2016年5月21日土曜日

Pasta al Tonno Fresco con Capperi e Pomodorini 近海マグロとケイパーのパスタ

一年中あるため旬がわかりづらいマグロ、本来なら脂の乗る真冬が美味ですが、日本近海に一斉に回遊してくる今の時期もさっぱりとした味の生マグロのシーズン。
地中海のマグロもこの季節限定の初夏の味、主な産地のシチリアでは豪快にグリルしたステーキやパスタなどで短い旬を味わいます。

マグロが好き過ぎて、世界中でマグロを獲ったり買い占めたりしているとして何かと批判される日本ですが、それもそのはず世界で消費されるマグロのほぼ1/3を日本が消費しています。
しかもこれはツナ缶などの加工品も含めての話、刺身で食べられているものに限定すれば、実に世界の8割を日本が食べている計算です。
どれだけマグロ食べてんだって話ですが、確かに寿司屋でもスーパーの鮮魚売場でも、惣菜コーナーや冷凍食品や弁当売場でもマグロを見ない日はないですし、刺身も寿司もいろいろある中でいちばん人気はいつもマグロと決まっています。
この旺盛な需要をまかなうため、日本は南半球も含めてかなり遠洋まで出掛けていってマグロ漁を行っていますが、それだけでは需要に供給が追いつかないため、海外から大量に輸入もしています。
世界的な健康志向や和食ブームにより海外でもマグロの消費量は増えていますが、諸外国のマグロ漁や蓄養といったいわゆるマグロビジネスは自国向けより高値で取引される日本向けを中心にまわっています。
マグロ資源減少の批判の矛先が日本に向けられるのも当然ですよね。
でもここで嬉しいニュースがひとつ。
絶滅危惧種の国際取引を規制するワシントン条約の今秋の国際会議で、マグロが規制対象リスト入りすると懸念されていたのですが、このたび公表された検討対象60種にマグロは含まれていませんでした。
関係者はさぞ安堵したことでしょうね、もちろん私たち消費者も。笑

さて、この時期に日本近海に回遊してくるマグロは、産卵後であるのと脂身の少ないアジやトビウオを食べているため、脂の乗りがさほどでもなく初鰹みたいなさっぱりした味が売りの初夏の風物詩。
それでも生マグロの入荷がしばらくなかった後だけに唐突にやってくるシーズン到来で市場はいやがおうにも活気づきます。
マグロは台湾や宮古島付近の南西諸島で産卵し、黒潮に乗って北上。
シーズン最初のまとまった入荷は宮崎産、ほどなくして漁場は和歌山の勝浦港に移り、焼津、清水、三崎、銚子、塩釜、気仙沼と北上しながら徐々に脂も乗ってきます。
日本海側にまわったものは鳥取の境港などで夏に水揚げされます。

一方、地中海のマグロはスペインとモロッコの間のジブラルタル海峡を通って大西洋から地中海に入り、シチリア島の近海で産卵します。
イタリアではサルディーニャのカルロフォルテとシチリアのトラーパニが産地として有名。
漁期はマグロが回遊してくる5月から6月の限られた期間だけ。
季節柄エサとなるのが日本近海と同じく脂の乗っていないアジなどで、マグロ自身も脂の乗りは少なくさっぱり系です。

Ingredienti (per 2 persone)

スパゲッティ250g
生マグロ150g
ミニトマト20個
にんにく1片
玉ねぎ1/2個
塩漬けケイパー大さじ2
乾燥オレガノ小さじ1
白ワイン大さじ2
オリーブオイル大さじ4
プレッツェーモロ5枝
塩胡椒適量
パスタの茹で汁レードル2杯

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
※パスタの茹で汁もソースの材料に記載するようにしました

Preparazione

マグロはひと口サイズに切り分けて塩胡椒で下味をつけておきます。
にんにくと玉ねぎはみじん切りに、ミニトマトはヘタをとって縦半分にカットし、プレッツェーモロ(イタリアンパセリ)は粗みじん切りに、塩漬けケイパーは水につけて軽く塩抜きしておきます。

フライパンを弱火にかけてオイルをしき、にんにくの香りを出してから玉ねぎを加えて透き通るぐらいまで炒めます。
香味野菜を脇に寄せて空いたスペースでマグロをソテーします。
ワインをふりかけて強火でアルコール分を飛ばし、トマト、ケイパー、オレガノを加えて中火で15分ほど煮込みます。
パスタの茹で汁を加えてしゃばしゃばとした状態にして、塩胡椒で味を調整します。

表示の時間よりも短く茹で上げたパスタをフライパンに移し、ソースを吸わせながらアルデンテにもっていきます。
皿に盛ってプレッツェーモロ(イタリアンパセリ)を散らし、黒胡椒を挽いて香りの良いオリーブオイルをまわしかければ出来上がり。

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