2017年3月25日土曜日
Linguine ai Bianchetti con Pomodorini 釜揚げしらすのリングイネ
マキアート仕立てのトマトは小さなシラスに合わせて小角切りに刻んで仕上げにオリーブオイルをまわしかけた南イタリアっぽい一皿です。
巷のイタリアンレストランでは春パスタフェアの真っ盛りですね。
定番は菜の花にアサリにホタルイカ、そしてシラスあたりでしょうか。
シラスは和の食材というイメージが強いので刻んだ大葉を乗せて和風にアレンジしたものなんかをよく見ますが、いやいやどうして、シラスはイタリアでも伝統的な食材。
考えてみればシラスはアンチョビやコラトゥーラの原料になるカタクチイワシの稚魚ですもんね。
シラス(イワシ)漁が盛んな南イタリア各地や北西部リグーリア州ではパスタやオムレツはもちろん、小麦粉を溶いた衣でまとめてかき揚げのように揚げたフリッテッラ、そして鮮度が良ければ生シラスにオリーブオイルを垂らしてレモンを搾っただけの前菜なども定番です。
イタリアでも伝統的に生のシラスを食べるんですねぇ。
これはかなりの驚きです。
日本が世界に誇る高度な流通技術は魚介を刺身で食べる食文化が背景にあるわけですが、その日本ですら生シラスが流通するようになったのはわりと最近のこと。
湘南しらす丼が有名になったせいもありますよね。
でもシラスというのは漁獲後の鮮度落ちが非常に早いので、生シラスを味わうならやはり産地で食べてこそという春限定、地域限定の味。
なので普通は水揚げされたらすぐに産地で釜茹でにして天日で干すなど加工したものが出荷されます。
ふっくらと茹で上がって水分をたくさん含んでいるみずみずしいものが釜揚げしらすでこれも春ならでは、そして軽く干して水分量を減らして魚の干物のように保存性を高めたものがしらす干しです。
このしっとり感の残るしらす干しは関東好み、関西ではもっとしっかり乾燥させた縮緬じゃこが好まれます。
さて、そんなシラスを使ったパスタは、シラス自身の塩気と磯の風味を活かして調味料代わりに使い、具というよりソースにしてしまうようなイメージで作るとぐっとイタリア料理っぽく仕上がります。
アンチョビを調味料代わりに使うのと同じ考え方です。
よくあるシラスのペペロンチーノなんかもいいけどもう一歩踏み込んでシラスの風味をパスタに吸わせるよう、シラスはたっぷりと使ってその半量を木べらでペースト状に潰しながらソースを作ります。
これをパスタの茹で汁でのばしてオイルとしっかり乳化させ、少し硬めに茹でたパスタにソースを吸わせながらフライパンの中でアルデンテにもっていくようにすると一段上のレベルの味に仕上がりますよ。
皿に盛ってからもパスタはどんどん汁気を吸うので、家庭で作る場合は茹で汁は多めでしゃばしゃばにするぐらいでちょうどいいかも。
そして今日はミニトマトを加えたマキアート仕立て。
ナポリなどでよく見られるヴォンゴレマキアートと同じ使い方ですが、小さなシラスに合わせてトマトもさいの目にカットしています。
トマトの酸味が良いアクセントになるし彩りも俄然良くなりますよね。
季節が夏ならここにバジリコを入れたいのですが、春先のベランダ菜園にはバジリコはないので、代わりにイタリアンパセリを刻んでたっぷり散らします。
Ingredienti (per 2 persone)
リングイネ | 250g | ||
釜揚げしらす | 300g | ||
ミニトマト | 8個 | ||
にんにく | 2片 | ||
唐辛子 | 1本 | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
プレッツェーモロ | 10枝 | ||
パスタの茹で汁 | 大さじ2杯 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
※パスタの茹で汁もソースの材料に記載するようにしました
Preparazione
ミニトマトはさいの目に切り、プレッツェーモロ(イタリアンパセリ)は粗みじん切りに、にんにくは包丁の腹で潰します。唐辛子は種を取り除いて小口切りにします。
深鍋でパスタを茹で始めます。
フライパンにオリーブオイルをしいて弱火にかけ、唐辛子とにんにくを加え、香りが出できたらにんにくは取り除いてシラスを加えます。
シラスの半分強を木べらで潰しながらペースト状にしていきます。
ミニトマトとプレッツェーモロの半量を加えて軽く混ぜ合わせます。
シラスに塩気があるので味を見て必要なら塩と胡椒をふります。
パスタのグルテンが十分に溶け出た頃合いの茹で汁をフライパンに加えフライパンを小刻みに揺すってソースを乳化させます。
パスタは表示よりやや早めに上げ、フライパンに移したら手早くあおりソースを吸わせながら煮含めていきます。
もう一度味を見て必要なら塩で味を調整します。
皿に盛ってプレッツェーモロを散らし、黒胡椒を挽きかけます。
仕上げにオリーブオイルをまわしかければ出来上がり。
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