2017年8月19日土曜日
Risoni al Pomodoro トマトとバジリコのリゾーニ
ありそうでなさそうなトマトのリゾットですが、硬質小麦の乾燥パスタならもとよりトマトやバジリコとの相性は抜群、リゾーニのぷちぷちとした食感もなかなか楽しい一皿です。
本場イタリアのパスタってどれぐらい種類があるんでしょう。
ごく普通のロングパスタだってスパゲッティだけじゃないですよね。
太さの違いでフェデリーニやカペッリーニ、太いものはスパゲットーニなどと呼び名が変わるんでしたよね。
もちろん太さだけでなく形状の違い、例えばきしめんみたいに平打ちのタリアテッレやパッパルデッレ、断面が楕円形のリングイネや四角形のキタッラ、マカロニのように真ん中が空洞になっているブカティーニやお蝶夫人の巻髪みたいに螺旋状のブジアーテなんてのもあります。
でもこれがショートパスタになるとそれこそ変幻自在、ありとあらゆる形状のパスタがあります。
ごく普通のマカロニ=マッケローニ、万年筆の先端の形をしたペンネ、螺旋状のフジッリ、蝶の形をしたファルファッレあたりは初級編。
他にも貝殻の形をしたコンキリエ、マカロニよりもっと太くて筋のあるリガトーニ、巨大な管状のパッケリ、イカの筒切の形のカラマラータ、車輪の形のルオーテ、耳たぶの形に見えるオレキエッテ、団子のように丸めて作るニョッキや指で引っ掻いてくるんと丸めて作るカヴァテッリなど挙げればきりがありません。
イタリアという国の人々のパスタ愛を感じますよねぇ。
ロングパスタとショートパスタという括りだけではなく、乾燥パスタと手打ちの生パスタという括り方もあります。
南イタリア発祥の乾燥パスタは主に硬質小麦と水だけで作られ、硬めのアルデンテに茹でてぱつんとした歯ごたえを楽しみます。
一方、北イタリアの手打ちパスタは主に軟質小麦と卵と水から作られ、乾燥させないので生麺のようなもっちりとした食感が特徴です。
もちろん現在では手軽な乾燥パスタはイタリア全土で食べられますし、南イタリアにも硬質小麦と水の手打ちパスタはありますが、一般的には乾燥パスタか生パスタかという括り方をする場合は、そのまま南と北の食文化の違いとオーバーラップするんですね。
イタリアという国は古代ローマ人が祖先のラテン系民族が中心ですが、ラテン気質そのままの南イタリアとゲルマン系やケルト系の影響が残る北イタリアとでは歴史も気候も食べものの好みも異なります。
どんなパスタにどんなソースを合わせようとそれは個人の自由ですが、魚介や野菜やオリーブオイルをふんだんに使ったソースにもっちりしたタリアテッレはやはり合わないですし、バターや生クリームのソースにアルデンテの乾燥スパゲッティもちょっとミスマッチなんですね。
日本でも例えば蕎麦に関西風の薄口の麺つゆとか、広島風お好み焼きに辛口のウスターソースとか、だめじゃないけどやっぱりちょっと違う。
自分の故郷の味だったりするとなおさら譲れないですよね。
さて、イタリアの米どころといえばポー川流域のロンバルディア州からヴェネト州にかけてのパダーノ平原一帯。
今ではイタリア全土で食べられるリゾットも、もとは北イタリアだけで作られていた郷土料理で、米をバターで炒めてハムやきのこやチーズといった具を加え肉や香味野菜のブロードで炊くのが伝統的なレシピ。
トマトソースにバジリコのリゾットというのは、さきほどと同じ理由でやはりミスマッチな感じがどうしてもするんですね。
でもたくさん種類があるパスタのなかにはこのリゾーニのように米粒の形をしたパスタなんてのもありました。
見た目はリゾットでも米ではなく硬質小麦の乾燥パスタならこのソースとの相性はいいに決まってます。
米だと思ってスプーンで口に運べば、つるんとしてぷちぷちした食感であれってなる楽しい一皿になりました。
Ingredienti (per 2 persone)
リゾーニ | 250g | ||
トマトのパッサータ | 700g | ||
にんにく | 1片 | ||
玉ねぎ | 1/4個 | ||
水 | 2カップ | ||
バジリコ | 2枝 | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
ローリエ | 1枚 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
パルミジャーノ | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
にんにくと玉ねぎはみじん切りにします。トマトはパッサータを使いましたがホールトマトを使ってもできます。
その場合はザルなどにあけて種や皮を取り除き、またホールトマトの方が水っぽいので少し長めに煮込むといいでしょう。
フライパンにオリーブオイルをたっぷりしいて弱火にかけ、にんにくの香りを出してから玉ねぎも加えてソフリットします。
乾燥リゾーニも加えて木べらでさっと炒め、トマトのパッサータと水、ローリエ、塩少々を加えてじっくり煮ていきます。
水は一度に加えずにソースがひたひたの状態を保つよう適時足します。
途中でバジリコの葉を手でちぎって加えます。
リゾーニの表示時間どおり煮たら火を止めます。
皿に盛りバジリコの葉を飾ってオリーブオイルをまわしかけ、黒胡椒を挽いてパルミジャーノを削りかければ出来上がり。
0 件のコメント:
コメントを投稿