2016年5月15日日曜日
Pizzette ai Bianchetti 釜揚げしらすのピッツェッテ
調味料はオリーブオイルだけ、釜揚げしらすとチーズの塩気がワインのつまみにも小腹がすいたときのおやつにもちょうどいいんです。
シラスは昔ながらの和のイメージが強い食材、ちょっと醤油をたらしてご飯に乗っけたり、卵焼きにしたり、大根おろしと一緒にしらすおろしにして食べると美味しいですよね。
昨今は湘南しらす丼で有名な生しらすも流通するようになりましたが、シラスの売場に行くと、ごく普通のシラス干しのほかに釜揚げしらす、ちりめんじゃこ、カエリや小女子(コウナゴ)など、似て非なるものがいろいろとあってどれを買ったらいいのかと思ってしまいます。
これらの呼び名の違う商品は何がどう違うのか、そもそもシラスの定義とは何かって消費者の方も結構曖昧なままだったりしますよね。
しらすとはイワシの稚魚のことだと思ってましたが、調べてみたところ漢字で白子と書くぐらいなので稚魚のときに体に色素がない透明な魚はイワシもニシンも、鮎やウナギもシラスと呼ぶそうです。
でもたくさん獲れるカタクチイワシの稚魚であることがほとんどなのでイワシの稚魚だと思っておけばいいみたいですね。
シラスは漁獲後の鮮度落ちが非常に早いため、普通は水揚げしてすぐに産地で釜茹でにして天日で干すなど加工してから出荷されます。
ふっくらと茹でた状態の水分を含んだものが釜揚げしらす、軽く干して水分量を少しだけ減らしたのがしらす干しです。
このしっとり感の残るしらす干しは関東好み、関西ではもっとしっかり乾燥させるんですが、関西ではシラスという呼び名はあまり使われず、ちりめんじゃこと呼ばれます。
じゃこは漢字で雑魚、つまり色が透明なシラスだけでなくイカナゴなどいろいろな魚の稚魚を干したものがちりめんじゃこ。
イカナゴの稚魚はお腹が赤いので、関東では小女子と呼んでシラスとは区別しています。
透明なイワシの稚魚もやがてウロコなどが形成されてイワシらしい銀色の幼魚に成長しますが、これをかりかりに干したものがカエリです。
なんだかわかったような、わからないような。笑
さて、そんな和の食材のイメージが強いシラスですが、実は南イタリアやリグーリア地方では昔からお馴染みの食材。
そのままオリーブオイルと和えた前菜やパスタの具材、オムレツ、衣をつけて油で揚げたフリッテッレやパステッラなどが定番です。
日本のイタリアンレストランではナポリ風のもちもちの生地にチーズとシラスを一緒に乗せたピッツァも人気がありますよね。
イタリア料理では魚介類とチーズの組合せは基本的に好まれませんが、シラスはここではアンチョビを調味料代わりに使う感覚と似ています。
シラス自身の塩気と磯の風味がむしろチーズと相性ばっちり。
美味しいピッツァを焼くには高温の石窯で一気に焼くのがコツですが、家庭ではオーブンでもなくトースターでもなく予熱しておいた魚グリルの天火で焼くと比較的ピッツァらしい仕上がりになります。
Ingredienti (per 4 Pizzette del Diametro di 13cm)
強力粉 | 60g | ||
薄力粉 | 50g | ||
ぬるま湯 | 70cc | ||
ドライイースト | 2g | ||
塩 | 2g | ||
オリーブオイル | 10g | ||
per Condire | |||
釜揚げしらす | 120g | ||
モッツァレッラ | 50g | ||
オリーブオイル | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
ボウルに強力粉、塩、ドライイーストを入れて均一に混ぜ、ぬるま湯とオリーブオイルを加えて最初は二本指で、徐々に右手全体で混ぜます。最初は手にべたべたつきますが、だんだん生地がまとまってくるので、台の上に移して捏ねていきます。
10分ほど捏ねると生地に張りが出てくるので4等分して丸めます。
深さのあるバットなどに打ち粉をして丸めた生地を間隔をあけて置き、ラップをして室内で夏は1時間、冬は3時間ほど発酵させます。
発酵した生地は縁に少し厚みを残すように手で薄く丸く広げて成形し、オリーブオイルを少量たらして指の腹で均一に塗り、モッツァレッラをちぎって適当に置いてからシラスを乗せてもう一度チーズを何箇所かに散らすように乗せます。
鉄のフライパンを熱して薄くオイルを敷き、弱火で生地の底面を1分ほど焼きます。
底面がかりっとなったらあらかじめ予熱しておいた魚グリルに移し、上面の火力を最大にして高温で一気に焼きあげます。
溶けたチーズがふつふつと泡だってオイルが表面に浮いて、生地の縁にかりっと香ばしい焦げめがつけば出来上がり。
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