2017年12月17日日曜日

Insalata di Pere, Crudo e Mascarpone 西洋梨と生ハムのサラダ仕立て

甘く追熟させた西洋梨に塩気のある生ハムを合わせて、ミルクのようにほんのり甘いマスカルポーネを添えた洋梨と生ハムのサラダ仕立て。
クリスマスを祝うディナーでローストチキンが焼けるまで待ちきれないなんてときに、ワインのつまみにあると嬉しい一皿です。

12月も半ばを過ぎて折り返しました。
早いもので今年もいよいよあと半月で終わりですねぇ。
寒さが一段と増してくる頃ですが、寒ければ寒いほど、ついでに雪でも散らつこうものならより一層盛り上がるのもこの季節ならでは。
街はきらびやかなイルミネーションに包まれ、どこからか聞こえてくるクリスマスキャロルに昨年の思い出を重ね、着飾った人々は恋人の待つ広場に向かい、両手にプレゼントを抱えたお父さんが家路を急ぎます。
年齢や性別は違えど人それぞれの過ごし方があるクリスマス。
きっとサンタクロースも、この季節に胸をときめかせるすべての人々に平等にご褒美を用意してくれているに決まってます。

クリスマスはイタリア語で"Natale"=ナターレ。
"Merry Christmas"は"Buon Natale"=ヴォンナターレといいます。
敬虔なカトリック教徒の国イタリアでは、イエスキリストの生誕を祝うクリスマスは復活祭と並ぶ国民挙げての重要イベント。
宗教的な要素がほぼなく雰囲気だけで盛り上がる日本のクリスマスとはそもそもの歴史も重みも違います。
クリスマスの過ごし方も日本とはだいぶ違っていて、ミサに参加したり家族とゆったり過ごすというのがイタリア流。
遠くに住む家族もクリスマスには帰省してきますし、クリスマス休暇でお店も開いてないのでレストランではなく自宅でマンマが腕をふるったご馳走を家族や友人たちといただきます。
日本だとクリスマスというよりむしろお正月に近い感じですよね。
クリスマスの晩餐も日本だとクリスマスイブに楽しむイメージですが、本来クリスマスイブは断食をもって身を清める日とされていて、断食はしないまでもイタリアではイブに肉類や豪華な食事をとったりはせず、魚介類や質素な食事で済ませるのが通例です。
そしてクリスマス当日には盛大に肉づくしのディナーをいただきます。
このあたりも日本のクリスマスの楽しみ方とだいぶ違いますよね。

さて、この時期クリスマスを祝うホームパーティーであると嬉しいのがこんな季節のフルーツと生ハムにフレッシュチーズを添えたサラダ。
洋梨のジューシーな甘みと塩気の強い生ハムはもとより相性抜群だし、ここにクリームチーズのようなフレッシュチーズを添えるのも定番。
葉もの野菜は今日はルッコラにしたので独特の胡麻に似た風味がして、オリーブオイルをまわしかけただけなのにいろんな味がします。
日本だとサラダは何味のドレッシングで食べるかがわりと重要ですが、そもそもイタリアではサラダにドレッシングが添えられることは稀で、テーブルに置いてある塩とヴィネガーとオリーブオイルでお客が自分で味付けするのが一般的。
サラダを美味しく食べるために必要な四人というローマの諺があって、賢者(適量の塩)、節約家(少量のヴィネガー)、浪費家(たっぷりのオリーブオイル)、狂人(しっかり攪拌する)なんだそうです。
プーリアやシチリア、スペインなどにも似たような諺があって、どこもオリーブオイルの一大産地なのが笑えますが、オリーブオイルたっぷりが美味しいというのは本当ですもんねぇ。

今日のサラダも生ハムの塩気と仕上げに軽く挽いた岩塩、梨の切り口に纏わせたレモン果汁の酸味、仕上げにまわしかけるたっぷりのオリーブオイルという諺通りのバランスですが、真中に添えたクリームチーズのようなマスカルポーネでコクを加えているのがポイント。
クリームチーズは生クリームが原料の熟成させないフレッシュチーズの一種でアメリカが発祥、チーズケーキの材料として知られていますが、他にもベーグルに塗ったり、サラダやスモークサーモンに添えたりするのがアメリカ風の食べ方です。
イタリアではクリームチーズという呼び方はあまりぴんときませんが、クリチと同じ生クリームから作られるのがマスカルポーネ。
ミラノが州都のロンバルディア州産のフレッシュチーズでティラミスの原材料として日本でも有名になりましたよね。

チーズの味があまりしないので、チーズというより堅めにホイップした生クリームのような感じ。
フィラデルフィアのクリームチーズよりも少し軟らかく滑らかな質感がティラミスやカンノーリなど製菓用に使いやすいようです。
酸味も甘さも控えめなのでドルチェだけでなく各種料理にも使います。
脂肪分が多いのでこくを出したいときに使うとよく、洋梨や生ハムとの相性は抜群です。





Ingredienti (per 4 persone)

洋梨2個
生ハム80g
ルッコラ1束
レモン1個
マスカルポーネ200g
オリーブオイルたっぷり
胡桃大さじ2
岩塩適量
黒胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

西洋梨は果皮のざらざらした感じが和梨のようなゼネラルレクラークかラフランスを選びます。

よく追熟させてから流水で洗って皮ごと適当な大きさに切り、切り口が変色しないようレモンの搾り汁に浸しておきます。
プロシュートとルッコラも適当な大きさに切り分けます。

皿に洋梨、生ハム、ルッコラを盛りつけて軽く岩塩を挽きます。
真中にマスカルポーネを乗せて黒胡椒を挽きかけ、胡桃を砕いて散らしオリーブオイルをたっぷりまわしかければ出来上がり。

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2 件のコメント:

  1. 美味しそうなので作ってみました。いろいろな味と食感が入り混じって楽しいですね。洋梨を何にしょうかと迷いましたが、皮を剥かないで食べるんですね。ワインは辛口は合わないようで、Moscato d'Asti でも飲んでみたい気持ちになりました。今回はルッコラが少なかったので、次回は写真のようにたっぷり入れて楽しみます。

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    1. ありがとうございます。
      西洋梨の果皮はこのときはざらざら感が気に入っていて剥かずに使いましたが、そのへんは作り手のお好み次第です。
      葉野菜もルッコラに限らず好きなものをお使いになればいいと思います。

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