2015年6月29日月曜日

Gnocchetti Sardi alla Campidanese ソーセージのラグー ニョッケッティサルディ

サルディーニャ島南部カンピダーノの伝統料理、生ソーセージをトマトで煮込んだラグーとペコリーノのニョッケッティ サルディ。
本来は豚肉だけで作るソーセージに羊肉を少し加えることで、いかにもサルディーニャらしい田舎っぽい風味に仕上げています。

ニョッケッティとはニョッキ="Gnocchi" に小さいという意味の接尾語がついた、小さなニョッキのような形をしたパスタのこと。
つまりニョッケッティ サルディは "サルディーニャの小さなニョッキ" という名前のご当地パスタで、じゃがいもと小麦粉で作るニョッキとは違い、南イタリアらしく硬質小麦と水だけで作られます。
見た目がちょっと"アレ"ですが笑、引っ掻くようにして作るため筒状にくるんと丸まって内側にソースがよく絡むのと、セモリナ粉のもっちりしてぱつんと歯応えのある食感が美味しいショートパスタです。
ちなみにニョッケッティ サルディは全国区の呼び名。
島ではマッロレッドゥス、クラヴァオス、チリョネスなどと現地訛りのサルディーニャ語で呼ばれます。

地中海のほぼまん中に浮かぶサルディーニャ島は地中海ではシチリア島に次いで二番目に大きな島。
世界中からセレブが集まる高級リゾートとしても知られています。
カルロフォルテのマグロや伊勢海老料理、ボッタルガ(からすみ)などが有名で、豊富な海の幸をふんだんに使った郷土料理がたくさんあるというイメージがありますが、伝統的なのは羊を使った山の料理。
なぜなら、サルディーニャ島は歴史的に様々な民族からの侵略に何度もさらされてきたため、人々は危険な海沿いではなく山間の内陸部に居住の地を移し、主に羊の放牧などで生計を立ててきたからです。
実際、サルディーニャ島の羊の放牧数はイタリア国内最大規模で、羊乳から作るペコリーノチーズはロマーノDOPを名乗っていてもほぼ全部がサルディーニャで作られているほどです。

さて、今日はそんなサルディーニャの郷土料理のひとつ、サルシッチャ=生ソーセージをほぐしてトマトソースで煮込んだラグーにペコリーノを削りかけたカンピダーノ風パスタ。
ソーセージは本来は豚肉で作りますが、独特の風味のある羊を少しだけ混ぜて、どこか田舎っぽい ほっこりした感じの味にしてみます。

イタリア料理ではあまり洗練された料理というのは好まれません。
それがリストランテの一皿であっても、どこかに田舎っぽいエッセンスがあるのが良しとされているんですよ。

Ingredienti (per 4 persone)

ニョッケッティ サルディ500g
にんにく1片
玉ねぎ中1個
ホールトマト1缶
バジリコ10枚
オリーブオイル適量
ペコリーノ適量
塩胡椒適量
per la Salsiccia
豚挽肉(粗挽)250g
羊肉100g
塩胡椒適量
セージ(ドライ)適量
フェンネルシード適量
にんにく1片
赤ワイン50ml

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

自家製ソーセージは前日の晩から仕込みます。
粗挽きの豚挽肉、ミンチ状に手切りした羊肉、すりおろしたにんにく、細かく刻んだフェンネルシード、セージ、塩胡椒、赤ワインをボウルに入れて、粘りが出るまでよく混ぜ合わせます。
出来上がったソーセージマリネは冷蔵庫で一晩寝かせます。
ちなみにわざわざ腸詰めにしたりはしません、ほぐして使うので。
私たちはあの形をしたものがソーセージだと思ってしまっていますが、ソーセージとは香辛料で香りづけされた肉のミンチのことです。

フライパンにオイルをしき、刻んだにんにくを入れて弱火にかけます。
にんにくの香りが立ったら玉ねぎのみじん切りを加えて透明になるまで中火で炒め、ソーセージマリネを加えて木べらでざくざくと崩しながら炒めていきます。
トマトを加えて30分ほど煮込んで塩胡椒で味を調整します。
バジリコの葉は手でちぎって、香りがとばないよう途中で加えます。

パスタを茹で始めて 5分以上経過した状態で、茹で汁をレードル 3杯分フライパンに加えてソースをのばします。
パスタは表示時間よりも 1.5分早く上げてフライパンに移し、パスタにソースを吸わせながらフライパンの中でアルデンテにします。
皿に盛って粗みじん切りのバジリコを散らし、ペコリーノを削りかけ、オリーブオイルをひとまわしすれば出来上がり。

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