2015年7月4日土曜日
Folpetti de La Folperia di Padova パドヴァ風 蛸のサルサヴェルデ添え
伝統料理ではないけどヴェネト州パドヴァ地方ではよく知られた定番で屋台の名物料理でもあります。
タコはイタリアをはじめ地中海沿岸の南欧諸国では定番の食材ですが、世界的にはタコを食べる国(民族)はそれほど多くありません。
北欧ではまず食べないですし、モロッコやモーリタリアなど日本の商社が開拓したアフリカの新興産地でも、日本をはじめ諸外国向けに獲って輸出するだけで自国では食べたりすることはないようです。
タコの漁獲量(他国の領海で不法に操業している疑いが濃厚ですが)が世界一の なんでも食用にしてしまうあの国ですら 4000年の食の歴史の中でタコを積極的に料理に使うという話はあまり聞きません。
ではタコをよく食べている国はどこかというと、実は、全世界の漁獲量の7割近くが日本で消費されているというから驚きです。
どんだけタコ好きなんだって話ですが、東日本ではそこまで大量にタコを食べているという感覚はないので、もしかすると関西のあの食べ物の文化が数値に貢献しているのかも。笑
実際、統計上も関西圏の消費量が群を抜いているそうです。
さて、タコはイタリア語で "Polpo" といいますが、今日の記事タイトルのどこにもその単語が出てこないですよね。
実はヴェネト地方の訛りでタコは "Folpo" で、少し小ぶりな種類のタコを使うので小さいという意味の接尾語がついた "Folpetti"。
そして "La Folperia" は パドヴァのラジョーネ宮殿前広場というところに出ている名物屋台の屋号で、例えばピッツァ専門店がピッツェリア、ジェラート店がジェラテリアと呼ばれるように、フォルペリアはタコ屋という意味の造語で、"パドヴァのタコ屋のタコ" がタイトルです。笑
茹でただけのタコの味を決めているのがサルサヴェルデ。
イタリアンパセリとにんにく、アンチョビ、ケイパーなどをすり潰してオリーブオイルとヴィネガーでゆるめのペースト状にのばしたもの。
北イタリア一帯で冬に食べられる伝統的な茹で肉料理ボッリートには、このグリーンソースを添えるのがお約束。
その他にも肉や魚のグリルにロースト、カルパッチョのような刺身料理など、肉にも魚にも合う万能ソースとして出番が多い定番の味。
そういえば、同じ屋台の味として有名なフィレンツェのランプレドットにもサルサヴェルデをかけて食べるんでした。
パドヴァ風の茹でタコの美味しい食べ方は、そもそもが屋台料理ということもあり、室内で上品に食べるよりも夏の海辺のキャンプでアウトドア料理でいただくのがお勧め。
サルサヴェルデだけ自宅であらかじめ作ってクーラーボックスの隅に入れて持っていけばあとはタコを茹でるだけです。
冷えたビールかプロセッコと一緒にどうぞ。
Ingredienti (per 4 persone)
マダコ | 400g | ||
レモン | 1個 | ||
塩 | 少々 | ||
ローリエ | 1枚 | ||
per la Salsa Verde | |||
イタリアンパセリ | 30枝 | ||
にんにく | 1/2片 | ||
アンチョビ | 1尾 | ||
塩漬けケイパー | 大さじ1 | ||
ワインヴィネガー | 小さじ1 | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
塩胡椒 | 少々 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
まずはサルサヴェルデを作ります。イタリアンパセリの葉とにんにくを粗みじん切りにして、すべての材料をハンドブレンダーで撹拌し、ゆるいペースト状にします。
密閉すれば冷蔵庫で数週間は日保ちします。
タコは小ぶりな生タコが手に入れば塩揉みしてぬめりをとってから作業します、なければスーパーなどで売っている蒸しタコを使います。
深い鍋にたっぷりの水、塩、タコ、皮ごとのレモン 1/2個、ローリエ、 イタリアンパセリの茎を入れ、蓋をして弱火で 1時間ほど茹でて、皮がめくれないよう注意して引き上げます。
熱々のうちにひとくちサイズに切り分け、サルサヴェルデをたっぷりとまわしかけてレモン1/2個をぎゅっと搾れば出来上がり。
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