします。
あとはバターとやたら相性がいいので、溶かしバターにセージの香りを移しただけのソース=ブッロエサルビアは超定番。
ニョッキなどパスタのソースや、肉のソテーに添えたりします。

今日のジェノベーゼに似たペースト仕立てもよく見かける利用法。
バジリコのペストと同じ要領で、にんにく、オリーブオイル、木の実、チーズと混ぜてすり潰して作ります。
味はバジリコのペストと似てますが少し渋めなので、セージだけでなくバジリコの葉も少し加えるとよりまろやかな味に。
ちょっと大人向けのジェノベーゼといった仕上がりです。

Ingredienti (per 2 persone)

リングイーネ220g
黒胡椒適量
パルミジャーノ適量
パスタの茹で汁レードル1杯
per il Pesto
セージ5枝
バジリコ1枝
にんにく1片
胡桃大さじ2
小さじ1
オリーブオイル適量
パルミジャーノ適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

セージのペストを作ります。
ざっくり刻んだにんにくと砕いた胡桃をすり鉢で潰して、手でちぎったセージとバジリコの葉、オリーブオイル、塩も加えてすり潰します。
たくさん作って瓶詰保存等する場合はこのまま、食べきってしまうならパルミジャーノも加えます。

深鍋に湯を沸かして塩を加え、パスタを入れて茹でます。
途中、茹で汁をレードルですくってボウルかフライパンに加え、粗熱をとってからペストを加えて混ぜてソースをのばします。
表示よりやや短めにパスタを鍋から上げて湯切りしペストに絡めます。

皿に盛ってセージと胡桃を飾り、黒胡椒を挽いてパルミジャーノを削りかければ出来上がり。

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