2017年4月15日土曜日
Asparagi alla Milanese グリーンアスパラのミラノ風
日本と違って旬のものがその季節にしか市場に並ばないイタリアでは、この時期は日替りでいろんなアスパラ料理が食卓を賑わせます。
春に地面からにょきにょきと力強く出てくる姿が生命力に満ちあふれ、芽吹きの季節を実感させてくれる春野菜の代表アスパラガス。
その成長力たるや1日に数cmも伸びるというから驚きです。
アスパラは地中海原産のれっきとしたイタリア野菜で、かつて日本ではアスパラガスといえば舶来品の高価なホワイトアスパラガスの缶詰めを指していた時代もありました。
もちろん今では生鮮野菜としてすっかりおなじみですね。
日本では大概の野菜は一年中手に入ります。
アスパラもそれは同じで、南北に長い日本列島の気候差をうまく利用し季節ごとに産地をずらしながら仕入れをしたり、ハウス栽培されたものや輸入ものを交えたりしながら、いつでも新鮮な野菜が店頭に並ぶよう高度な流通システムができあがっているためです。
主に冬場に出回っているのがメキシコやオーストラリアからの輸入品、そしてまだ肌寒い早春の頃から佐賀県など温暖な九州各地の国産ものが混じりはじめ、暖かくなるにつれ本州各地でも出荷が始まり秋口までは国産品を中心に流通します。
アスパラに限らず通年目にする野菜のほとんどがこのようにグローバルに取引され、私たちは一年中いつでも切れ目なくそれらを買って食べることができているわけです。
消費者にとっては便利でこのうえないですし、もちろん生産者や小売や外食産業などにとっても好都合、そんなウィンウィンの流通システムを構築している日本という国の素晴らしさに改めて脱帽です。
ただ、便利になればなるほど季節感が薄れてしまうのが残念ですけど。
その点、イタリアでは市場で売られているのはその季節のものなので、アスパラが家庭の食卓にのぼるのは春の限られた期間だけ。
この時期しか食べられないとなれば、手を替え品を替えいろんな料理に仕立てたアスパラが日替りメニューのように頻繁に登場するわけです。
このブログでもホワイトアスパラのバッサーノ風や、グリーンアスパラではグラティナータ、リゾット、ヴァポーレ、インパデッラ、先々週のフリッタータなど数々の定番レシピを作ってきました。
でもいちばんシンプルなのはこの目玉焼きが乗ったミラノ風かも。
サフランを使ったミラノ風リゾットや黄金色に揚げたミラノ風カツレツなどゴールドカラーを纏った料理のことを、経済的に豊かなミラノ風の料理という意味でそう呼びます。
このアスパラの場合はどのへんがミラノ風なのかというと、目玉焼きの半熟の黄身を割り崩してアスパラに絡めながら食べるところが黄金色をイメージするから。
もしくは目玉焼きをステーキなどに乗せて食べるのを好んだドイツ帝国創建の父の名をとってビスマルク風とも呼ばれています。
さて、ご存知のとおりアスパラの脇に添えるものの定番といえば卵。
ミラノ風でなくても黄金の組合せと言われるほど相性抜群、上に挙げたすべてのアスパラ料理に卵が使われています。笑
参考までにそちらも是非、リンクを辿ってみてください。
Ingredienti (per 2 persone)
グリーンアスパラ | 1束 | ||
バター | 20g | ||
卵 | 1個 | ||
パルミジャーノ | 適量 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
アスパラは根元の硬い部分を切り落とします。真ん中あたりを左手で、下端を右手でつまんでゆっくりくの字に曲げていくとちょうど硬い部分の境目でぽきっと折れます。
全部折ったら長さを揃えて折れ目を包丁で切り揃えます。
下の方は皮が硬いので、1/3ほどピーラーで皮を剥きます。
フライパンで半熟の目玉焼きを作っておきます。
ソースパンにバターを入れて弱火にかけ、溶かしバターを作ります。
アスパラに火を通すには茹でてもローストしてもいいのですが、今日は軽く下茹でしてからグリルパンで焼き目がつくまで焼きました。
熱湯に下の方から浸し、その後全体を投入して1分ほど下茹でします。
熱したグリルパンに乗せて焦げ目がつくまで焼きます。
グリルしたアスパラを皿に並べ温かいうちに塩をふります。
アスパラに溶かしバターをまんべんなく絡めて目玉焼きを乗せ、黒胡椒を挽きパルミジャーノを削りかければ出来上がり。
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