2018年11月24日土曜日

Insalata di Funghi Prataioli Crudi フレッシュマッシュルームと春菊のパルミジャーノ和え

香りの強いブラウンマッシュルームをフレッシュのままスライスして、削ったパルミジャーノで和えて春菊を添えたサラダ仕立ての一皿。
主張の強い春菊のえぐみや苦味は野菜というよりも和製ハーブのよう、脂の乗った魚や肉料理のサイドディッシュにぴったりだしフレッシュのマッシュルームと春菊の相性もいいですよ。

11月最後の週末、平成最後の秋も終わりに近づいてきました。
秋は巷に美味しいものが溢れていたわけですが、一度食べたら満足してもういいやってなるものもあれば、いろんな料理で何度も食べたくなるものもあって、きのこなんかは後者なんじゃないかと思います。
野菜などと一緒に炒めものにしたり味噌汁や温かい蕎麦の具にしたり、グラタンやカレーに入れるのもいいし、天ぷらパスタ、ピザ、炒飯、炊き込みご飯、鍋料理など使い方はいろいろ。
どれもきのこがメインというより、どちらかというと添えものというか脇役に据えるような使い方が一般的です。
その控えめな感じが何度でも食べたくなる理由かもしれません。

脇役とはいえ、例えば鍋には大概えのきやブナシメジなどを入れるかと思いますが、なくてもいいかといえば絶対あった方がいい。
何気にいい出汁が出るし、土鍋の蓋を開けたときにふんわり漂う独特のきのこの香りは、無いと明らかにもの足りない気分になります。
つまり脇役は脇役でも物語には欠かせない名脇役なんですね。

日本と同様に季節感を大切にするイタリアでも秋はきのこをふんだんに使った料理、それも茸を主役級に据えた料理が食卓を彩ります。
例えば茸をオリーブオイルと白ワインで炒めてパセリをたっぷり散らすトリフォラーティや、きのこをメインの具材にしたパスタやピッツァのボスカイオーラなんてのはわりと有名ですよね。
他にも、たっぷりのチーズやクリームとともにリゾットにもしますし、フードプロセッサで細かく粉砕してペーストにしておけば炙ったパンに乗せてブルスケッタにもできるし、パスタや何かのソースにも使える、ポタージュのようなスープに仕立てても絶品です。
生のままサラダに使うこともあります。

イタリアで人気のきのこはやっぱりトリュフとポルチーニ。
西洋人と日本人では好むきのこの香りが異なるので、日本人もこれらが大好きかといえば必ずしもそうではないし、西洋人は松茸の香りが苦手だと言われています。
そんななか、西欧でも日本でも好まれる味の西洋きのこがあります。
それがマッシュルームなんですね。
世界でいちばん消費されているきのこがマッシュルームです。
古くから人工栽培に成功し工場生産されてきたため需要の裾野が広く、生鮮品のみならず水煮などの加工品も多数流通していますし、なにより万人に好まれる味だからですね。
生食もできるので、西洋ではよくサラダなどにトッピングされます。
日本の茸はあまり生で食べたりしませんが、イタリアではポルチーニやタマゴダケなども生で食べられているんですよ。

イタリアでは、マッシュルームのサラダはほうれん草と合わせることが多いようですが、ほうれん草のあの独特のえぐみが生のマッシュルームやチーズやオリーブオイルと合うのでしょう。
日本の場合、サラダほうれん草というえぐみの少ない生食向きの品種もあることはありますが、普通のほうれん草は生食には向きません。
えぐみの原因であるシュウ酸は茹でて加熱することでしか取り除けないのとカルシウムと結びついて結石の原因にもなるため、生で食べるのはお勧めできないんですね。
同じえぐみのある野菜では、そもそも生で食べるイメージがない春菊が何気にサラダで美味。
その独特の苦味やえぐみはいかにもイタリア野菜的なんですが、実際、春菊の原産地は地中海沿岸地方なんですよね。

春菊の苦味は油と相性がいいので胡麻油でさっと和えたりしても美味。
もちろんオリーブオイルとの相性もばっちりです。
春菊とチーズとオリーブオイルはこの秋いち推しという鉄板の組合せ、もちろんフレッシュのマッシュルームとも相性抜群です。


Ingredienti (per 2 persone)

ブラウンマッシュルーム80g
春菊1/2束
岩塩適量
黒胡椒適量
オリーブオイル大さじ3
白バルサミコ酢小さじ1
にんにく1/2片
パルミジャーノ適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

ブラウンマッシュルームは洗わずに土を取り除き縦にスライスします。
春菊はさっと洗って水気を切り、1/3程度に切り分けます。

味付けは塩と黒胡椒、オリーブオイル、チーズだけでもいいのですが、こくを出したいので、すりおろしたにんにくと塩少々をバルサミコ酢に溶かしてからオリーブオイルと攪拌しドレッシングにします。

ボウルでマッシュルームをパウダー状にすりおろしたパルミジャーノとドレッシングとでさっと和えておきます。
馴染ませすぎるとマッシュルームのフレッシュ感がなくなります。

平皿に春菊を敷いて岩塩と黒胡椒を削りかけます。
ドレッシングをひとまわししてパルミジャーノを散らしかけます。
和えたマッシュルームを春菊の上にこんもりと盛りつけます。
黒胡椒を削りかけ、もう一度パウダー状にすりおろしたパルミジャーノを散らしかければ出来上がり。

関連記事 - きのこが主役のイタリア料理

Funghi e Salvia Fritti
舞茸とセージのフリット
Spaghetti alla Boscaiola con Funghi Porcini
ツナと茸のスパゲッティ ボスカイオーラ
Risotto ai Funghi e Formaggio
和みリゾットと丹波しめじのリゾット
Crema di Funghi Champignon
きのこのクレーマ


2 件のコメント:

  1. 作ってみました!
    生のマッシュルームを食べるのは初めてです!
    ちょっと塩をかけ過ぎてしまったようですが、春菊(これも生で食べるのは初めて!)の大人っぽい香りと相俟ってなかなかの味わいです。
    イタリアン道場 Da Abebeeno に入門を許可願います。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。
      入門許可だなんてとんでもありません。
      これまでも、これからも、変わらずよろしくお願いします。

      削除