2017年12月23日土曜日
Crespelle con Prosciutto e Mozzarella ハムとチーズのクレスペッレ
お店ではソースを添えたりベシャメラに沈めてグラタン仕立てにしたりしますが、小腹がすいてるときにこのまま食べるのがいちばん美味しいおやつ代わりの一品です。
日本ではスィーツの定番としておなじみのクレープ。
原宿の竹下通りでは大きなクレープ生地に生クリームやチョコレート、いちごやバナナやナッツを三角形に包んだやつを食べながら歩いたり、インスタ映えを競ったりなんてのが定着してますが、実はこれは原宿が発祥の食べ方なんですね。
クレープはフランス北西部ブルターニュ地方で古くから食べられていた蕎麦粉のガレットがその原形だそうです。
そば粉を小麦粉に代えバターや卵や牛乳を加えてリッチにしたものが、私たちもよく知るクレープというわけです。
もちろん本場フランスだけでなくお隣イタリアでもおなじみ。
イタリア語ではクレスペッレといいます。
そんなスィーツのイメージが強いクレープですが、あちらでは必ずしもスィーツとして食べるものではなく、スィーツなら甘いクレープという意味のクレスペッレドルチェ、料理向けは塩味のクレープという意味のクレスペッレサラーテと呼んだりします。
フランス語だと前者がクレープシュクレ、後者がクレープサレですね。
砂糖を加えて甘く作ったクレープ生地とそうでない普通の生地のように生地そのものの違いを言う場合もありますが、甘くない普通の生地でもスィーツに仕立てますので、通常はスィーツとして作るのか料理として作るのかの違いを指して呼び分けられるみたいですよ。
日本でも最近はおかず系クレープなんて呼び方をしますよね。笑
クレープを料理に使うという感覚も浸透しつつあるようです。
このブログでは今年最初の記事でスクリペッレウブッセというクレープ料理を載せていますが、週末は毎週欠かすことなく一品ポストしてきたこのブログも今年の年末は一週お休みする予定で、奇しくも今年最初と最後の記事がクレープ料理となりました。
そのスクリペッレウブッセは、アブルッツォ州のテーラモという都市の郷土料理で、スクリペッレはクレスペッレのこの地方での方言。
クレープ生地に削ったパルミジャーノを巻き込み、濃厚な鶏のブロードを満たしたスープ皿に浮かべるように置いて黒胡椒とパルミジャーノを挽きかけるという日本人の口にも合いそうな料理でした。
でも、フランスから遠く離れたイタリア中部のアドリア海に面した地でクレープが郷土料理として定着しているのは特異な例。
普通に考えればフランスの文化が流入したり交錯したりしている地域はフランスと隣接するイタリア北西部で、ピエモンテ州やリグーリア州、ヴァッレダオスタ州あたりにフレンチの香り漂う料理が見られます。
そのあたりではクレープ料理もフォンティーナやリコッタなどのチーズやハムやほうれん草などを包んでたっぷりのベシャメルソースをかけ、グラタンみたいにオーブンで焼いたフランス料理風のもの。
豪華で美味しそうではあるけど、せっかく薄くふんわりと焼いて綺麗な焼き目もつけたのに、ベシャメルソースに埋没させオーブンで焼くってちょっともったいない気もします。
実際、カンネローニという管状のパスタの代わりにクレープを使ってるだけだったりするので、クレープが主役の料理というより具を包めればなんでもいいんですね。
さて、料理と呼ぶには幾分カジュアルな雰囲気の今日のクレープですが小腹がすいたときに手軽におやつで食べるにはぴったり。
小麦に卵や乳製品を混ぜた生地はドルチェでなくてもほんのり甘い香りがするし、食感も見た目も私たちがよく知ってるクレープそのもの。
ちょっとコンビニで定番のハムとチーズのブリトーを想起させますが、あれもいろんな具材のものが売られているなか、発売当初からいちばん人気なのがハムとチーズなんですよねぇ。
ミートソースのように味の濃い具材ではなく、控えめなハムとチーズを包んだところも主役のクレープを引き立ててくれます。
Ingredienti (per 15 Crespelle del Diametro di 15cm)
薄力粉 | 100g | ||
卵 | 2個 | ||
牛乳 | 1カップ | ||
バター | 20g | ||
塩 | 小さじ1/2 | ||
オリーブオイル | 適量 | ||
ハム | 15枚 | ||
モッツァレッラ | 200g | ||
黒胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
ボウルに卵を割り入れて泡立器でよく攪拌し牛乳を少し加えます。小麦粉と塩を加えてよく混ぜ、溶かしバターと残りの牛乳を加えながらしゃばしゃばぐらいのゆるさになるようにします。
ラップをしてしばらく置いて馴染ませます。
鉄のフライパンをよく熱してオリーブオイルを馴染ませてからペーパーでふきとり、弱火にして生地をレードルですくって流し入れます。
フライパン底面の直径が15cmぐらいならレードル2/3杯。
このレシピで15枚ぐらい焼ける計算です。
いい感じに焼き目がついたら裏返して両面を焼きます。
クレープなので綺麗な焼き目をつけるのがポイントです。
クレープ生地をひろげてハムとモッツァレッラを乗せて巻き込みます。
レンジでチ-ズがとろけるまで温め黒胡椒を軽く挽けば出来上がり。
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