2016年5月7日土曜日

Asparagi Selvatici in Padella 山菜風アスパラのインパデッラ

山菜採りの季節にちなんで、野生のアスパラセルバティコにも似た細いペンシルアスパラをソテーしただけの、ちょっと洒落で作った一皿。
里山に自生する山菜は今頃がシーズン、イタリアでもこの時期は野生のアスパラを採ってきてパスタやオムレツなどで味わいます。

山菜といえば早春の味覚というイメージがありますよね。
でも、早い時期から店頭に並んでいるのは、ほぼハウス栽培もの。
実際には野生の山菜の季節はもっとずっとあとになります。
もちろん山菜とひとくくりに言っても種類がいろいろあるので、例えばフキノトウなどのようにわりと早くから芽吹くものもありますし、産地によっても気温や標高などが違うので一概には言えませんが、だいたい桜が散って葉桜になった頃からぽつぽつ採れ始めてゴールデンウィークあたりからがシーズン最盛期、遅いものだと7月上旬頃まで採れます。
今年は5月5日が立夏なので連休が過ぎると暦の上ではもう夏。
春というより完全に初夏の味覚なんですが、消費者のイメージでもある春の時期に出まわってこそ季節感や趣きがあるので、生産者や流通業界の努力で早い時期から市場に出せるようにしているわけですね。

田舎の方にいくと、山菜なんて買うものじゃなくちょっとそこらへんで採ってくるものという感覚です。
最近は都会に暮らす人々も市販の栽培ものでは飽き足らず、山菜採りに出掛ける人が増えて密かなブームになっています。
そりゃやっぱり天然ものが食べたいですもんねぇ。
山菜のなかでも知名度があって食べて美味しくて、わりと見つけやすく採取のハードルが低めなのがわらびやタラの芽ですかね。
わらびは陽当たりのいい傾斜地などによく群生しているので、出る場所をあらかじめ知っていると採るのも容易です。
雨上がりの翌朝などににょきにょきと生えてきてるのを根元をぽきっと折るようにして採ります。
灰汁抜きがちょっと厄介ですが炒め煮などで美味しいですよね。
たらの芽はウルシの木に似たタラノキという木の新芽。
ゼリー状の樹液が大量に出ていて芽が覆われていたりすることもあり、また黒い光沢のある小さな虫がびっしりついていたりするので、採って帰ったらまずこれらを掃除します。
アク抜きとかは必要ないのでそのまま料理に使えます。
定番はもちろん天ぷらですよね。

アスパラは地中海原産で、イタリアでは野生種がそこらに自生していて暖かくなるとピクニックを兼ねてアスパラ採りに出掛けたりします。
日本の山菜採りとちょっと感覚が似ていますよね。
野生のアスパラは鉛筆のように細くて腰がなく軟らかいのが特徴。
ちょっとワラビに似ているかも。
味は栽培品種よりやや濃くて苦味も少し強いワイルドな味。
卵はもちろんベーコンなどの脂といかにも相性が良さそうですよねぇ。
定番料理はパスタやオムレツですが、山菜の天ぷら風にパステッラとかフリットなんかにしても美味しそうですね。

Ingredienti (per 2 persone)

ペンシルアスパラ1束
バター10g
2個
にんにく1/2片
ワインヴィネガー少々
砂糖少々
オリーブオイル適量
プレッツェーモロ5枝
パルミジャーノ適量
塩胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

アスパラは長さを揃えて下の硬い部分を1~2cmほど切り落とします。
細くてちょっとやりづらいですが下から2/3ほど皮を剥きます。
プレッツェーモロ(イタリアンパセリ)は粗みじん切りに、にんにくは包丁の腹で潰しておきます。

ボウルに卵を割り入れ、塩胡椒、砂糖、プレッツェーモロ、ヴィネガーを加えて軽く混ぜ合わせます。
フライパンにオリーブオイルをしいてにんにくを加え、香りが立ったらにんにくを取り出します。
ボウルの卵を投入して手早くスクランブルエッグを作り、あまり固炒りにならない程度のところで取り出して器に移します。

同じフライパンにバターを入れて溶かし、アスパラを置き入れて焦げ目がつくぐらいまでソテーします。
アスパラを根元から穂先に向かってランダムに拡がるように皿に並べ、スクランブルエッグを添えて胡椒を挽き、パルミジャーノをフレーク状に削りかければ出来上がり。

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