2017年4月8日土曜日
Saltimbocca alla Romana Arrotolati 前菜仕立てのサルティンボッカ アロトラーティ
セージの葉はバターでかりかりにソフリットして肉の周りにも添えて、そのセージの香りの移ったバターをソースにしていただきます。
サルティンボッカとはイタリア語で口に飛び込むという意味。
ネーミングの由来は美味しすぎるからというのはもちろんなんですが、そのほかに調理が簡単ですぐに出来るから=つまり作り始めてから口に飛び込むまでの時間が短いという意味合いもあるそうです。
仔牛のフィレ肉などを叩いて薄くのばし、セージの葉と生ハムを重ねて小麦粉をはたいて両面をソテーするだけ。
かたまり肉を時間をかけて調理することが多いイタリアでは、火の通りが早いサルティンボッカは手軽な時短レシピなんですね。
ただ、食べるときにナイフとフォークでいちいち切り分けたりしてるとぽんぽん口に飛び込んでくるという感じはあまりしないかも。
その点今日みたいにくるっと巻いてひと口サイズに切り分けたものは、セコンドというよりアンティパスト向きで、ワインのつまみにちょうどいいしネーミングの通りに口に飛び込んできます。
Saltimbocca Arrotolati(もしくはRotolo)と呼ばれるスタイルです。
ところでサルティンボッカは肉に生ハムを重ねているところがちょっとあの料理にも似てますよね。
あの料理とはシャトーブリアンにフォアグラとトリュフを重ねて焼いたトゥールヌドロッシーニ(ロッシーニ風フィレステーキ)のこと。
高級食材ばかりの贅沢な組合せですが、お好きな方には申し訳ないけど成金趣味といった感じであまりセンスがいいとは言えないし、それぞれの素材の主張が強すぎて相性云々以前に味が喧嘩しちゃっているという残念でもったいない料理。
これを考えたのはオペラ作曲家のジョアキーノロッシーニ。
イタリア生まれのフランス人で晩年は美食家としても名を馳せました。
この方の創作料理なのでロッシーニはイタリアンでもフレンチでもないわけですが、発想はどちらかといえばフレンチに近いですよね。
伝統的なイタリア料理は素材そのものの味を活かしたシンプルな料理が多いですし、そういうところは和食にも通じるものがあります。
ロッシーニを日本の食べもので例えるなら、大トロの上にウニと松茸を乗っけて食べるようなもの、別々に食べれば各々とびきり美味しいのに味が混ざってせっかくの素晴らしい素材が台無しですよね。
さて、散々ダメ出しをしたところで、肉に肉(生ハム)を乗っけているサルティンボッカの場合はどうなのかって話ですが、塩気の強い生ハムは実は調味料代わり。
仔牛など淡白であっさりした肉と合わせることでちゃんと協調するし、塩気に加えて生ハムのコクと熟成味で料理の味に奥行きがでます。
こういう食材の使い方はいかにもイタリア料理らしいところ。
生ハムのほかにもチーズやアンチョビなどもよく調味料の代わりとして使ったりします。
サルティンボッカに合わせるワインはもちろんフラスカーティセッコ。
ローマでは安価で飲みやすいデイリーワインとしても定番です。
Ingredienti (per 4 persone)
牛もも肉 | 200g | ||
生ハム | 2枚 | ||
セージ | 5枝 | ||
小麦粉 | 適量 | ||
オリーブオイル | 適量 | ||
白ワイン | 1/2カップ | ||
バター | 30g | ||
レモン汁 | 大さじ1 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
肉は50g程度づつ4枚に厚くスライスします。これをラップではさんで肉たたきで叩いて薄くのばします。
薄くのばした肉に軽く塩胡椒で下味をつけ、セージの葉を数枚づつ乗せさらに生ハムを重ね、くるりとロール状に巻いて楊枝でとめます。
フライパンにオリーブオイルをしいて火にかけます。
巻いた肉に小麦粉をつけてはたき、かりっとソテーしていきます。
白ワインを加えて強火でアルコールを飛ばせば肉は出来上がり。
ソースはフライパンに残った肉の旨みをそのまま使ってもいいですが、今日は別のフライパンで澄んだソースを作ります。
弱火でバターを溶かしてセージをかりかりにソテーし、セージが焦げる前に取り出して塩胡椒をふっておきます。
フライパンに残ったバターソースにレモン汁を加えてしばらく煮詰め、塩胡椒で味をつけます。
ソテーした肉のロールをひと口サイズにスライスして皿に盛ります。
肉のまわりにかりかりセージを添え、ソースをスプーンで適当にまわしかければ出来上がり。
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