2017年7月8日土曜日
Pasta con il Sugo di Spigola allo Zafferano 夏スズキのリングイネ サフラン仕立て
料理を黄金色に染めるサフランは魚介やオリーブオイルをたっぷり使う地中海料理と相性抜群、皿の底に残ったスープも残らずさらいたくなる香り高い一皿です。
毎日じめじめした日が続いていますね。
暦の上では季節はとうに夏ですが、日本には梅雨とういものがあるため本格的な夏の到来は梅雨が明けてからというイメージがあります。
梅雨は期間にしてだいたい一月半ほどですが、梅雨入りしてすぐの頃は結構からっとした爽やかな晴れの日が続いたり、雨は降っても小降りで気温がやたら下がって梅雨寒なんて呼ばれたりもします。
ところが半夏生の頃から雨量が多くなり、気温も湿度もぐっと上昇してまるで熱帯雨林の中にいるような不快な気候へと変貌します。
たかだか一月半の間にまるで違う別の季節が同居してるようでもあり、短期間に駆け足で夏の準備を進めているようでもあります。
いずれにせよ本格的な夏はもうすぐそこなんですね。
夏が待ちどおしいといえば、今日のような魚介のパスタは都会で暮らすイタリア人にとっては夏の海辺のバカンスを思い起こさせる非日常的なリゾートで食べる食事というイメージ。
イタリアの都市部では家庭の食卓に魚料理が登場するというのはあまりないため、旅先では普段食べる機会のないその土地ならではの食材とか郷土料理を楽しみたいので、海に来たら魚介のパスタを食べたいねってことになるわけです。
それにしても、日本の短い夏休みと違って何週間も仕事を休むイタリアでは駆け足であれこれ日程をこなすようなこともなく、しばらくその地でのんびりとバカンスを楽しみ、一日中なにもしないで過ごします。
なんとも羨ましいですよねぇ。
さて、今年も知人が浜名湖で釣ったスズキを送ってくれたので、先週のカラスミを添えた刺身料理からのパスタを作ります。
昨年と同様、スズキを捌いたあとに残った骨や皮などのいわゆるアラについた身をスプーンでこそげ取って、アラでとったブロードで煮含めた魚介の出汁が香る日本人好みのラグーですが、今年はソースをサフランで風味づけしたちょっとブイヤベースを思わせる一皿です。
このサフランの香りが魚介類ととても相性がよく、ブイヤベースもそうですしスペインのパエリアなど魚介をふんだんに使う漁師料理に使うと独特の香りが魚介の臭みを消して旨みを引き出してくれるんです。
サフランはイタリアではアブルッツォ州のナヴェッリ高原が一大産地でサルディーニャ州などでも生産されています。
とても貴重で高価なスパイスなので、漁師町の郷土料理に惜しげもなくサフランを使えるなんてのはサフランの産地のお膝元ならでは。
アブルッツォ風ズッパディペッシェやそのお隣りマルケのブロデット、サルディーニャ島のフレーグラ(アサリなどの魚介スープに粒々のご当地パスタを浮かべた料理)などにはサフランが欠かせません。
Ingredienti (per 2 persone)
リングイネ | 250g | ||
スズキのすき身 | 1カップ | ||
にんにく | 2片 | ||
玉ねぎ | 1/2個 | ||
トマト(中) | 1個 | ||
白ワイン | 1/2カップ | ||
スズキのブロード | レードル4杯 | ||
サフラン | ひとつまみ | ||
ローリエ | 1枚 | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
プレッツェーモロ | 5枝 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
スズキを捌いたときのアラに粗塩をふって冷蔵庫にしばらく置き、水分が出てくるときに魚臭さも一緒に抜けるので水を捨てて流水で洗って、骨やガンバラ、皮目についている身をスプーンで削ぎ取ります。身をすいたアラは一度熱湯をまわしかけて湯引きしてから鍋に入れて、水から煮て出汁(ブロード)をとります。
にんにくと玉ねぎ、プレッツェーモロ(イタリアンパセリ)は粗みじん切りに、トマトは小角切りにしておきます。
フライパンにオイルをしいて中火でにんにくと玉ねぎをソフリットし、スズキも加えて木べらでふっくらと炒めます。
白ワインを注いで強火でアルコールを飛ばしてからブロード(ソースというよりスープぐらいの量)、サフラン、ローリエ、トマトを加え中火で10分ほど煮込み、塩で味を調整します。
パスタを茹で始め、アルデンテよりも硬めで上げてフライパンに移し、ソースをパスタに吸わせながら煮含めていきます。
パスタを深皿に盛ってソースをレードルですくって上からまわしかけ、黒胡椒を挽いてプレッツェーモロを散らせば出来上がり。
スズキ以外の白身魚でも普通の切り身を使っても同様にできます。
魚のブロードが準備できない場合は魚の身の量を多めにして、パスタの茹で汁を使っても美味しくできますよ。
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