2017年4月22日土曜日
Crema di Piselli グリーンピースの冷製ポタージュ
春といっても晩春のこの時期はときに汗ばむほどの初夏のような陽気、暑ければ冷たくして冷製にしても美味しい春の最終便です。
春爛漫の陽気で露地ものの葉豆類も本格的に出回り始めましたね。
まだ肌寒い早春の頃に旬を迎える菜の花や蕗の薹などを除き、いわゆる山菜類や春野菜の大半はこれぐらい暖かくなってからが本番。
庭やベランダで冬越しした多年性のハーブ類もどんどん芽吹いてきて、清々しい新緑の様相を見せ始めています。
豆類は熟してから収穫して乾燥豆として流通するものと、未熟な状態で収穫して生鮮野菜として出まわるものの二通りがありますが、後者では夏に若獲りする枝豆(大豆)以外はさやいんげんもスナップエンドウもそら豆も、そしてグリーンピースもちょうどみんな今頃、晩春から初夏にかけて旬を迎え、野菜売場をみずみずしいグリーンに染めます。
グリーンピースとは日本でも古くからおなじみのえんどう豆の仲間。
鞘ごと食べる品種群(さやえんどう)がスナップエンドウや絹さやで、中の豆を食べる品種(実えんどう)がうすい豆やグリーンピースです。
えんどう豆は地中海沿岸から中近東あたりが原産とされ、古代エジプトや古代ギリシャで食用に栽培されていたものがインドや中国に拡がり、日本には平安時代の頃に伝わったとされています。
でもグリーンピースってミックスベジタブルのイメージが強いせいか、生鮮ものより冷凍品の方がなじみがありますよね。笑
冷凍品ってひと昔前は不味いものの代名詞みたいなイメージでしたが、最近は美味しいものを美味しいまま冷凍して製品化する技術が飛躍的に向上していて、今の冷凍グリーンピースの品質はかなり秀逸です。
グリーンピースの旬は短いのでいつでもある冷凍品は便利なんですが、この季節限定の生の鞘付きグリーンピースはやはり格別です。
和食ならまず豆ご飯で食べたいですね。
精進料理みたいで地味ですがグリーンピースのほんのり控えめな甘みがなんとも滋味深くて美味しいですよねぇ。
イタリア料理でもちょっと日本の豆ご飯にも似たヴェネト風リゾット= "リージ エ ビージ" なんかが晩春の風物詩になっています。
他にもパスタやフリッタータにしたり、メイン料理の付合せにしたり、シチリアではラグーにグリーンピースを入れるのがお約束で、パスタやサフランライスのコロッケ=アランチーニの具にしたりします。
さて、今日はそんな旬のグリーンピースのスープ仕立て。
軽くソテーした香味野菜(ここでは玉ねぎ)とともに鞘から取り出した豆を軟らかくなるまで煮て、ハンドブレンダーで煮汁ごと撹拌して豆のでんぷん質を活かしてとろみのあるスープ状にし、生クリームを加えて仕上げます。
イタリア語ではポタージュのようなとろみのあるスープをクリーム状のという意味のCrema=クレーマや、ビロードのようになめらかなという意味のVellutata=ベルタータと呼びます。
もちろん単にスープという意味のZuppa=ズッパも使います。
温かいままでも美味しいですが、グリーンピースが出まわる時期はもう初夏のような陽気、暑ければ冷蔵庫で少し冷やして冷製スープにしても美味しいですよ。
Ingredienti (per 2 persone)
鞘付きグリーンピース | 500g | ||
玉ねぎ | 中1/4個 | ||
生クリーム | 200ml | ||
バター | 10g | ||
オリーブオイル | 適量 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
グリーンピースは仕上げに乗せる飾り用の分を除いて鞘から取り出し、粗塩を小さじ一杯分ほどまぶしてしばらく置きます。塩は洗い落とさなくてよく塩がついたまま豆を深鍋に移し、豆がかぶるぐらいの量の水を注いで火にかけます。
飾り用の鞘付きのものも一緒に茹でます。
2分で火を止め煮汁に浸したまま自然に冷まします。
別の鍋にオリーブオイルをしき、バターも加えて溶けたらスライスした玉ねぎを軽く炒めます。
ある程度冷めたグリーンピースの鍋に玉ねぎを加え、ハンドブレンダーで攪拌して粗越しのスープのような感じにします。
火にかけながら生クリームを注いでよくかき混ぜ、必要に応じて塩胡椒で味を調整します。
スープ皿に注いで鞘付きの豆を乗せ、軽く胡椒を挽きオリーブオイルをたらしかければ出来上がり。
冷製ポタージュにする場合は粗熱をとってから冷蔵庫で冷やして、温製と同様に盛り付けします。
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