2017年8月26日土曜日

Friggitelli Ammollicati in Padella ししとうのアモリカーティ

夏の太陽をたっぷり浴びた旬の路地もののししとうをオリーブオイルでかりっとソテーして、松の実とレーズンの入った香草パン粉をまぶしたししとうのアモリカーティ。
油と相性がいいのでイタリアでも素揚げにして塩とレモンをふっただけなんてのが意外と定番、火が通ると甘みがぐっと増して大地の味がするワインのつまみにもってこいの一品です。

日本には辛くない甘とうがらしの品種が結構たくさんありますよね。
おなじみのししとうのほかにも、伝統的な京野菜の満願寺とうがらしや伏見とうがらし、奈良大和のひもとうがらし、近江の杉谷とうがらし、比較的新しい交配品種では甘とう美人や松の舞、生でも食べられる福耳やスナックとうがらしなどなど。
京都の伝統野菜などと聞くとなんとなく甘とうがらしって日本に昔からある生粋の和野菜のような気もしてきますよね。
でも唐辛子はその名の通り唐(ここでは中国の唐を指すのではなく単に外国という意味です)から伝わった辛子という意味ですし、南蛮という呼び名もあるぐらいなのでもちろん日本固有種ではなく外来種。
江戸時代末期の南蛮貿易でポルトガルやスペインといった南ヨーロッパから長崎に入ってきたものです。

では、とうがらしとは地中海の野菜なんでしょうか。
確かにイタリアでも原色の赤や黄色が鮮やかなペペローニ(パプリカ)やペペロンチーノ(赤唐辛子)が、昔からある伝統的なイタリア野菜であるかのように大きな顔をしていますよね。
でも、実は唐辛子の原産地はメキシコなど中南米。
コロンブスが新大陸を発見した後にヨーロッパに伝わりました。
同じ時期に新大陸(中南米)からヨーロッパに持ち込まれたのが、今やイタリア料理に欠かすことのできないトマト、ズッキーニ、かぼちゃ、じゃがいも、いんげん豆、とうもろこし、おまけで煙草も。
現代においてはどれも世界中で普通に食べられているものばかり。
新大陸発見が世界中にもたらしたインパクトは計り知れないんですが、中南米という地域のポテンシャルも凄いですよね。

現在のイタリアで唐辛子の産地として有名なのが南イタリアのブーツのつま先にあたる南北に細長い形をしたカラブリア州。
半島の先端なので三方を海に囲まれていて、北側はブーツの土踏まずにあたるバジリカータ州と隣接、またブーツのつま先のすぐ目と鼻の先にこつんと蹴られた石のように見えるシチリア島(州)が浮かびます。
北側のバジリカータ州の北西部分はせまくなっていて、そのすぐ先にはナポリが州都のカンパーニャ州が、ターラント湾をはさんだ先の北東にブーツのかかとにあたるプーリア州が位置しています。
激辛料理があまり好まれないイタリアにおいて、唯一カラブリア州には唐辛子を使った辛い郷土料理や加工品がいくつもあります。

辛くない唐辛子のペペローニや日本のししとうに似たフリッジテッリはカラブリア州に限らず、野菜をたくさん食べる南イタリア一帯で好んで食べられます。
イタリアのししとうと呼ばれるフリッジテッリですが、ししとうよりもひとまわり大きく万願寺とうがらしに近い夏野菜。
油と相性がいいのはししとうなどと同じで、ナポリあたりでは素揚げにするかオリーブオイルでかりっと炒めて塩とレモンをふっただけなんてものが家庭料理の定番です。

今日のように松の実とレーズンの入った香草パン粉=モリーカを絡めるようにまぶすと、ぐっと地中海料理っぽくなります。
見た目はあまり上品ではないですが、こう見えて冷えたワインのつまみにもってこいの一品なんですよ。


Ingredienti (per 4 persone)

ししとう100g
オリーブオイル大さじ2
適量
黒胡椒適量
パン粉30g
にんにく1/2片
アンチョビ1/2尾
松の実大さじ1
レーズン大さじ2
プレッツェーモロ3枝
レモン1個

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

まずはモリーカ(香草パン粉)を準備します。
フライパンにオイルをしいて弱火にかけ、潰したにんにくの香りを出しアンチョビを加えて木べらで潰します。
松の実と水で戻したレーズンを加えて、ふるいにかけた粉状のパン粉とプレッツェーモロ(イタリアンパセリ)のみじん切りを加え、塩で味を調整し焦げないように絶えず木べらで混ぜます。
きつね色になったら火を止めます。

ししとうは水洗いしてザルに上げます。
ヘタは切り落としてもいいですが、つけたままだと手でヘタをつまんで食べられるのでつけたまま調理します。

フライパンにオリーブオイルをしいて中火にかけます。
ししとうを加えてかりっと炒めて塩で味を調整します。
途中でモリーカを加え胡椒はお好みで軽く挽きかけます。

皿に盛ってレモンを搾りかければ出来上がり。

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