2016年9月24日土曜日
Gnocchi di Castagne al Burro e Salvia 栗のニョッキ バターとセージのソース
セージの香りを移したバターにフォンティーナチーズを溶かし込んだ、北イタリアらしい芳醇なソースでいただく秋のスペシャリテです。
夏の暑さがピークの時期にふと秋を感じるなんてこともそうそうないと思いますが、梅雨が明けていよいよ夏本番という頃にもう緑の若いイガを膨らませ始める栗は早い時期から秋を意識させてくれます。
8月に入るとすぐに立秋を迎えるので暑いさなかでも暦の上では秋。
自然界の植物の多くは、気温ではなく日照時間の変化で季節の移ろいを感じとるため、早くから秋を迎える準備を始めているんですねぇ。
そんな秋を感じさせてくれる栗ですが、なんとなく果物として扱われることが多いかと思いますが、食品分類上は種実類、つまり木の実。
でも木の実(=ナッツ)というと乾き物のおつまみや製菓材料コーナーにあるアーモンドやピスタチオのイメージが強く、マカダミアナッツやカシューナッツは南国産だったりと季節感はとくにないですよね。
木の実が秋の味覚という感覚はやはり森で狩りをし森とともに暮らしてきた西洋ならではのもので、地面に落ちた栗や胡桃やヘーゼルナッツはまさしく森からの秋の贈り物として映ったわけです。
一方、日本人は里に暮らし畑を耕して暮らしてきた農耕民族。
自分たちが育て収穫した米や野菜などの農作物こそが秋の恵みであり、危険を冒してまで森に木の実を拾いにいく必要はなかったんですね。
さて、イタリアは世界でも有数の栗の生産国でヨーロッパ地域では最大。
カルダッロステ(焼き栗)の屋台が街に並びノヴェッロ(新ワイン)と一緒に味わう光景はイタリア中で見られる秋の風物詩です。
栗のニョッキは栗の粉末を生地に練り込んで作ったりもしますが、生栗をカルダッロステのように煎って粗漉しにしたものを使う方が美味しくできるに決まってます。
栗のほくほく感も深煎りローストの香ばしさも全部生地に練り込んだ、食べるほどに秋を感じる渾身の一皿です。
Ingredienti (per 2 persone)
per gli Gnocchi | |||
栗(大粒の利平など) | 10粒 | ||
じゃがいも | 中1個 | ||
強力粉 | 100g | ||
卵 | 1個 | ||
塩 | 小さじ1 | ||
ぬるま湯 | 100ml | ||
per Condire | |||
バター | 100g | ||
セージ | 2枝 | ||
フォンティーナチーズ | 20g | ||
にんにく | ごく少量 | ||
塩胡椒 | 適量 | ||
パスタの茹で汁 | レードル1杯 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
※パスタの茹で汁もソースの材料に記載するようにしました
Preparazione
栗は濡れ布巾などで汚れを拭き取り、包丁の根元で切れ目を入れます。ダッチオーブンか蓋のできる鉄製のスキレットをよく熱し、栗を入れて始めは強火で、蒸気が上がってきたら火を弱めて、途中で鍋をがらがらと何度か振りながら20分ほど焼きます。
粗熱がとれたら皮を剥きますが、鬼皮(外側の硬い殻)はともかく渋皮が剥きづらい場合はスプーンでほじって実をとり出します。
仕上げに散らす分は粗く刻み、それ以外はザルなどで粗漉しにします。
じゃがいもを皮ごと茹でて、熱いうちに皮を剥いて粗漉しにします。
ボウルに栗とじゃがいも、強力粉、卵、塩を入れ、ぬるま湯を少しづつ加えながら手で練っていきます。
生地がまとまってきたら、まな板に打ち粉をして千歳飴のように棒状に成形し、包丁で等幅にカットしていきます。
フライパンを中火にかけてバターを溶かし、セージの葉を加えます。
セージがかりかりになったら飾りに使う分だけを取り出し、弱火にしてにんにくのみじん切りを加えます。
深鍋に湯を沸かして、ニョッキをくっつかないように少しづつ投入し、茹で汁をフライパンに加えて小刻みに揺すってソースを乳化させてから塩胡椒で味を調えます。
ニョッキが浮いてきたら穴あきレードルですくってフライパンに移し、ソースを吸わせながらマンテカーレします。
火を止めて削ったチーズを加えて溶かし、ニョッキに絡めます。
皿に盛って黒胡椒を挽き、セージのソフリットを乗せて粗く刻んだ栗のローストを散らせば出来上がり。
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