2014年12月21日日曜日

Calamari Ripieni in Umido ヤリイカのリピエーニ

旬のヤリイカの胴に詰物を詰めて、トマトソースで煮込んだカラマーリ リピエーニ。
調理の方法も中に詰める詰物もいろいろ、作り手の数だけレシピがある南イタリアの定番家庭料理です。

イタリアではわりと身近な食材 "Calamari" カラマリ=ヤリイカですが日本では店頭で目にする機会も少ないちょっとした高級品。
普段いつも目にするスルメイカと違って、冬場にしか出まわらないので季節が限られるのとその食味の良さから、料亭などで需要が高い格上の存在です。
いろいろな大きさのものが一緒に売られていたら、大きくて立派なのが雄のヤリイカで、これは刺身で絶品。
大きさでは見劣りする雌イカも真子を抱く春先になると価値が上がり、子持ちのまま煮付けにしたものは日本酒のつまみに最高です。
それを輪切りにしたところなんてちょうどこんな感じ、なんだかこれで日本酒が飲めそうな気がしてきました。笑

さて、日本にもこれとよく似た発想のイカ飯があります、中が空洞だと何かを詰めてみたくなるのは万国共通なんですかねぇ。
イタリア人も"そういうの大好き"で、カンネローニやコンキリエなどの巨大パスタ、ピーマン、トマト、玉ねぎ、マッシュルーム、ムール貝、ズッキーニの花などが詰める対象になっています。

ヤリイカのリピエーノ(詰物)は胴から外した脚とエンペラを刻んで、香味野菜やパン粉、チーズと混ぜたものが基本的なパターン。
地域や家庭によってはこれにオリーブやケイパー、レーズンや松の実、アンチョビなどを刻んで混ぜたり、米やクスクスを入れたりもします。
中身が詰まったイカの調理法もいろいろ。
トマトソースで煮込むほかにも、ローストしたりオーブンで焼いたり、グリルで焼き目をつけたり、香草パン粉をまぶして焼いたり、ソースもレモン風味のものや白ワイン、マルサラ酒ベースのものなど、とにかくバリエーションが豊富です。

ちなみにイタリア料理では魚介にチーズを合わせるのは本来はタブー。
古くからの慣習や思い込みによるものなので、実際は必ずしも合わないということはなく、チーズを合わせた魚介料理は結構あります。
とはいえこれはもう暗黙のルールみたいなところもあるので、知らずにイタリアンレストランで魚介のパスタにチーズをばんばんかけたりすると恥ずかしい思いをすることになるのでご注意を。笑


Ingredienti (per 4 persone)

ヤリイカ(小)8杯
にんにく1片
パン粉1カップ
玉ねぎ中1個
イタリアンパセリ10枝
ペコリーノ15g
白ワイン1/2カップ
トマトのパッサータ400g
グリーンピース適量
乾燥オレガノ適量
塩胡椒適量
オリーブオイル適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

ヤリイカは胴の長さ15cmぐらいの小ぶりのサイズがこの料理向き。
大きいものなら3~4杯で十分、その場合は輪切りにして盛り付けます。
グリーンピースはヤリイカの季節と合わないので冷凍品を使います。
ヤリイカの脚とワタ、エンペラを外して、皮を剥いて流水で洗います。
外したイカの脚とエンペラは粗く刻み、にんにく、玉ねぎ、イタリアンパセリはみじん切りに、チーズは削っておきます。

まずリピエーノ(詰物)を作ります。
フライパンにオリーブオイルをしいてにんにくの香りを出し、玉ねぎと刻んだイカ、パセリを加えてさっと炒めます。
中身をボウルに移して粗熱をとり、パン粉、チーズ、塩胡椒を加えて、少ししっとりする程度にオリーブオイルも加えて混ぜ合わせます。

リピエーノを水気をふきとったヤリイカの胴に詰めて楊枝でとめます。
イカは火を入れると身が縮むので、あまり詰め過ぎないようにします。

先ほどのフライパンにオイルを少し足して中火にかけ、ヤリイカを置き入れてころころと転がしながらソテーし、白ワインでフランベします。
トマトのパッサータ、グリーンピース、オレガノを加え、軽く塩胡椒をして少し煮込みます。
イカがぷりっとしたら取り出して、残ったトマトソースはもう10分ほど煮込んで、最後に味を見て塩で調整します。

平皿にソースを敷いて一本はまるごと、もう一本は半分にカットして、切り口を見せるようにして盛り付けます。
パセリのみじん切りを散らせば出来上がり。

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