2015年5月23日土曜日

Tonno Fresco Scottato 鮪のたたき スコッタート

さっぱりした赤身のマグロの柵を香ばしく炙った、和食文化の香り漂う近代イタリア料理、マグロのたたき スコッタート。
たたきは "Carpaccio" ではなく火傷するという意味の単語 "Scottato" をあてることが多いですが、日本語の "Tataki" も通用したりします。

刺身はもちろんイタリアの伝統料理などではなく、世界的な健康志向や和食ブームのなかで創作された新しいイタリア料理。
薄い切身を皿に並べると生肉料理のカルパッチョに似ていたことから、当初は魚介のカルパッチョという呼び名が刺身料理の代名詞でした。
近年トレンドになった呼び方が生の魚という意味のペシェクルードや、たたきや炙りに使うスコッタート。
また、本来なら酸で身が真っ白になるまで漬け込むソットアチェートやマリネも、今はさっと漬けたほぼ生のものの方が人気。
イタリアの刺身料理の裾野はここにきてぐんと拡がってきました。
日本人の私たちとしては喜ばしい限りですねぇ。

刺身はただ切って並べるだけの料理ではなく、魚の種類によって切り方も並べ方も、添える薬味なども違いますし、美しく盛り付けして季節を表現したりするのが本領。
例えば、スズキやヒラメなどコリっとした食感の白身魚なら身が透けて見えるぐらい薄い削ぎ切りにするのが定石で、夏なら氷水で洗いにして涼しさを演出したりします。
一方、身が軟らかいマグロやカツオは身を厚めに引いて、噛みごたえが出るようにするのが一般的。
まわりを炙った "たたき" の技法もよく使われます。
炙った部分が香ばしくなり味や食感にも変化がでるのと、見栄えがよくシェフが手がけました感もでて外国人ウケもいいようです。

さて、マグロはイタリアでもお馴染みの食材。
地中海で獲れるのは本マグロの近似種で大西洋クロマグロといいます。
以前は日本近海の本マグロと同種とされていましたが、地中海産の方が明らかに大型になるなどの違いがあることから、その後の研究で現在は日本の本マグロが大西洋クロマグロの亜種とされているそうです。
産地はシチリアのトラーパニとサルディーニャのカルロフォルテが有名で漁期はマグロが回遊してくる5月から6月の限られた期間だけ。
そしてこの時期には毎年、トラーパニでもカルロフォルテでも大規模なマグロ祭りが開催され、世界中から観光客が大勢訪れるそうです。
伝統的なマグロ漁をじかに見ることができたり、各国のシェフ達によるマグロ料理のコンテストが行われたりします。
イベントもいいですが、どちらかというと観光客のお目当てはいろんなマグロ料理を屋台などで食べ比べする方かなぁ。
イタリアでは部位に関係なく赤身も大トロも全部同じ値段だそうですが季節限定の近海生マグロの味はさぞ格別なんでしょうねぇ。

マグロの刺身はクセがないためどんな料理にも馴染んでくれる食材。
日本のたたきやヅケのほか、中華風、韓国風、アボガドと混ぜ合わせたハワイのポキなんてのもあります。
イタリア料理ならこのブログでも "まぐろのタリアータ シチリア風" を紹介したことがありますが、ハーブをたっぷり使った料理に仕立てたりフレンチのように凝ったソースをあしらったりしても、また違った一面が楽しめますね。


Ingredienti (per 4 persone)

刺身用まぐろの柵200g
にんにく1/4片
岩塩適量
白胡椒適量
オリーブオイル適量
レモン1/4個
イタリアンパセリ5枝
ベビーリーフ適量


Preparazione

マグロは柵のまま水で洗ってキッチンペーパーで水分を拭き取ります。
にんにくは包丁の腹で潰します。
レモンは櫛形に切り、パセリは葉を粗みじん切りにします。

オイルをしいたフライパンを弱火にかけ、にんにくの香りを出してからマグロの柵を置き入れ、中火で表面に焼き目をつけていきます。
トングでつかんで両面と側面を香ばしく焼き、バットにとります。
粗熱がとれたら厚めの刺身状にスライスし、皿に並べてオリーブオイルをまわし、冷蔵庫で冷やしておきます。

冷蔵庫から取り出し、岩塩と白胡椒でしっかりめに味付けします。
真ん中にベビーリーフをこんもり盛り、パセリを散らします。
レモンを添えて食べる直前に搾りかけます。

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