2017年2月4日土曜日
Zuppa di Fagioli Cannellini ハムといんげん豆のスープ
ハムはここでは具材というよりも出汁をとるのが目的、旨みが凝縮したスープを豆がふっくらと吸った滋味深い一皿です。
今日、2月4日は立春ですね。
暦の上では今日から春ということになるんですが、春どころかちょうど今が寒さのピークでしょって感じでちっとも実感が湧きません。
それもそのはずで立春とは一年で最も寒い大寒の次にやってくる節季、つまり気温が底を打って反転に向かい始める日のこと。
本格的な春の訪れはまだまだ先のことです。
仕事や習い事だって初めの一歩を踏み出してすぐに何かが出来るようになったりしないわけで、春もある日突然やって来るわけじゃない。
三寒四温、小春日和と寒の戻りが交互にやってきて、それを繰り返していくうちにだんだんと春らしくなっていくわけです。
ところで、中国などアジア圏ではこの時期に旧正月を盛大に祝う風習がありますが、日本も昔は立春の頃にお正月を迎えていました。
旧暦(明治五年まで)では立春の日をもって元旦とするのが望ましいと考えられ、春に新しい年が始まるような暦にしていたんです。
年賀状などに初春や迎春などと書いたり冬なのに春の七草と言ったり、成人式が春のイベントと呼ばれるのはその名残りです。
立春が一年の初めならその前日にあたる節分は大晦日ですよね。
節分に豆まきをするのは神社などで旧年の災いを追い払い、新たな年の厄除け祈願を兼ねて行われていた行事に由来します。
床掃除が大変とか、家の外に向けて何かを撒き散らすなんてありえないという今どきの時代背景もあって、都会では豆まきをする家庭は少なくなりましたが、代わりに豆を使った料理を作ったりすると思います。
豆のサラダやカレーなんてのもいいけど豆料理といえばやっぱり煮豆、ひじきと大豆の煮物みたいなものが沁みますよねぇ。
粗食が中心だった農家や動物の肉などが禁忌とされていた精進料理では豆料理は肉や魚に代わる貴重なたんぱく源だったんです。
さて、イタリアにも豆を使った伝統料理は数多くあります。
大豆は主に搾油用であまり食用にしませんが、乾燥豆ではいんげん豆やひよこ豆、レンズ豆、生豆タイプではえんどう豆(グリーンピース)やそら豆なんかがよく食べられます。
なかでもいんげん豆は世界中で最も多く食べられている豆だけあって、イタリアでも豆といえばいんげん豆という感じすらあります。
カンネリーニと呼ばれる白いんげん豆と斑模様がうずらの卵を思わせるボルロッティ=うずら豆が双璧。
いんげん豆と相性のいいセージやトマトで煮込んだり、煮豆をソースにしたパスタ料理=パスタエファジョーリなんかも超定番です。
貧しい時代に肉の代わりのたんぱく源だったのはイタリアでも同じで、ほっこりと沁みる田舎っぽい料理が多いのが特徴です。
Ingredienti (per 6 persone)
白いんげん豆(乾燥豆) | 300g | ||
鶏のブロード | 1l | ||
ロースハム | 50g | ||
にんにく | 1片 | ||
玉ねぎ | 1/4個 | ||
にんじん | 1/5本 | ||
セロリ | 1/5本 | ||
ローリエ | 1枚 | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
プレッツェーモロ | 適量 | ||
パルミジャーノ | 適量 | ||
バゲット | 1本 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
白いんげん豆は前の日からたっぷりの水で戻しておきます。香味野菜はみじん切りに、ハムは1cm角に刻みます。
鶏のブロードは鶏がらでとったスープで代用可です。
深鍋にオリーブオイルをしいて中火にかけ、先にハムを軽く炒めてから香味野菜を加えてソフリットしていきます。
ブロード、豆、ローリエ、塩ひとつまみを加えて引き続き中火にかけ、沸騰したら弱火にしアクが出てきたらすくい取ります。
1時間ほど煮て豆が軟らかくなったら塩胡椒で味を調えます。
スープ皿に盛ってパルミジャーノを削りかけ、黒胡椒を挽いて粗みじん切りのプレッツェーモロ(イタリアンパセリ)を散らします。
バゲットを添えてオリーブオイルをひとまわしすれば出来上がり。
関連記事 - イタリアの素朴なミネストラ
Panada Cremonese クレモナ風 パン粥料理パナーダ |
Crema di Zucca かぼちゃのクレーマ |
Zuppa di Cipolle Gratinata ヴァルドスタ風オニオングラタンスープ |
Minestra di Farro スペルト小麦と春野菜のミネストラ |
0 件のコメント:
コメントを投稿